- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784582832891
作品紹介・あらすじ
全世界の注目をあびるTV放送局アルジャジーラは、どのようにアラブの小国カタールに誕生し、なぜ成功し、なにを目指しているのか。アラブ世界の対抗権力としてのメディア、かつアメリカにたいする挑戦としてのメディア-その反逆と可能性の実態に迫る最適の入門書。
感想・レビュー・書評
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パリの女性政治学者著。
事前検閲のない討論やビンラディンの度重なる登場など他メディアにないやり方で注目のアルジャジーラ。
出資者カタールが国際社会でイニシアチブをとりやすくなったこと、カタールがアメリカとの特権的な関係を確立しならがら、リベラル路線でアラブ世界をリードしようとしているという流れ、少し共感した。
ビンラディンの急進的なイスラム教に、アラブ世界の政略的イスラム教の現状を集約することはできない。
というのはまさにそのとおりと感じた。
とりわけ説教師アルカラダーウィーに言及することが多い。
敬虔なムスリムは権威のある説教師のファトワ(宗教的見解)に従う傾向にあるという。彼の宗教番組があり、見解を述べることがあるという。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
アルジャジーラ。9.11辺りかな、良く耳にするようになったのは。以前はかなり片方に寄った報道をするってイメージだったけど、アラブの春辺りからはそのイメージが変わったな。って事で興味をもって読んでみた。やはり感じた事は間違い無いし、内容は面白いんだけど・・・訳が回りくどいってか読みづらいってか相当興味を持って読まないと文字に負けるわ。すごくもったいない気がする。
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アルジャジーラは権力の広報機関でもテロリストの手先でもない。アラブ中東と言えばどうしても一族が国を私物化してるような君主制に支配されているイメージがあり(実際そうなのだが)、そんなところで公正な報道などできるわけがないと思っているかもしれないが、日本の放送局より公正。アラブ諸国が憎むイスラエルにも支局があり、右派左派関係なく発言させる。そのアルジャジーラがどうして権力から自立した(完全にとは言えないが)報道ができるのかを追ったのが本書。
ただ、文章が読みにくく、頭に入ってきにくいのが致命的。訳に難あり。 -
アルジャジーラの整合性は何よりも汎アラブ主義であり、民族の反帝国主義の怨念とアメリカのアラブ世界に向けた対外政策に対する異議申し立てを表現する。しかしアルジャジーラはまた、カタール当局のネオリベラルな新しいエリートたちの産物である。
連続的な情報メディアであるアルジャジーラは格調正しいアラビア語で放送して、アラブ人とイスラム教徒の二重のアイデンティティを表現する。
カタールのドーハに本拠地を置くが世界中に特派員がいる。カタールとイスラエルは関係も良好だから、イスラエルにもある。
アルジャジーラはアラブイスラム世界を形成する対立関係を解読し、わかりやすくすると主張する。
アルジャジーラは政略的イスラム教の異なる表現とさらに敵対する表現を理解させた。そしてアラブ世界で初めて文化と宗教と政治としてのイスラム教の区別方法を複雑さをさらけ出して一般人に理解させた。 -
アルジャジーラがアメリカに対し挑戦的な立場を取っているのはわかった。でも読み難い、とにかく文章が読み難くくて眠気を誘った。ただ翻訳すれば良いってものでない。