- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784584122846
作品紹介・あらすじ
本の選び方に正解なんてない。全部読もうとしなくていい。コツをつかんで「たかが読書」と思えるようになれば、知的レベルは自然と上がっていくのです。そこで最適なのが、新書。どんどん「つまみ読み」して脳内マップを広げていけば、他の本なんて読まなくても十分です。もはやウェブ抜きの読書はありえない時代。莫大な情報を誰でも簡単に取り出せるからこそ、読み方を変えないと「情報弱者」になってしまいます。新書というツールを最大限に生かす方法、人と差がつく選び方、楽しみ方をゼロから教えます。
感想・レビュー・書評
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何か月もの間探し続け、ようやく入手した本だ。
今がちょうど読むタイミングだったらしく、終始楽しく読み終えた。
笑いが漏れたり、うんうんと頷いたり、え?そうなの?とツッコミを入れたり。
そもそも新書好きだったが、もっと読みたいと思うことになった。
先ず、著者の新書にかける熱い思いが伝わる「序章」。
Part1 「新書の買い方、読み方」
Part2 「新書を10倍生かす方法」
Part3 「新書レーベルめった斬り!」
Part4 「新書と電子ブックの未来」
どの章も興味深く読みやすく、訴求力の強いフレーズが並ぶ。
新書は片手で持てるし持ち歩けるし、容積もコンパクト。
空き時間にサッと取り出して読めるから読書週間がつきやすい。
更にここが肝心なのだが、装幀でごまかせないからこそ、中身で勝負している、と新書の優れた点を解説してくれるのだが、ハードカバーとの比較では思わず吹き出す記述が。
「ハードカバーは滅びてしまえ」だもの。
私自身も流行りの小説をハードカバーで買って後悔したことが何度かある。装幀のわりに中身が薄すぎたのだ。高価格なため怒りに変換して(笑)、勝手に期待したこちらの責任もあり、怒りの行き場がない。
幸い、「どんどんダメ本にあたろう」という箇所もあり、胸をなで下ろしているが。
「装幀が好きなひとは本という「器」が好きなのであって「中身」はどうでも良い。
本を読むのが好きなひとで、ハードカバーが好きだというひとにはこれまで会ったことがない。」
「新古書店を覗いてみてください。100円コーナーの棚に並んでいるのは一過性のベストセラーかスマッシュヒットのハードカバーばかり」
というのが、著者の弁。うん、やはり面白い。
それでも100%著者の意見を支持するわけでもない。
装幀の美しいものは、制作過程を想像するだけも胸がときめくというもので、買わないまでも、装幀を眺める楽しみはこれからもとっておきたい。
「おとぎ話の古書案内」のように、美しい装丁プラス素晴らしい内容という本にも出会える。
Part1で、読書レベルゼロの方向けに「新書習慣は大人買いから」とお勧めしている。
複数レーベルを混在させず、選ばず、適当に、まとめ買いだ。
ここだけ読むと壮大だが、読み続けるとだんだんそうしたくなってくるのが、著者の筆力だ。
中級編では「気軽に読書記録をつける」という箇所があり、ツイッターやブログのツールをお勧めしている。それも良いが、ブクログというものが私たちにはあるしね。
Part 2で、「タイトルは短いほどハズレ率は低い」ということが書かれていて、いくつか例も挙げられ、これは勉強になった。
ジュニア向けの「ちくまプリマー」や「岩波ジュニア新書」を高く評価している。
これを言ってくれるひとが少なくて常日頃残念に思っていただけに、かなり嬉しい。
Part 3は著者の真骨頂だろう。
お勧め本とダメ本をレーベル別に紹介していて、キレの良い文章に「もっと読みたい」とつい思わせられる。もちろん、読んでみたい本も続々と出てきた。
終章は「新書と電子ブックの未来」。
ここでは「書かねば人にあらず」とも。これは読んだらアウトプットせよということだろう。私たちにはブクログがあるしね(二回言った)。
巻末に「ジャンル別 逆引きINDEX」付き。
何度も言うが楽しい読書だった。「たかが読書」というフレーズが一番気に入った(笑)。
さあ、コロナの心配がなくなったら、新書コーナーを見に行こうっと。 -
新書は片手で持てるサイズ、ページがしなる、ジャンルが多い、薄いので収納スペースに優しい、文庫より縦長だから図も入る。良いことづくめ。読書を習慣化するのに持ってコンテンツ。
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①なぜ新書なのか?
