日本会議の正体 (平凡社新書)

著者 :
  • 平凡社
3.65
  • (23)
  • (57)
  • (40)
  • (9)
  • (4)
本棚登録 : 628
感想 : 69
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784582858181

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/689829

  • 考え方や意見は常に対立する事でバランスが取れている。人間が生まれつき本能の様に考えを持って生まれるわけではないのだから、誰しも教育環境や家族の影響など、外部の作用で考え方が確立する。
    政教分離の原則は守られるのは当然だが、様々な考え方の人が集まって国家を形成するのだから、意見対立は当然だし、何かしらの宗教に心酔する方々も国民だ。宗教とまで言わずとも、同じ考えや意思を持つ個人が固い信念の下に集まれば、ある意味、熱気や熱狂は宗教染みて見られても仕方ない。団結したり熱い議論を交わす事で、生き甲斐や仲間意識を求める人もいるだろう。
    またその様な熱気を集団の力として利用しようとする政治家も合理的と言えばそれまでだ(心底信仰心を持っている人が果たしてどれくらい居るだろうか)。
    結局、原則があったとしても必ずしも守られない状況に陥る事も当然想定されている。
    右への力が働けば、左に戻す力が強くなり、その逆も然り。政治に限らず会社の中にだって存在する。
    本書は日本会議の成り立ちや考え・主張を時系列に見ていくには丁度良い。かなり否定的な目線で語られてはいるものの、読み方によっては双方の考えに納得できる部分が多くある。政党もそうだが意見が100%全員同じなんてほぼあり得ない。だから誰しも集団を自己の利益に利用する部分はあるだろう。本書をある集団の形成過程を見るより、書かれた年度の戦後70年の時代の流れを読み取る参考書としてみると面白い。意外?にも外交の話は多くないので、戦前・戦後、団塊世代と素の日本人が外部(国外ではなく、あくまで国内の社会・教育・家族)影響でどの様な考えを持ってきたか追う事ができる。
    読み進めると、考え全てに賛同できないと前置きした上で言うなら、寧ろ日本会議並みの行動力や強い信念を政治家が個人の考え・意見として持ちながら活動した方が良いのではないかとさえ感じる。
    ついでに言うなら、どこの国でも愛国心教育やその国の確固たる歴史観ぐらいは持っていて良い。国旗がどうとか国歌がこれとか決まってなければ愛国心が育たないなら決めれば良い。けれどそれって本当にそうなのか、なければなし崩し的に愛国心が失われるのか。WBC優勝に感動し、テレビに釘付けになって応援してたじゃないか。

  • 何がいいたいんかな

  • 左派はいなくなったのか
    右派の執拗さが常軌を逸していたのか
    どうでもいいこだわりに巻き込まれて日本は失われたのだなあと感慨深い

  • 現在の自民党政権を作る両輪というか四輪のうちの二輪が「日本会議」
    一輪は「日本を守る国民会議」
    もう一輪は「日本を守る会」
    両者とも「生長の家」「神社本庁」「真光等の新興宗教」等が関わる宗教色の強い団体。
    この2団体が合流したのが「日本会議」
    その「日本会議の正体」がわかります。
    本書のテーマではありませんが、残り二輪は、
    統一教会と創価学会ですね。
    宗教の四輪駆動で力強く日本を戦前へ?神の国へ?世界統一へ?
    絶賛進軍中!!!!!

  • 組織の始まりがよく分かった。何をやろうとしているのかも。ただただ怖い。神社へ行くのは好きだけど考えてしまうなぁ。。。

  • 2017.02―読了

  • 日本会議ってよく聞くけど、一体何なの?と思って読みました。
    読み出があります。
    こんな思想の団体が、粘り強く運動を続けていたから、日本は今、こんなふうになったのかとよく分かりました。
    知らないことは恐ろしいことです。
    多くの人に読んでほしいです。

  • 思想に拘束力はない。しかし他人の価値観を規制する恐れがある憲法改正へと向かう運動は、管理社会の歪みを加速していく。世間の空気に流されず、歴史の暗部を直視し反省の繰り返しによって、"謙虚さ" や "思いやり" を自覚して良い社会へと歩もう。決して情報の "鵜吞み" や "心地よさ" に執心してはいけない。そこには権力側の洗脳が潜んでいる。後戻りできなくなってからでは遅すぎる。ご用心。

  • 1960年代以降、日本会議の事務局を務める椛島氏をはじめとした右派の粘り強い運動の集大成が安倍政権という過去最長の長期政権となっていることを本書を読んでひしひしと感じました。元号法制定など運動による成功体験があることも強いですね。この根っこにある部分は「宗教心」という軸があるとのこと。うーん、強い。谷口雅治氏に対する信奉をベースとしたまさに無私の組織づくりに全勢力を傾けようとするこの精神は恐ろしくも尋常ではない強さを持っていますねこれが信仰、さらにいえば狂信か。私の一番苦手なやつだよ。

    その一方で左派はどんどん勢力を縮小させていきました。右派が市民運動や左派の社会運動を模倣して勢力を拡大していく中で退潮の一方で、本書のインタビューにもあるように日本では左派が自滅していったということなんでしょうね。

    面白いのが、日本会議の源流となった「生長の家」は、80年代くらいから自民党に距離を置き現在は環境を重視した宗教団体になっていることに驚いたのと同時に日本の宗教って自然信仰と結びついてきた歴史があるはずなので、ここまで環境が棄損されている現代では本来こういう形になっても全く不思議ではないよね、って思いました。今のほとんどの宗教団体ががめつすぎやしませんか。ひどいもんだ。しかし明治神宮は桁違いの金持っていますね。
    https://www.jp.seicho-no-ie.org/active/

全69件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1966年長野県生まれ。ジャーナリスト、ノンフィクション作家。慶應義塾大学卒業後、共同通信に入社。社会部、外信部、ソウル特派員などを経て、2006年に退社しフリーに。テレビ・ラジオのコメンテーターも務める。主な著作に『日本の公安警察』(講談社現代新書)、『絞首刑』(講談社文庫)、『トラオ―徳田虎雄 不随の病院王―』(小学館文庫)、『増補版 国策捜査―暴走する特捜検察と餌食にされた人たち』(角川文庫)、『誘蛾灯―鳥取連続不審死事件―』『抵抗の拠点から 朝日新聞「慰安婦報道」の核心』(講談社)、『青木理の抵抗の視線』(トランスビュー)などがある。

「2015年 『ルポ 国家権力』 で使われていた紹介文から引用しています。」

青木理の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×