昆虫食入門 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582856354

作品紹介・あらすじ

人類にとって究極の伝統食材、それが昆虫。世界の昆虫食の現状を紹介するほか、嫌いな人の心理や食料としての可能性、さらには食育まで、昆虫食のあらゆることを深く楽しく追究する!

感想・レビュー・書評

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  • ゲテモノとしての昆虫食紹介ではなく、かなり真面目な昆虫食考が読める本。昆虫の歴史、栄養、環境問題、食育と多岐のアプローチがどれも興味深い。
    小学校に入る前、祖父が捕ってきたイナゴやハチの子の味はかなり遠い記憶になった。本の中でも書かれているが、元来人間の食べ物はその人間の近くに生息する動植物であるはずだったのが、近代化によりどこかで作られ店頭に並んでいるものになっている。そういった社会の仕組みを考える意味でも、身近な資源の活用を考えるうえでも良い示唆を与えてくれる本だった。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「祖父が捕ってきたイナゴやハチの子」
      「坊ちゃん」を読んでイナゴって食べられるんだ知りましたが、機会なく歳をとりました。ハチの子は珍味と聞い...
      「祖父が捕ってきたイナゴやハチの子」
      「坊ちゃん」を読んでイナゴって食べられるんだ知りましたが、機会なく歳をとりました。ハチの子は珍味と聞いて興味大。長野に行く機会があれば是非試してみたいと思っています。。。
      何でも食べられるが、生き残るために必要になってくるだろうなぁ~と漠然と思う今日この頃でした。。。
      2012/07/07
  • 摂南大学図書館OPACへ⇒
    https://opac2.lib.setsunan.ac.jp/webopac/BB99406976

  • 図書館の電子書籍で。
    昆虫食業界の第一人者の著者。
    タイトル通りに昆虫食の概論。食べなくなってきたので昆虫食が奇異に感じられるだけで,食材の1つとしての位置づけ。食文化の変容。社会状況の変化によって,現在の食文化を維持できなくなれば昆虫が食材として注目されるようになる。2020年代はその幕開けか?

  • ちゃんとしてる。
    想像以上にちゃんとした本。

  • コンセプトコーナー2012年 8月「アンケートリクエスト企画 自然から学ぶ医療知識」の選書です。

  • 新しい世界へ

  • (01)
    多種な昆虫のなかで、食用としての可能性のあるいくつかの種(*02)について、世界的規模での過去の事例や習慣から、生産管理による人間の栄養源としての可能性まで探っている。
    昆虫側の事情もあるにはあるが、多くは人間側の事情が昆虫食にはつきまとっていることがわかる。味の分析も興味深いが、昆虫にまつわる心理や文化、そして食へむかうための教育など社会がどのように昆虫を受容できるかについても具体的に示されている。

    (02)
    イナゴやカイコなど、むしろ人間とともに繁殖、管理されてきた種については地域によって食文化が既に営まれているが、そのほかにも現代の身近な昆虫たち、セミ、カマキリ、カメムシ、ゴキブリ、シロアリなどが、世界の事例も参考に、試食されている。
    おそらく昆虫食が劇的に食文化を変えることはないであろうが、本書をはじめとする取り組みによって見直される時代にきていることは確かであろう。