・親書は様々なジャンルが一冊に入っている
②新書の買い方は?
・様々なジャンルを読む
・大人買いをする
・本棚を買う
・タイトルや目次から内容を想像
③新書の読み方は?
・読んだらSNSなどでアウトプット
・人気プレイヤーなどのビックプレイヤーでも突っ込みを入れながら読む
・子供向けの本(難しいテーマ)を読んでみると理解しやすい
④気づき
・世の中の仕組みが変わったから読書が必要
・これからは機会にできない仕事をやる
・本を読むことが強みになるのが1000冊
・プロの物書きは300冊の本を読んだら1冊が書ける
・20%GOOD、60%EVEN、20%ダメ本
・専門家になるには1円のベース本と関連書9冊を必ず読む
・セルフイメージが重要
・個々の成功者の話は再現性がない
・目次だけ読むのも読書
・一冊じっくり読むより、十冊早く読んだ方が出会う確率アップ -
新書というのは、なんとなく「軽い」感じがしていて、今までどちらかと言えば敬遠していたかもしれない。
特に、本書のタイトルのような「ビジネス啓発」的な雰囲気を醸すものは。
でも、今回は著者とタイトルの組み合わせで、興味を覚えて購入、そして即、読了。
まるっきり、新書への見方が変わった。
装丁がシンプルな分、中身で勝負しなければならないため、良書(スゴ本)が多い、というのにまず、納得。
スゴ本と同様にダメ本にも一定の価値があるという解釈、これも納得。
2009年11月から再開し、今では一応趣味と呼べるまで日常になった読書。
270冊目で本書に出会い、また色々と幅が広がりそうだ。
本に読まれずに本を読む。この意識を持つだけで、全ての本に価値が出てくると思う。
ちょっと大仰に言えば、これはそのまま人生訓にも当てはまる。
メディアの情報に流されずに、自ら情報を引っ張ってくる。この意識を持つことで、テレビの情報に頼る者が、いかに情報弱者であるかが分かるだろう。
またひとつ、脳内がやわらかくなった。 -
この本は読みながら笑ってしまう箇所が多かった。
著者の人柄がすごくよくわかる人間味あふれる内容だった。
今まで自分が読む本やその本を選ぶときに当たり前のようになっていた、"今の自分に必要な本を読む"という自分の中での固定観念が良い意味で破られた。
本を食べ物と同じように例えている部分も面白かった。
確かに心理学系の本が好きだからとそればかり読むのも悪くは無いかもしれないけれど、それでは偏りができてしまうのも事実。
食事の栄養バランスと同じように、本も偏りなく読んだ方が良いのかもしれないと思いさせられた一冊だった。 -
200112再読
私はこの本が好きで、読み始めると一気に最後まで止まらない。
読書がすきになったのはこの本を読んだことがきっかけかもしれない。
今まで読んできた本を考えると、新書はハズレが少ない気がする。
(自己啓発本やビジネス本が少ない)
(表紙に腕を組んだりといったダサい写真がない)
大きさや読みやすさは確かに新書サイズが一番良い。 -
本のための本はやはり面白い。
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この本の一番凄いところは読んだあとに、新書を大量に読みたくなること。
実際自分も小説ばかり読んでたのを知らない・興味のない分野の新書を網羅的に読み始めた。
以外、構成やらまとめ
著者の主張は「これからの世の中を生き残りたければ新書を読め」。
なぜ生き残れないのか?なぜネットでなく本か?また新書か?
