紅花ノ邨 ─ 居眠り磐音江戸双紙 26 (双葉文庫) (双葉文庫 さ 19-28 居眠り磐音江戸双紙 26)
- 双葉社 (2008年7月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (329ページ)
- / ISBN・EAN: 9784575663389
作品紹介・あらすじ
百日紅が咲き誇り、江戸が晩夏に移ろう頃、佐々木磐音は吉原会所の若い衆とともに奥州道中を北へと向かっていた。奈緒の嫁いだ紅花大尽前田屋に奇禍が降りかかる騒ぎが起き、山形藩も関わっているというのだが…。春風駘蕩の如き磐音が許せぬ悪を討つ、著者渾身の書き下ろし痛快長編時代小説第二十六弾。
感想・レビュー・書評
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奈緒の窮地を救うべく吉原会所と共に山形へ向かう磐音。
関前藩に続いてまたも藩騒動が悲劇をもたらしそうだったところを、速水左近の助力のお陰もあって何とか解決できた。おこんさんの信頼が2人にちゃんと伝わっており、変な焼け木杭に発展する事なく安心しました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
紅花の利権を巡って山形の紅花大尽に嫁いだ奈緒に降りかかる災難。
吉原で奈緒の窮地を聞かされた磐音が吉原会所の二人と山形へ赴く話でした。
山形の磐音の緊迫した雰囲気の中に時々差し挟まれる江戸ののんびりとしたおこんの話が物語の流れに変化を付けて面白く読めました。
磐音の声を聞いても振り返ることを耐える奈緒、奈緒の心を占める磐音を羨ましいと言う奈緒の亭主に哀しさを覚えます。 -
居眠り磐音シリーズを読んでいたものならば、紅花、のタイトルを目にしたとたん、あ、奈緒だな、とわかると思う。
豊後関前藩の藩士として将来を嘱望されておりながら、藩の騒動に巻き込まれて出奔し江戸で浪人稼業に身をやつすことになった磐音と、磐音の許嫁でありながら同じく藩騒動に巻き込まれて遊女に身をやつしながらも江戸は吉原で松の位の花魁にまで昇り詰めた奈緒。
幼き頃は共に生きようと誓いながら運命は流転し、ともにそれぞれの伴侶を見つけ、江戸一の剣術道場の若先生と、山形の紅花お大臣のお内儀へとそれぞれ身を固めたふたりの人生が再び交差する。
山形随一のお大臣に嫁ぎなんの不安もないと思われていた奈緒だったが、紅花販売を藩の専売にするという横紙破りな騒動が勃発し、窮地に立たされることになる。それを知った吉原会所は磐音とともに山形へと旅立つ・・・という展開で、再び相まみえる磐音と奈緒がどうなるのか、遠い東北の地で起きたお家騒動はどうなるのやらと読んでいてわくわくする。
話の決着としては妥当なところに落ち着いた感じはするけれども、何とも言えず切ない。 -
2020.04.12読了
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久々の奈緒登場でテンションあがる。かつて自分たちが引き裂かれたような藩のいざこざでまた奈緒にピンチが。それに立ち上がる磐音。カッコいいとしか言えない。
2019.12.13
176 -
久しぶりの奈緒さま登場。
今回は磐音自らが事件に突っ込んで行っているのだけど、
まぁ奈緒さまの幸せが危ういとなれば、行かざるを得ないわよね。玲圓もおこんも背中を押すし。
藩制は小さな諸外国のようなもので、
どこにでも悪いやつはいて、同じルールのうえに成り立つ小国なので、結局悪巧みはどこでも同じようなものになるのかもしれない。
朝露に光る紅花畑での磐音と奈緒の再会シーンがぐっときました。
顔を見てしまえば、様々な想いが溢れてしまうのかもしれなくて、だから奈緒は振り返ることをしなかったんだろうな。
別々の道を歩き始めたふたりだけど、切なさはこれからずっと、もしかしたら死ぬまで抱き続けるのかもしれない。 -
最終巻で
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磐音が元許嫁の奈緒の危機を知り、山形まで行く話。
おこんさん、人間が出来ているなぁ。というか、磐音のことを心から信頼しているんだなぁと思いました。 -
悪役側が単純に悪役らしくないところが悩みどころですね。
どうも、主人公側に肩入れしづらいというか。
やはり、読みどころは久しぶりの再会が無事に行われるかどうかでしょう。(^^
しかし、わざわざ文庫の整理番号の説明までつけないといけないってのは、編集も苦労しますね。ほんと、ご苦労様です。
ってか、整理番号とシリーズの番号が合わないからって問い合わせる読者の方がどうかしているよな。(^^; -
懐かしき藤沢周平の世界とともに、第1巻の雰囲気に舞い戻った感じです。