チリンのすず (フレーベルのえほん 27)

  • フレーベル館
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (31ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784577003275

感想・レビュー・書評

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  • やなせたかしワールド全開。
    こどもの読む絵本としてはあまりに深い、こどもの知性への信頼の大きさに驚かされる一冊。

    ネタバレ絶対避けたいのでなにも書きませんが、大人に読んでほしい、そして感動してる様を傍にいるこどもに見せつけてほしい。

    ストーリーにも、ことばひとつひとつのチョイスにも、考えさせられるものがある。
    かなしい、だけでは済まされない、良かったとは言えない、名作「ごんぎつね」にも通じる読後感。

  • セリフの「先生で お父さんだった。」が心にじ~んと胸にきました。

  • 嗚呼…… 。 (泣)


    ネタバレになってはいけないので、ストーリーは書きません。胸打たれる 感動作でした…。
    ぜひとも、読んで、この作品に、胸を撃ち抜かれていただきたいです。


    チリンの すずで
    おもいだす
    やさしい
    まつげを
    ほほえみを
    チリンの すずで
    おもいだす
    このよの
    さびしさ
    また
    かなしみ


  • 読了

  • やなせ たかし (著)

  • 終戦記念日に読む。

    子羊チリンは、オオカミのウォーに母親を殺されてしまう。チリンはウォーに弟子入りを申し出る。ウォーはみんなの嫌われ者だったから、チリンが弟子入りを志願してきたとき嬉しかった。

    ウォーは熱心に指導し、チリンは強く逞しくなり、その様はオオカミさながら。ウォーとふたりで羊小屋を襲う予定だった日、チリンはウォーを殺して母親の敵討ちを果たす。ウォーは、お前に殺されて良かったと言って死んでいく。

    チリンの心は晴れない。チリンは、恨んでいたはずのウォーを父親のように慕っていた自分に気付き、羊の群れにも戻らず、ひとりぼっちで生きていく。

    殺し合い・破壊・暴力で何かを解決しようとしても虚しい連鎖が起こるばかり。完全な悪人はいない。敵も誰かの息子娘であり、もしかしたら誰かの親かもしれない。

    チリンは父(的存在)も母も暴力で失ったことになる。一方は自分の手で殺めてしまった。
    大切な人を殺された立場、殺してしまった立場、どちらの視点もチリンの中にある。
    世界の縮図をみている気持ちになったし、チリンが兵士の姿にも重なった。

  • 首に鈴を下げた小さな子羊が、ある日突然オオカミによる群れの襲撃でお母さん羊を失う。子羊はその足でオオカミのいる山に登り、弟子入りを願う。

    復讐せずにいられない気持ち。
    復讐を原動力にした信じられないエネルギー。
    仇は永遠に仇ではいてくれないということ。
    そして復讐を遂げて残るのは穴の空いたさみしい心。

    どうにも寂しい、すさんだ気持ちで絵本を閉じた。
    小さな子どもたちも、チリンの物語を追いかけてこの寂しさに至るのだろうか。どんな感想を持つのか気になるところ。
    「復讐」のありさまを描いた1冊。

  • 心のうんと深いところで、考えさせられた。

  • 憎しみからは何も生まれない。やなせさんの絵本はすっと入ってくる。

  • 寝る前に息子と絵本を読みました。

    家族で高知に旅行した際に「アンパンマンミュージアム」で購入した、『チリンのすず』です。


    「アンパンマン」の大ヒットで有名な"やなせたかし"さんの初期の作品です。

    狼の"ウォー"に母親を殺された子ひつじの"チリン"は、ある日"ウォー"を訪ね「ぼくもあなたのような つよいおおかみになりたい。ぼくをあなたのでしにしてください。」と頼みます。
    クリックすると元のサイズで表示します

    "チリン"は"ウォー"の厳しい訓練に耐え、強い獣となり二匹で山々を暴れまわりますが、、、
     或る夜、"チリン"は"ウォー"を裏切り、仇討ちを果たします。

    母親の復讐とはいえ、、、
    親子同然に暮らしてきた"ウォー"を殺したことで、"チリン"の悲しみは、より一層深くなる… という、なんだか辛く悲しい物語です。

    暴力(武力)に対し、暴力(武力)で返しても何も得るものはないんだ… ということを、少しでも息子が感じてくれるとイイですね。

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著者プロフィール

1919年生まれ、高知県出身。百貨店宣伝部にグラフィックデザイナーとして勤務の後、漫画家・絵本作家として活動を始める。絵本の作品に『やさしいライオン』『チリンのすず』『あんぱんまん』(フレーベル館)など多数。2013年永眠。

「2022年 『アンパンマンかみしばい③』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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