天狗小僧ー大富豪同心(2)(双葉文庫) (双葉文庫 は 20-2)

著者 :
  • 双葉社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784575664409

感想・レビュー・書評

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  • 江戸一の高利貸しの若旦那であった放蕩息子である、卯之吉が同心になった。
    商人から差し出された袖の下を受け取らない。卯之吉からすると端金だから受け取らなかっただけなのに、後ろ暗い所がある者からすると自分の悪事がバレていると勘違いして卯之吉を恐れる。

    卯之吉はただの気のいい放蕩息子なのに、その同心らしくない姿が周りの人を戸惑わせ、切れ者だと勘違いしていくのが面白かった。

  • 今回も、活躍する気がなくても周囲の勘違いのおかげで結果的に事件を解決に導いちゃってる卯之吉さんw
    神隠しの真相は悲しいものだったけど、そういう勘違いが回りまわって少しは救いのあるものになったといえそう。
    しかし、最後のアレ、大笑い。ちょっとーーーーw

  • 退院後の自宅療養中に読了。
    入院中の読書用にと、本好きの叔母から全巻揃いで供与。

    シリーズ2作目。
    盗賊・霞ノ小源太一味が江戸の町を震撼させていた。そんな折、油問屋・白滝屋の一人息子が高尾山の天狗にさらわれるという事件が起きた。見習い同心の八巻卯之吉は、筆頭同心の村田銕三郎から探索を命じられる。
    (↑手抜き)

  • シリーズ2作目。天狗の神隠しと盗賊・霞ノ一党の話の組み合わせで、2019年にNHK BSプレミアムや総合で放送されたドラマでは2回に分けられていた。出世欲もなく賄賂にもなびかない卯之吉がますます勝手に神格化されていくのが笑っちゃう。

  • 「たいていのことはお金が解決してくれる」をここまであっけらかんと通されるとこれも一つの型なのだなあと2巻目にして早くもパターンが出来上がっていていい感じです。
    卯之吉自身は何もしていないのに周りが勝手に解釈して同心卯之吉がどんどん神格化されてゆく様がおかしみを感じられて読んでいてたのしいです。
    ところで母親殺しのお目こぼしはこれでいいのかなあ。でも正当防衛もしくは過失致死で磔獄門もあんまりだしな。江戸時代の求刑も腑に落ちないことが多いです。

  • 大富豪同心、一見何の関わりもなさそうな2つのエピソードが1人の女で繋がっていました。
    うのたんのホンワカお坊ちゃん振り健在。
    刑事モノの要素はありますが、完全に安心して読めます。

  • 1巻ほど卯之さんの奇行(?)がないので、前ほどは…と思っていたのですが、それでもやっぱりおもしろかったです。卯之さん、あなたいつから隠密廻になったん?(笑)隠密廻になったり、お医者様になったり、何だかとてもすごいお人のようですが…銀八の心の突っ込みもなかなか。「善意からくる悪行は、一見善行に見えるから恐ろしい。善意の悪行を放っておけば、いつしか社会は悪によって蝕まれ、人は生きていけなくなる」世間なんて関係ない卯之さんにはピンとこないようだったけど、痛い言葉だったです。次巻も楽しみだねえ。←卯之さん風で

  • もう、卯之吉ったら折角の手柄をあっさりと沢田様に譲ってしまうなんて。勿論やる気も出世欲も無いのは分かっているけどさ~、「こやつ、できる!」と、周囲に盛大に誤解され続けて欲しいのよ。卯之吉に甘いおじいちゃまが今回登場しなかったのは残念だな。

  • 大富豪同心シリーズ、2作目。

    盗賊・霞ノ小源太一党の捕縛と、油問屋・白滝屋の一人息子の天狗騒動。

    1作目は偶然と他人の勘違いの積み重ねで結果的に事件解決に持っていった感が強かったが、今回は卯之吉自身の本領(放蕩息子としての)が発揮した場面がより多くなり、キャラ要素だけでなく、捕物ミステリとして楽しめる部分も大いに出てきた。にしても、周りの卯之吉に対する勘違いぶりがどんどん度を増してきて、可笑しくてついつい笑っちゃう。
    大富豪の放蕩息子&同心の二つの顔を使って、今後も卯之吉がどういう活躍をしてくれるのか楽しみ。お気に入りのシリーズを発見できて、ホクホクです。

  • 大富豪同心シリーズ2作目です。
    前作同様、痛快でした。

    卯之吉が相変わらずの天然っぷりで笑えます。
    褒められると照れる謙虚さも、
    貧しい人々に対する思いやりもちゃんと持ち合わせていますが、
    なにしろ、うなるようなお金に囲まれた環境でお育ちなもので、
    周りの思惑なんかには無頓着で、相当浮いてます。
    既に何でも手に入る訳ですから、手柄も賄賂もいりません。
    そんな言動を、周囲がやり手同心として勝手に誤解してくれます。
    まあ、なんだかんだで良い方に誤解してくれたり、
    人や情報が集まってくるのは、
    卯之吉の大らかで善良な人柄故かなとは思いますけど。

    放蕩三昧で培った人脈とか、
    お金に物を言わせて学んだ知識とか。
    結局誰よりも有能(?)なのが、皮肉です。
    皮肉といえば。
    江戸一の札差と言われる爺様が溜め込んだお金を、
    孫の卯之吉がものすごい勢いで使う様子もそうです。
    爺様は商人ですから、お金には相当細かい筈ですが、
    卯之吉は、お金に困ったことがないのでまったく執着しません。
    そのお金の使いっぷりやら投げっぷりは、いっそ清々しいほどです。
    そういう非常識さが、読んでいて楽しかったです。

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著者プロフィール

一九六八年、栃木県生まれ。武蔵野美術大学造形学部卒業。テレビ局嘱託職員を経た後、CM製作会社勤務。イラストレーターとして広告に挿絵などを描いていたが、一九九五年、フリーライターに転じ、実録物など、数多くの媒体で活躍。二〇〇八年「天下御免の信十郎」シリーズで、時代小説作家として文壇デビュー。人気を博す。

「2021年 『騎虎の将 太田道灌下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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