  • コガネムシはゴキブリのこと。
    害虫としての認識は国家が作った虚構
    アリストテレスはセミは孵化の直前が美味しいと記載。
    食品に必要なのは、清潔ではなく、清潔らしさ。人間は脳でたべている。伏木亨
    アメリカの食品衛生局は昆虫などの混入の許容レベルを定める。これは殺虫剤を多用するよりも無害な自然物の混入の方が良いから。
    関心は4つのグループに分けられる。1つは狩猟採集活動として、古来からあった自然な行為。2つはグルメとして、おいしさを追求。3つはエンターテイメント、珍奇性を楽しむもの。4つは科学として有効性を提示したい。
    セミはミネラルが豊富なのでミネラルセミ茶もあるのではないか。
    飼料要求率とは、正体1グラムを増やすために餌が何グラム必要かを見るもの。カイコは4.22、牛は10〜15。
    エネルギー変換効率は、生体1キロカロリーの体組織を作るためになんカロリーの餌が必要かを示すもの。
    カイコは3.2、ブロイラーは2.05。ブロイラーの方が効率的。
    1平米あたり何キロの肉を生産できるかは、カイコは221キロに対して、ブロイラーは105キロ。
    可食部は、肉は43パーセントたが、カイコは100パーセント。昆虫は一般的に成虫は80〜90パーセント、幼虫は100パーセント。
    変温動物は、基礎代謝が低く、エネルギーが消費されにくい。
    日本のフードマイレージは総量でも一人当たりでも世界一。
    韓国やアメリカの3倍。イギリスやドイツの5倍。

  • 伝統食でありながらゲテモノ食とも思われてしまっている昆虫食。この本の著者の内山先生を招いた勉強会が社内で開かれたこともあり、勉強会後に読んでみました。

    冒頭のカラーページに掲載されている各種の昆虫料理の絵ヅラは破壊力満点ですが、中身は至ってマジメ。
    昆虫食の歴史、食べられる虫の説明(味や食べ応えについても細かく書かれてます)、社会や地域によって「昆虫を食べる」という行為の受容性が異なるのはなぜなのか、といったあたりが網羅的に説明されています。細かい部分はあまり追及されておらず総論的な内容となってますが、これは新書という性質上、仕方ないでしょう。

    個人的な気づきとしては、まず昆虫食は「他の蛋白質豊富な食品が手に入らない地域で仕方なく食べられていたもの」ではない、ということ。たとえば長野で食べられているザザムシについては、それが捕れる場所は即ち川魚が捕れる場所なので、「あえて好んで」ザザムシを捕って食べていたのだ、と著者は述べています。

    また、「虫は不衛生である」という論に対しては、明治以降に不衛生な環境と虫とを結びつけて考える風潮が醸成され、それによって虫が汚いものとされてしまったと述べたうえで、「食べないからこそ汚いものであるという意識が生まれる」のだと説明しています。そういう考え方もあるのか、と気づかされるポイントでした。
    実際、イナゴやハチノコを食べる文化圏の人は、虫を汚いものや気持ち悪いものと認識することは少ないのではないでしょうか。

    一方で、この本からは「昆虫を食料として安定供給する」にあたっての課題も見えてきます。
    個人的に一番気になったのが、陸上の畜産物や魚に比べ、「育った環境や採集された場所により、栄養価や摂取できるカロリーにバラツキが大きいのではないか?」ということ。どんな食材でも栄養価はバラつくと思いますが、昆虫はその程度が大きいのではないかと思われます。
    さらに、人が必要とする栄養価やカロリー量を満たすためには相当な量の虫を食べる必要があり、それだけの量を安定的に供給できるか(=養殖できるか)も課題でしょう。趣味の範囲で佃煮などにするために捕獲するならまだしも、本気で食材として供給するには養殖は必須。その辺をどうするかは課題になりそうです。

    ただ、本書によれば昆虫は「食料が人間の食べる食材と競合しない」ため生産しやすく、「変温動物のため体温維持にカロリーを消費せず、溜め込んだエネルギーをそのまま食料カロリーとして提供できる」ため栄養効率も高い、とのこと。
    あとは、食べ慣れておらず生理的抵抗感が強い、というポイントがかなり高いハードルになると思われるので、そこを何とかしないといけないでしょう。

  • 昆虫食興味深し!
    イナゴの佃煮は食べたことがあるがそれ以外にも挑戦してみようかと思えてくる!
    日本では長野が昆虫食で有名だが、東南アジアなどへ行くとなると昆虫食を実践する必要が出てくるかもしれない!
    将来的な食糧難を見越して慣れ親しんでおくべきなのかもしれない!
    もしかしたらビッグビジネスの温床でもあるのでは?

