はじまりは、まっしろな紙

  • フレーベル館
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  • Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784577049013

作品紹介・あらすじ

「世界じゅうのあかちゃんをかきましょう。あらゆる国ぐにのあかちゃんを。
町のなかでも、絵本のなかでも、はだの色で人をわけてはいけません。そんなルール、なくさなくては」

絵本作家ギョウ・フジカワは、はだの色で人をくべつする法律があった1960年代はじめのアメリカで、はだの色のちがう赤ちゃんたちを、はじめていっしょに登場させました。
「みんなに、差別のない世界を想像してほしい」というゆめがあったからです。
その背景には、日系人であるギョウ自身の、つらい経験がありました。

絵本のなかから人種差別をうちやぶった、日系人女性の伝記絵本!

感想・レビュー・書評

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  • 世界のブックデザイン 2019-20 | 企画展示 | 印刷博物館 Printing Museum, Tokyo
    https://www.printing-museum.org/collection/exhibition/g20201212.php

    Home - Kyo Maclear
    http://www.kyomaclear.com/

    Julie Morstad
    https://juliemorstad.com/

    はじまりは、まっしろな紙- フレーベル館
    https://www.froebel-kan.co.jp/book/detail/9784577049013/

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      Culture Canada 2021年2月号 から
      日系アメリカ人絵本作家ギョウ・フジカワの伝記をカナダ人の作家とイラストレーターが組ん...
      Culture Canada 2021年2月号 から
      日系アメリカ人絵本作家ギョウ・フジカワの伝記をカナダ人の作家とイラストレーターが組んで絵本にした本書。原書はアルクイン・ソサエティー・カナダ・ブック・デザイン賞2019子供の本部門で入賞し、現在印刷博物館で開催されている「世界のブックデザイン2019-2020」展で展示されています。静かで孤独に育ち画家を志していたギョウが5歳だった1913年に話は始まり、1920年代の美術学校時代、1932年の日本旅行、その後のウォルト・ディズニー・スタジオでの活躍の様子が描かれています。1963年に彼女が制作した初の絵本「Babies」では、肌の色で人を区別する法律があった当時のアメリカで、肌の色の違う赤ちゃんたちを一緒の場面に登場させました。差別のない世界を目指した日系人女性の人生をこの絵本でたどることができます。
      2021/01/29
  • 絵本の出版をとおして人種差別への抗議を露にした、日系アメリカ人絵本作家ギョウ・フジカワ(1908-1998)を偲ぶ伝記絵本。 日本からアメリカに移住した日系アメリカ人1世の両親にもつギョウは、絵の得意な女の子として成長。白人社会の人種偏見のなか、芸術大学の奨学生としてアートを学ぶ。1932年の一年間、日本中を旅する。1939年にディズニー・スタジオに入社、映画「ファンタジア」に携わる。太平洋戦争が勃発し、両親ら日系人は強制収容所に送還される・・・偏見をこえた絵本『Babies』がベストセラ-に・・・。

  • 第二次世界大戦前に米国に移住した両親の間に生まれたギョウの伝記絵本。まだ人種差別の厳しかった頃にディズニープロダクションでアーティストとして働き、戦後は絵本作家となった。日本にあまり紹介されていなかったが、様々な差別や偏見に負けなかった女性だ。

  • 1913年にアメリカに移住した一家の娘、ギョウ・フジカワは日本では馴染みのない絵本作家だと思います。
    が、彼女こそ!
    移民のアジア人の女性にもかかわらず、美術の大学へ行き、ディズニーの広報の仕事をし、絵本のなかの子どもたちを白人、アジア人、黒人、肌の色を問わず同じページに描いた初めての絵本作家なのです。
    その絵本は最初拒絶されました。
    同じページの中に白人と黒人がいるのは許されない、と編集者は言いました。
    この絵本「Babies」は1963年に出版され、いままでに200万部も売れているそうです。
    つまり、アメリカの黒人差別が問題にされ始めたのは、つい、最近のことなのです。
    また、ギョウは、印税で支払うように要求した最初の絵本作家の一人だったそうです。
    買い取りなら……200万部の売り上げはまるまる会社のものになっていたでしょうが。

    そうして、その絵本はいまだに日本では翻訳発売されていず、絵本に親しんでいる大人たちのなかでも、ギョウ・フジカワを知っている人は少ないと思います。

    やっと2020年に、キョウのことを描いてくれた伝記絵本が日本でもでました。
    フレーベル館、ありがとう!

    2021/07/08 更新

  • 絵本としてよりも、巻末の年表や解説がよかったし、ギョウ自身の作品を読みたくなりました。

  • ギョウ・フジカワという人がどんな人か知りたかったので、大満足。
    ギョウは1908年にカリフォルニア州バークレーで生まれた日系二世のアーティストだった。
    今以上に人種差別のはびこる当時、奨学金で大学に進学。
    戦時中は家族が強制収容所へ送られる。
    1963年以降は子どもの作品作りに専念、1998年、90歳で死去。

  • ギョウ・フジカワという絵本作家の存在すら初めて知りました。
    白人の赤ちゃんしか描いてはいけなかったなんて!
    今の時代のアメリカの絵本には、さまざまな肌の色、さまざまな状態の人々が登場しています。
    まさに隔世の感。
    ですが、人々の心はどうでしょう?
    そして日本もどうでしょう?

  • こんな女性がいたんだなぁ、と初めて知りました。絵本だけれど、大人に読んでほしい1冊。

    1900年前半の時代に、日系人でしかも女性で、こんなに力強く自分の道を切り開いていった人がいたとは。どんな時代でもそれが一般的に当たり前でなくても、自分で正しいことを貫いていける人がいるのだ。

    「自分がだれにも見えていない」というところや、「(日本で)先生たちが教えてくれるのは決まりごとばかり」という表現が、すごく心に残った。

    もちろん、このあとはギョウ・フジカワさんの絵本を読みたいです!

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著者プロフィール

1970年、英国生まれのカナダ人作家。トロント大学で美術を学び、文化研究の分野で修士号を取得。小説家、美術批評家としても評価が高く、2010年に初めて絵本の文章を手掛けた。2作目の絵本作品である本書が初の邦訳。英国人の父と日本人の母をもつ。

「2015年 『きょうは、おおかみ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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