- Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
- / ISBN・EAN: 9784577003275
感想・レビュー・書評
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やなせたかしワールド全開。
こどもの読む絵本としてはあまりに深い、こどもの知性への信頼の大きさに驚かされる一冊。
ネタバレ絶対避けたいのでなにも書きませんが、大人に読んでほしい、そして感動してる様を傍にいるこどもに見せつけてほしい。
ストーリーにも、ことばひとつひとつのチョイスにも、考えさせられるものがある。
かなしい、だけでは済まされない、良かったとは言えない、名作「ごんぎつね」にも通じる読後感。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
セリフの「先生で お父さんだった。」が心にじ~んと胸にきました。
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嗚呼…… 。 (泣)
ネタバレになってはいけないので、ストーリーは書きません。胸打たれる 感動作でした…。
ぜひとも、読んで、この作品に、胸を撃ち抜かれていただきたいです。
チリンの すずで
おもいだす
やさしい
まつげを
ほほえみを
チリンの すずで
おもいだす
このよの
さびしさ
また
かなしみ
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読了
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やなせ たかし (著)
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終戦記念日に読む。
子羊チリンは、オオカミのウォーに母親を殺されてしまう。チリンはウォーに弟子入りを申し出る。ウォーはみんなの嫌われ者だったから、チリンが弟子入りを志願してきたとき嬉しかった。
ウォーは熱心に指導し、チリンは強く逞しくなり、その様はオオカミさながら。ウォーとふたりで羊小屋を襲う予定だった日、チリンはウォーを殺して母親の敵討ちを果たす。ウォーは、お前に殺されて良かったと言って死んでいく。
チリンの心は晴れない。チリンは、恨んでいたはずのウォーを父親のように慕っていた自分に気付き、羊の群れにも戻らず、ひとりぼっちで生きていく。
殺し合い・破壊・暴力で何かを解決しようとしても虚しい連鎖が起こるばかり。完全な悪人はいない。敵も誰かの息子娘であり、もしかしたら誰かの親かもしれない。
チリンは父(的存在)も母も暴力で失ったことになる。一方は自分の手で殺めてしまった。
大切な人を殺された立場、殺してしまった立場、どちらの視点もチリンの中にある。
世界の縮図をみている気持ちになったし、チリンが兵士の姿にも重なった。 -
心のうんと深いところで、考えさせられた。
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憎しみからは何も生まれない。やなせさんの絵本はすっと入ってくる。
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寝る前に息子と絵本を読みました。
家族で高知に旅行した際に「アンパンマンミュージアム」で購入した、『チリンのすず』です。
「アンパンマン」の大ヒットで有名な"やなせたかし"さんの初期の作品です。
狼の"ウォー"に母親を殺された子ひつじの"チリン"は、ある日"ウォー"を訪ね「ぼくもあなたのような つよいおおかみになりたい。ぼくをあなたのでしにしてください。」と頼みます。
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"チリン"は"ウォー"の厳しい訓練に耐え、強い獣となり二匹で山々を暴れまわりますが、、、
或る夜、"チリン"は"ウォー"を裏切り、仇討ちを果たします。
母親の復讐とはいえ、、、
親子同然に暮らしてきた"ウォー"を殺したことで、"チリン"の悲しみは、より一層深くなる… という、なんだか辛く悲しい物語です。
暴力(武力)に対し、暴力(武力)で返しても何も得るものはないんだ… ということを、少しでも息子が感じてくれるとイイですね。