  • 2010年刊。

     英国ではデビルフィッシュと呼ばれるタコを食する日本人。ならば、カタツムリは勿論、昆虫すらこれを食する文化に対して嫌悪感を持つのはお門違い。まして1950年代までは日本でもこれを食する地域があり、あるいは戦時中は救荒食として珍重されたものならば猶更だ。
     本書は、この昆虫について、食する(世界各地の食用昆虫の種のみならず、その調理法も)ものとして解説しつつ、さらに漢方的な薬として利用されている様も説明を加える。
     また、昆虫食に忌避感がもたらされる心理的・文化的障壁にも言及する野心的な書である。


     なぜ忌避されるのか?。一番腑に落ちたのは、カニやエビと比べて昆虫表面の油分が多いこと(家庭内でのGが典型)、昆虫の食性が例えば腐葉土(カブトムシの幼虫)や木の樹液などおよそ人間が食さないものを対象にしているからかと思える。流石にGを生では食べれんだろうなぁと感じる所以。

     むしろ牛や豚等の如く育種・品種改良を施してこなかった昆虫であれば、人間の味覚に耐え、いや、より美味しくかつ健康食として改変を加えられたらどうなるか、に興味を覚える。
     この点、著者は将来像として指摘するが、具体的には未だ手付かずのよう。
     さらに驚くのは、火星や月面での長期滞在に昆虫食、特にカイコやハエ(廃棄物処理に有益。オムシスか)を検討している点だ。なるほどと思うが、なかなか偏見から逃れるのは難しい。

  • 新書文庫

  • 著者は幼少より昆虫食に親しみ,十年以上昆虫料理を研究してきたエキスパート。昆虫食の本来の意味を忘れないように,夜中に単身雑木林に入って虫を食べるという自己研鑽までしてるというから凄い。
    単なるゲテモノ食の紹介というのではなく,昆虫食の人類史,世界各地の昆虫食文化,昆虫の栄養学,食糧資源としての昆虫,昆虫食と食育など幅広く扱っていて,入門に最適。ひとまずイナゴの佃煮から始めてみようかな…という気にさせてくれる。将来食糧危機が来て,虫食いのスキルが生死を分けるようなことになるかもしれないし。

  • 冗談みたいな扉の昆虫料理の写真に興味津々。
    「うげー、こんな料理もあるの?!」
    というノリの話を予想していたのだが、中身はかなり真面目な話でちょっとびっくり。

    個人的には、あまり構えずに、「うげー」のノリで紹介していく方が世間は受け入れると思うんだけど、どうかなあ。
    ま、いろんな情報が詰まった良書でした。

  • 入門するつもりなかったのに、扉写真の迫力に圧倒されて、気がつけば借りてきて読み終わってしまった作品。
    扉写真の、虫寿司は圧巻です。特に蚕。

    人はなぜ昆虫を食べるのか、という根本的なところから、食育に役立つ昆虫食まで、この一冊を読めば昆虫食について大事なことが分かります。
    しかし、昆虫を食べる気がない人にとっては気持ち悪いだけの本ですw

    イナゴやザザ虫は知ってましたが、まさかカミキリムシとか蚕とか、あとカマキリの幼虫まで食べるとは思ってなかった。ガリガリガリクソンが蝉はピーナツバターの味と言っていましたが、やはりナッツの味がするそうです。
    しかし、このへんまでは食料危機に陥ったときなんとか食べられる部類ですが、やっぱりゴキブリはさ・・・チャバネじゃないにしても、クロゴキブリとかマダガスカルオオゴキブリは無理ですよ・・・。海老と同じムチン質だとしても。
    「普通の虫の味」というキーワードが頻繁に出てくるだけでも、自分の中の常識が色々おかしくなってしまう本です。

    一番衝撃だったのは、カマキリに寄生してる(カマキリのお尻を水につけるとうにゅーんと出てくるやつ)ハリガネムシを生でバリバリ食べちゃう人のくだりでしょうか。もうここまでくると意味が分からない。

    でも全体的に、「こんな世界もあるのか・・・」という新鮮な気持ちで読むことができました。カブトムシの幼虫は腐葉土の味でまずいらしいよ!

