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- Amazon.co.jp ・本 (271ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582766769
感想・レビュー・書評
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いかにも英国らしいシニカルなユーモアのあるエッセー集。
生産効率の上がった現代では1日4時間労働にして閑暇を人生のために使うべきという表題作は、現代のワークシェアリング論の祖形ともいえるが、働く根本の意味を閑暇を得るためとする根本的な議論である。
貨幣への過度の崇拝(現代版マイダス王)への批判も、いわゆる資本原理主義批判に通ずる部分はあるが、情緒ではなく論理によっている。
ファシズム、共産主義といった「極論」への批判は全く同感。社会計画に重きを置いているのは古臭いが、市場メカニズムへの理解は、適切な規制方法も含めてこの時代より格段に進んだと言うべきであろう。
アメリカの標準化、画一化を皮肉りつつも、ある程度共感しているのはおもしろい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
英国哲学の中で、そしてすうがくの歴史において、さらには世界平和に奔走した人間としても、有名な哲学者B.ラッセルによる平和・幸福実現に向けたエッセイ集。
一番最初はこの本のタイトルにもなっている「怠惰への讃歌」。今でも全くもって同様な議論がされる位、先見性があるエッセイである。内容は、そもそも労働が善であるという意識が我々に不幸をもたらした。そもそも怠惰こそ享楽とすべきなのではないか、と言ったところか。それ以外にも、今にも通用するような議論がなされている。ちょっと流し読みしてしまったせいで、あまり内容が入ってない。。なので、読み直しということで。