- Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582765960
作品紹介・あらすじ
一九二五年におこなわれた「カッセル講演」は平易な語り口による簡約版『存在と時間』といえる。ディルタイおよびヨルクへの言及、フッサール現象学の批判的受容、相対性理論や非ユークリッド幾何学との対話など、『存在と時間』よりも立ち入った講論が注目される。ほかに『文学研究と精神史のためのドイツ季刊誌』の編者たちとの書簡集、ガーダマー『真理と方法』の草稿の一部を併録。ハイデッガー自身によるハイデッガー入門。
感想・レビュー・書評
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言い回しは平易だが、内容まで物足りない…頑張ってほしいのは、そこじゃないのだ。
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原著1992年。
ディルタイの思想をいかに受容するかということを追究するためのパッケージで、ガダマーの『真理と方法』初稿の冒頭なども入っているが、この本を手に取る人の大半の目的はハイデッガーの「カッセル講演」(1925)であろう。そもそもディルタイに関しては、現在日本ではその著書の大半は入手しがたくなっているし、そもそもこの国ではこの著作家をあまり興味を持って受け取ってこなかったのではないかと思う。
さてハイデッガーの講演、なるほど噂どおりに分かりやすい。確かにディルタイに関してもいろいろ言っているのだが、その一方で、『存在と時間』にあるようなハイデッガー自身の主要テーマについてもかなり語っており、他の著作に比べて断然平易なのである。とりわけ、相対性理論についても触れているし、時間概念について実に明快な説明を行っており、実に貴重な文章だ。
この講演録以外の資料については(ディルタイに関心が無ければ)あまり興味を惹くものではないが、巻末の書簡集には、雑誌の編集者やカール・レーヴィッドとハイデッガーの手紙のやり取りが見られ、哲学その物ではないけれども、これはこれでなかなか面白い読み物となっている。 -
ハイデガーの講義や書簡が収められている。存在と歴史、時間について色々と語っている。繰り返し語られることはひとつに思えるけどピンと来るにはもう少し読まないといけなさそう。通読できる平明さはあるので、将来の理解の助けにはなると思う。
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『存在と時間』の手前。
〈歴史性〉というエッセンスがシンプルに出ていて、わかりやすい。 -
わかりやすかった。