    この本を読んでいる最中、ポンデライオンの頭を持つムカデが出てくる夢にうなされました。

  • 私は「食べたい」側の人間です。

  • 狩猟採集として,グルメとして,エンターテイメントとして,科学として,人が昆虫食に惹かれる理由は大きく4つに分けられる.私はどこに当てはまるのだろうか.興味を持って,知識として本書に手を出したが
    ,正直に言えば,この本を読む前に一度昆虫食をきちんと経験すべきだった,知識によってハードルが少し高まってしまったように感じる.

  • 2013年6月18購入

  • 昆虫食界の本としては最近のもの。
    著者の内山さんは毎日昆虫食を実践して毎月試食会イベントも行なっている先駆者。
    味の体験談も実感がこもっていて面白い。

    この本は入門と銘打たれてるだけあって、昆虫食の歴史から現代の昆虫食分布まで丁寧に教えてくれる。
    ゴキブリが実は虫の中でもナチュラルにうまいというのは目からうろこ。
    実際に私が食べられるか想像してみたが何となく無理そうな気がする。

  •  スーパーの店頭に美味しいコウロギが売られていたら買うのかもしれないのだけど、そのように風味付けられたものを食べるの本当の意味での食の多様性だろうかと考えた。

     たとえばだけど現代人は牛・豚・鷄・魚などから動物性のタンパク質をとるのだけどほとんど同じ味付けのものが多い。

     これはわれわれが味覚というものに縛られている結果だと思う。

     本当の意味での食育とか、食の多様性とかいうものはまずくても食べるぐらいの気概がないとだめなのではないかしらと思う。

  • 昆虫食についていろいろな可能性があることがわかってすごく感動しました!そして、がんばって昆虫食を広めようといろいろなイベントをひらいてることがわかりました。イベントに参加して昆虫食を食べたいと思いました。

  • 淺野がきたので、
    本を物色して、
    その場でザクーっと読みました。

    たぶんこの方タモクラ出てたかたですよね?とおもった。
    タッパーにお虫さん持ち歩いていておやつを食べている。。。みたいな。

    虫の話をするときとても楽しそうだった印象。

    はじめに虫さんたちの、写真がたくさんなので、
    ダメな人はペラッとめくってだめでしょう。


    歴史からはじまり、
    栄養価値、食育、環境問題、育て方まで細かくのっています。
    とても真面目です。
    細かく目次でわかれていて、流れがとても良いので、
    文面はともかく、構成がわかりやすい。

    栄養価や、症状別の虫の選び方、
    食べ方など楽しい。
    虫レシピ・・・w

    レシピ本出してもおもしろいかも!
    とか思った・・・・w

    アンケートちょっとワロタ・・・


    楽しい読み応えのある本でした。

  • 父親が長野の出なので、昔、蜂の子は食べさせられた。著者は、昆虫食の本場である長野出身で、昆虫食の普及活動を進めている。世界の昆虫食の現状、レシピ、栄養学的検討、食糧資源としての虫、食育活動での普及活動等幅広い話題を網羅した昆虫食の入門書?である。将来、食糧危機が起きたときの貴重なタンパク源になる可能性があるそうだ。さらに理解を深めるためには、後は実際に食べるしかないようだ。セミの天ぷらはいけそうだが。