昔と違い、IT技術の発展により単純作業は機械が代行してくれる、自動化出来ないことを仕事にしなければ未来は暗い。自動化で人は必要なくなるのだから。つまり生き残りたいなら新しい仕組みを作るか、仕組み自体を改良出来なければならない。そのためには知的なアウトプットが必要。だがネットは流れてくる受動的な情報や自分の好みのみ集めてしまい情弱となる。だから本を読む自分なりの「知の体系」を作ることで情弱ならない。中でも新書が良い。理由は、小さくて曲がるので持ち歩ける、安価、装丁が決まっており中身で勝負せざるを得ない、ある程度の文量が必要なのでネット記事のような内容が薄いものや軽いテーマ設定ではない、ダメ本(2割良い本6割普通2割ダメ)にあったてもダメージ少ない、等々。更に筆者は意味有る読書は慣れている人で300冊、素人だと1000冊と言っている。(厳しい。。)
構成はⅠが新書の買い方・読み方。Ⅱが新書を10倍楽しむ方法。Ⅲ新書レーベル批評。Ⅳ電子書籍について
参考になったこと。
Ⅰ<初心者>選んで買うのは分かっている人。初心者なら「選ばず」「適当」に買う。で300冊は揃える。買うときはドカンと10冊単位で買う。金銭的な痛みが習慣を生む。んで最初に「10冊」意地でも読む。(習慣化が大事)するとノンフィクションの読み方や感覚がつかめてくる。で、「10冊読んで何か変わったか」を感じる。読む前と読んだ後で変わったことが血肉になった知識。ささいな違いでもこれができれば読書人。以降読めば読むほど読むのが楽になる。<中級>ハードカバーでの気になる本の新書を探す。脳内マップを埋めるように買う。300冊読めばなんとなく自分の脳内マップもできる。そこから自分に足りない違うジャンルに飛ぶか、気になるジャンルを更に読むかする。タイトルや目次からじっくり内容を想像する。で「差分」を読む。気軽に読書記録をつける。にわか専門家になる、つまり欲しい知識の分野の新書を主軸の新書1冊+9冊の10冊を読む。同じ本を繰り返し読むより10冊を斜め読みでも読んだほうが有意義。
Ⅱタイトルが短いほどハズレ無し。ダメ本を楽しむ、なぜダメなのかを考えてみる。話題の本と、有名人が書いた本は避けろ。ジュニア向け新書はまじでおすすめ。同時並行で読んでよし。忘れておk、また読み返せばよい。目次だけ読んで気になるところだけ読むのもおk。知識は定着しなくてよく、ぼんやりこんな感じとわかってれば良い。新書を読むことでアンテナが広くなる。ネットのサービスなどで手を動かすことで内容を消化し曖昧ながらも「だいたいこんな感じ」と本を消化できる。細かいことは検索や再読すれば良い。ネットサービスを使い「書くように読む」と効果的。
Ⅲ 知らんレーベルが結構あった。あと思ってた印象とちがうレーベルも。
Ⅳ 本とネットページの違いは「リンクがあるか」は面白かった。
総論 素晴らしかった。新書を読もうと決めた本。手元に置いておきたいので買いたい。 -
【書評】
スーパー新書オタク人による超★新書カタログ。
【留点】
・初心者は選ばずなんでも読め。
・10冊読んだら自分はどう変わったか分析してみる。
・中級者はタイトルや目次から内容をじっくり想像してみる。
・知の連鎖、1冊目を足掛かりに掘り下げ型と違うジャンル網羅型。
・気軽に読んだものを記録、使ってみる(にわかOK《10冊ナナメ読み》)。
・とにかく著者、ジャンル、視点は偏らず色んなのを読め。
・自己啓発本はツッコミを入れつつ楽しめ。
・子供向け新書にハズレなし。
【雑記】
何か一つのことを極めた超一流は、その分野の超一流のセールスマンでもある。という仮説の証明みたいな本。この本の神髄は後半の新書レーベル紹介コーナーにあり。説明を読むだけでワクワクが止まらない。全部欲しくなってしまう衝動に駆られる。金のない奴にとっては目の毒でしかない。金を生み出す方法を考えるか、泣きながら図書館に走るべし。
※あくまでも個人的な感想の忘備録。
※【書評】:自分の言葉で一言で言い表すとしたら。
※【留点】:個人的に最も印象に残った点。残したい点。
※【雑記】:ただのうんこです。
ハードカバーの件も、重ね重ねありがとうございます・笑
「新書がベスト」のkindl...
ハードカバーの件も、重ね重ねありがとうございます・笑
「新書がベスト」のkindle化リクエストはもうされていたのですか!
それは失礼しました。私も更に念を押しておきますね。
ベスト新書がGOサインを出さないのでしょうか。全くもって謎です。
さて『クォーク』が購入済とのことなので、同じ著者の本に載っていたものをお薦めしてみますね。
ブルーバックスの『現代暗号入門』という本です。
紹介文を読むとかなり面白そうです。
これは「あなたをアップデートする本」というカテにありました。
澤田拓也さんのレビューを読んで、自分も読んだつもりになろうと、目論んでおります・笑・笑
それでは、コロナ禍にめげずにお過ごしくださいね。
楽しい読書になりますように、お祈りしております。
澤田拓也さん、ひとにお薦めするのって結構どきどきするもので...
楽しい読書になりますように、お祈りしております。
澤田拓也さん、ひとにお薦めするのって結構どきどきするものですね・笑