- Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
- / ISBN・EAN: 9784576111551
感想・レビュー・書評
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BL界のめざましい進化には驚きを隠せません。すごいよ、このジャンル。そして海野センセさすがです。面白かった。
なんと今回のメインキャラは、理工学部経営工学科教授で、お世辞にもカッコいいとは言えないオヤジ教授の春井48歳です。フケ専というBLが当たり前になりつつあるのはうすうす感じていましたが、草間センセにここまで手加減なしにばっさりおじさんを描かれるとさらに実感します。
おちこぼれの避難所と揶揄されている春井の研究室に入ってきたのは、場違いにもほどがある優秀でクール美人の伊瀬。そして春井は偶然彼が書いていた恋文を見てしまうのですが、「好きです。だからやらせて下さい」なんていう、身も蓋もない文章。呆れた春井は、おそるおそる恋文作成を手伝うことに。
春井視点で進むこの話、おかしくて吹き出したり、キュンキュンさせられたり、先はどうなるのか無性に気になって真剣に読み進んでしまいました。春井は、年長で本来ならば先生としての威厳も備えなければならない立場なのに、学生相手に強気に出られずオドオドしてしまい、伊瀬がたまらず助け舟を出してしまうほどの気の弱さです。でも、春井は気が弱いだけじゃなくて優しさもあるし、理系なのに素晴らしくロマンチストです。そんな春井の魅力に気がついて5年間も片想いしていた伊瀬も同じくらい不器用なんですが、優秀でクールなので周囲には全くわかりません。ただのツンツンで絶対嫌われていると誤解されてしまう残念さが、春井の鈍くささと絡んですごく上質なラブコメに仕上がっています。
読み進むうちに、伊瀬はなぜこんなおじさんに?と感じていた疑問がだんだん溶解していき、春井のいいところがこちらにもいっぱい伝わってくるようになります。控えめで研究熱心で乙女なところもあってその歳でまだDT!という、春井のペースがセチガライ世の中にはまるでオアシスのようです…
伊瀬もまた理系な秀才のくせに、情緒的にはなってなくて結構必死なのに春井に気持を伝えるのが下手くそすぎで笑えたけど、ちょっとかわいかった。相手が春井じゃなくても伝わらなさそうで。
春井が、恋文の相手を自分じゃないのだと思ってしまうところもせつなくて、だからこそ最後の伊瀬の積極的な態度が読んでいて本当に嬉しくなりました。そして、結ばれた後の春井の決意がすごく胸を打たれました。恋にあたふたしていても、根底では強さもちゃんと持っていて、伊瀬の目に狂いはなかったと思わせてくれます。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オッサン受けが大丈夫な人には絶対オススメです。きゅんきゅんします。すごいでこの本。俺様キャラなんやけど、本人的には実は弱気な攻めっぷりがしんぼうたまらんかんじです。傑作。
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個人的に過去最高齢受けかもしれない。
しかも設定上50未満のはずが、言動からは60過ぎに感じる始末。
面白かったけど、萌えるかどうか聞かれると…???
エッチなシーンも、なくていいから労わってあげて!と思ってしまった具合…
この作者さんは理工系キャラが無理なく理工系らしいのが好き。 -
ゼミ生×教授
とびきり優秀な伊瀬が選んだ研究室はうだつの上がらない春井の研究室
落ちこぼれの集まるその研究室で伊瀬は春井を貶したり、酷い言葉を投げつけながらも何かと助けになってくれていた
そんなある日、伊瀬が恋文を書いていることを春井が知ってしまい、そのあまりの情緒のなさに恋文を添削することになり…
恋文教室と言うほどあんまり添削してるシーンは少なかったような気もするし、さすがに伊瀬が辛辣すぎて恋心読み取るのは難しすぎるなーという話でした。
春井もちょっとダメダメすぎて、もう少しこの分野だけでもすごいんだよ!って方向にしてくれないと、なんだかこの2人はお互いどこに惹かれ合ったのか、イマイチ理解に苦しむところではあります… -
20170310
曽芭…… -
私これ好きだ~♪
おじさん受。
個人的に年上攻が好きな私ですが、これはもう意地悪な攻にオロオロする研究バカな教授に感情移入しました。
攻は学生で、インテリ眼鏡のイケメン。
立場的には教授の方が強いはずなのに、人間関係不得手な教授にイライラと強い口調で叱りつける人です。
といいつつ、攻も十分人間として感情表現が下手でして、それがまた愛おしい。
海野幸さんの作品では今のところこれが一番すきだなぁ・・・。 -
学生×老教授もの
表紙の受けはやや老い気味な絵柄ですが、きっと実は結構若いんだろう……そう思って読んだのですがこれがなかなかガチ老教授でして、かなり好き嫌いが分かれるのではないかと思われます。
理系研究室、シミュレーションという学問分野の描写が細かいものが多くて、その辺りが知的好奇心を刺激されて面白かったです。 -
以前読んだ木原氏の作品とどうしても比較してしまうのだが、こちらはごく平和的解決をしていて安心して読了。理系の書く不器用すぎるラブレターが面白かった。もうちょい長めに内容の表記があったら更によかった。そして草間氏による伊瀬君の扉絵の色気がハンパない。