  • 著者の内山さんは10年以上昆虫を食べ続けており、題名からも分かる様に、本書はこの著者によって昆虫食、つまり「昆虫を食べる」をテーマにして書かれた新書です。
    日本を含めた世界各国における昆虫食やその歴史の紹介、昆虫の栄養価、昆虫の料理の方法や料理シーンの記述、初めて昆虫を食べた人たちの反応等、昆虫食に関する様々な解説が載っていました。
    ""
    日本における昆虫食といえば、イナゴの佃煮やハチの子などが有名ですが、本書ではその他にも蝉を食べたり、カミキリムシを食べたり・・・と様々な昆虫を食すシーンの記述が載ってあり、例えばカミキリムシはグルタミン酸が多くて美味しい等、思わず「そうなのか」と言った感じに驚きを覚える内容が多かったです。

    他に、来るべき人口爆発に伴う食糧難を乗り切る手段として昆虫食の検討を行ったり、JAXAによる火星での食糧源としてのカイコの検討、南極の観測基地における食糧としての昆虫の検討、植物工場の技術を応用した昆虫養殖工場、食用昆虫としての品種改良の必要性の指摘等、言われてみれば妥当な事も多く紹介されています。

    正直、私は昆虫を食べた経験が無く、昆虫食に対する抵抗もそれなりにあります。
    なので、本書内の昆虫の調理シーンの記述では、読んでいて若干気味が悪い感じがした箇所もありました。
    しかし、同時に調理の際、ただよって来る「におい慣れた香り」により、昆虫食に対して戸惑いを覚えていた人たちも「食べてみようか」と言う気持ちになるとの記述には「確かにそうなるかも」と共感を覚えたりもしました。


    本書では上記の様に昆虫食の紹介のみにとどまらず、他に「なぜ昆虫が食べられていないのか」と言う検討や昆虫食とそれを行う人との精神的な関係性の解説等、「人間と食糧としての昆虫の関係」と言うテーマで多角的な解説がなされています。

    また、調理シーンの記述などは実際に昆虫を調理する際の参考になる情報も載っています。

    従って、昆虫を食べる気はないが昆虫食ってどの様な物なのかと言う興味をお持ちの方はもちろん、実際に昆虫食をしてみようかと思われている方でも役に立つのではないでしょうか。

    類書が余り無いと言う事もあり、昆虫食について知りたければお薦めです。

  • カエル、ヘビ、トカゲ、カンガルー、ワニ、コウモリ、カメレオン、
    トナカイ、アルマジロ、ダチョウ。

    思い出せる限りの食べたことのある鳥獣肉である。う~む、他のも
    何か食べているかも知れぬ。

    しかし、虫となると僅か3種類だ。イナゴにハチの子、そしてザザムシ
    である。あ、芋虫の入ったテキーラ(?)は飲んだことがあった。

    最近はめっきり放送しなくなったが、タレントが外国に行ってゲテモノ
    (これも失礼な言い方だが)を食べる番組があった。

    気持ち悪いだなんだと大騒ぎしている姿は、見ていて気持ちのいいもの
    ではなかった。虫だって地域によっては貴重なタンパク源なんだもの。

    本書はゲテモノ扱いされがちな昆虫食の雑学を凝縮している。

    読んでいると美味しそうなんだよな。特にトノサマバッタの素揚げとか。
    でも、捕まえ様にも子供の頃ならいざ知らず、近年は家の近所で
    バッタ自体を見掛けなくなったのだ。

    「アブラゼミは、ナッツ味」と書かれた下に、アーモンド、セミの子、
    セミの親と写真を並べた帯も秀逸。本はタイトル買いとかジャケ
    買いをするほうなのだが、この帯だけで買っちゃったもんね~。

