真説 鉄砲伝来 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582853469

作品紹介・あらすじ

鉄砲は天文十二年(一五四三)、種子島に漂着したポルトガル人によって伝えられた-。これが明治以来百年にわたって説かれてきた通説である。しかし、周囲をすべて海に囲まれた日本列島の、ただ一点だけからもたらされたという話に、ほんとうに現実味があるのだろうか?多元的な伝来の真実を明らかにし、戦国の鉄砲史を刷新する刺激的な論考。

感想・レビュー・書評

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  • 【目次】(「BOOK」データベースより)
    第1章 百年通説の打破/第2章 『鉄炮記』の全容/第3章 畿内争乱と将軍と鉄炮/第4章 炮術の発生と南蛮流の流行/第5章 炮術師の諸国遍歴と鉄炮の伝播/第6章 国友鉄炮鍛冶と炮術師/第7章 鉄炮衆の編制と秘伝の軍用化/第8章 対外戦のなかの降倭と鉄炮

  • [評価]
    ★★★★☆ 星4つ

    [感想]
    著者「宇田川武久氏」の著作「鉄炮伝来」のあとがきで本作を読むことで鉄砲の伝来についてを補完することができると書かれていたので短期間に連続して読んでみた。
    この二作は当然ながら重複している部分が多く、一方でも鉄砲の伝来についての新たな視点を見出すには十分な内容になっている。
    しかし、「鉄炮伝来」には詳細に書かれていない内容としては『鉄炮記』の内容紹介、国友鉄炮鍛冶の起源と歴史などがあり、二作で鉄砲の伝来から国内における普及、江戸時代における鉄炮の扱いが大まかに理解できるようになった。

  • こういった本を読むと、歴史って何だろうと思う。歴史って変わらない過去の事と思って来たけれど、40年生きて来て、歴史も時代とともに変わっていくものなんだなと気付いた。史観が変わるのには違和感なく納得できるのに、時間が経てば経つほど、真実に近づいていくという逆説には違和感を覚える。「踊る埴輪」はどうやら馬の手綱を引いているらしいことや、武田信玄とされていた像が着物の紋から別人らしいことなど、常識を覆されることが多い

  • 鉄砲は天文十二年、種子島に漂着したポルトガル人によって伝えられた。明治以来の通説を検証し多元的な伝来の真実を明らかにし戦国の鉄砲史を刷新する刺激的な論考。

    通説の根拠は「鉄炮記」という書物にあるという。著者はこの書物が伝来から約60年後に功績を称えるために書かれたものであり、史料的価値が高いとは言えないという。
    著者は当時、交易が盛んであった事から、種子島以外の地にも鉄炮が伝来するのがごく自然だと説く。
    著者の論考は確かに成る程と思わせられるのだが、通説に比べインバクトには欠ける。まあ、真実はそれほどに劇的ではないのかもしれない。

    タイトルの鉄砲伝来を扱ったのは4分の1程度であり、残りは伝来した鉄砲がどの様に国内を伝播したのか、どの様に朝鮮に伝わったのかが書かれている。
    これらはこれで十分面白いのであるが、タイトルがタイトルだけに肩透かしを食らった気がしてしまう。 (牽強付会な新説を唱える史家に比べれば十分誠実な感じがするだけに、タイトルで損をしている気がしてしまいました。)

  • [ 内容 ]
    鉄砲は天文十二年(一五四三)、種子島に漂着したポルトガル人によって伝えられた―。
    これが明治以来百年にわたって説かれてきた通説である。
    しかし、周囲をすべて海に囲まれた日本列島の、ただ一点だけからもたらされたという話に、ほんとうに現実味があるのだろうか?
    多元的な伝来の真実を明らかにし、戦国の鉄砲史を刷新する刺激的な論考。

    [ 目次 ]
    第1章 百年通説の打破
    第2章 『鉄炮記』の全容
    第3章 畿内争乱と将軍と鉄炮
    第4章 炮術の発生と南蛮流の流行
    第5章 炮術師の諸国遍歴と鉄炮の伝播
    第6章 国友鉄炮鍛冶と炮術師
    第7章 鉄炮衆の編制と秘伝の軍用化
    第8章 対外戦のなかの降倭と鉄炮

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  • スタートは気合が入っていたが、最後はぐだぐだという、お決まりのパターン

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著者プロフィール

1943年東京都生まれ。國學院大學大学院博士課程修了。国立歴史民俗博物館教授を経て、現在、同名誉教授。日本銃砲史学会理事長。
主な著書に、『瀬戸内水軍』『日本の海賊』『東アジア兵器交流史の研究』『鉄炮と石火矢』『江戸の炮術』『鉄砲と戦国合戦』『真説 鉄砲伝来』『江戸の砲術師たち』『幕末 もう一つの鉄砲伝来』『鉄炮伝来』ほか。

「2022年 『日本銃砲の歴史と技術 第二版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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