    さぁ、あれだけの鳥獣肉を食らい、今でもイナゴの佃煮を食す私で
    ある。もっと違う虫も食べられるはず。まずはカマキリベビーから
    始めてみようか。

  • 最後に昆虫を食べたのはいつか、もう思い出せないほど昔です。が、抵抗はないつもりでいました。しかし、いきなりのカラー写真のインパクトに負ける。ピザとか、寿司とか。
    文中には、タイでタガメをチューチュー吸う若き女子も出てきます。
    とはいえ、ゲテモノ食いで喜ぶ本ではありません。最善採餌という考えに基づいた昆虫食のこと、美味しく食べられる虫、そうでない虫(カブトムシはおいしくないんだって)の資料など、とてもまじめに作られている本です。
    食肉が異常に安くなっている今の日本では、最善採餌(コストと栄養)で昆虫は肉に勝てないでしょう。でも、有事の際には、繁殖が早く栄養価に優れた食品として食べることになるかもしれません。怖いような楽しみなような、その準備のためにも。

  • 昆虫食のススメであるが、これは良書。
    本の構成がすばらしい。
    味が良く、栄養価に優れ、繁殖(養殖)に適しており、(育てて食べるという意味で)食育にも優れた食材であることが様々なデータや引用により説得的に語られている。

    昆虫食がJAXAでも注目されているとは、さすがに知らなかった。
    以前、宇宙人から見た地球は人類の星ではなく昆虫の星だと聞いた(読んだ?)ことがある。そうだとすれば、地球にいて虫を食すことは至極当然のように思える。
    日本人は「昆虫を食べる」ことに抵抗がある人が大半だろうが、それさえクリア(たぶん食糧難という問題が解決してくれる)すれば、新たなビジネス分野になる気がする。

    ちなみに、ゴキブリは普通の虫の味らしい。
    アブラゼミはナッツ、カミキリムシは甘いバターのような味で美味だそうだ。

  • 入門、と銘打ってはいても、実際は「食材として認識されている」昆虫はもとより、海外の昆虫食事情や、文化の中での昆虫食まで余すことなく語られている。僕が住んでいるところには昆虫を食べるという習慣はないので、巻頭の昆虫料理の写真は衝撃的だった。昆虫寿司とか、昆虫ピザとか、なんだか罰当たりっぽい料理がたくさんある。

    昔はイナゴ取りが秋の風物詩になっていて、手軽なレジャーとして認識されていたという記述にビックリ。それが戦後のGHQによる殺虫剤散布でイナゴが激減し、最近はまた増えてきたので昆虫食の伝統が途絶えなかったというのは、日本人には虫を美味しく食べるという習慣が確かにある証左なのだろうなぁと思った。

    虫の味まで書いてくれるところもありがたい。アブラゼミってナッツの味がするのかと、一生経験することのなさそうな知識を蓄えることもできるのが、この本の良いところか。

  • 20120501
    正直、B級面白読み物のつもりで買いました。
    ゴメンナサイ。
    読んでみると雑食動物の環境適応能力から食文化、食育や人口増加による食料危機対策までを網羅した、「昆虫食入門の決定版」と言っても過言ではない良書でした。
    圧巻は具体的を列挙した第二章「食べられる昆虫プロフィール」!
    いま、目の前をカミキリムシが歩いていたら、食べたくなる衝動を抑える自信はありません。。。

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著者プロフィール

1950年長野県生まれ。東京都日野市在住。昆虫料理研究家
昆虫料理研究家、昆虫料理研究会代表、NPO法人昆虫食普及ネットワーク理事長、NPO法人食用昆虫科学研究会理事。幼少から昆虫食に親しみ、1999年より本格的に研究活動に入る。どうすれば昆虫をよりおいしく食べられるか、味や食感、栄養をはじめ、あらゆる角度から食材としての可能性を追究する。2013年5月、国連食糧農業機関(FAO)昆虫食を推奨する報告書を発表して以降、世界中で昆虫食に注目が集まるなか、普及活動の輪を大きく広げている。
主な著書に、『楽しい昆虫料理』(ビジネス社)、『昆虫食入門』(平凡社新書)、共著に『人生が変わる! 特選 昆虫料理50』(山と渓谷社)、監修に『食べられる虫ハンドブック』(自由国民社)等がある。

「2022年 『めちゃうま!? 昆虫食事典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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