「余命3カ月」のウソ (ベスト新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784584124017

感想・レビュー・書評

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  • 「医者に殺されない47の心得」とかぶる話も多かったけど、(そりゃそうですよね、同じ人が書いてるんだからそうそう主張が変わるわけがない)、こちらはがんについてにしぼって書かれているので、論旨がよりわかりやすいです。
    要は「進行性のがんになったら治癒はあきらめろ」ということ。どんなに早期発見でも、進行性のがんなら数年のうちに死ぬから、その数年を大事に生きましょう。特に抗がん剤や手術で縮命しないように。ということ。

    もちろん、進行性でないがんはがんもどきであってがんではないから、放っておくのが一番体にダメージが少ないという、「患者よがんとたたかうな」以来の主張も変わっていません。

    だから、自覚症状がない段階でがん検診で発見される早期がんは、検診を受けたことを忘れてしまうのが一番だそうです。進行性であってもなくても、自覚症状が出てから焦眉の問題を対症療法すればいいのなら、確かにがん検診自体不要ですよね。
    折しも今は乳がん予防月間。私はもう乳がん検診には行きません。

    • たっちさん
      『日本人の知らない日本語4』のレビューをきっかけに通りかかった病院職員です。「私はもう乳がん検診には行きません。」が気になりまして。この著者...
      『日本人の知らない日本語4』のレビューをきっかけに通りかかった病院職員です。「私はもう乳がん検診には行きません。」が気になりまして。この著者の主張は、かならずしも鵜呑みしてよいものとは思われません。早期がんの方とも進行がんの方とも接しますが、やはり早期のうちに発見して治療するのが治りやすいし、体へのダメージも小さく済むと思います。そして早期がんを発見すためには検診は大切になります。もちろん検診にも多少ながらリスクも存在しますが、この著者の主張は偏りがあるように思います。思い切った行動を決断する前に、別の考え方にも触れてみてはいかがでしょう。
      「がん」か著者のいう「がんもどき」(一般的な言葉ではありません)かは、現代の医療ではわかりえず、亡くなれば「がん」、生きれば「もどき」と結果論で後から名付けているだけです。もっと医学が発展し、「この腫れ物は100%悪さをしないから放っておいてよい」ということが言えるようになればよいのですが、今はそうではないので、「悪さをするかもしれない」と捉える考え方が主流です。
      余計なお世話と言われるかもしれませんが、普段、「もっと早くに見つけて治療してればな」と思うことが多いものですから。
      がんの発見が遅れるということは文字通り致命的になりえます。自覚症状が出てから考えればよいというのは、いくらなんでも極端です。
      思い切った行動を決める前に、違った視点の情報にも当ってみることをおすすめします。
      乳がん検診については、他のがんより若めの、40才くらいから時々受信するのがやはり良いのではと思います。
      長文失礼しました。多少なりとも参考になればよいのですが。
      2013/10/19
  • 真偽はよく分からないが、何となく思っていたことと符合する点が結構あった。

  • 最近話題?の医師による本です

    痛みを和らげ、穏やかに延命をはかるための指針が書かれています

    ガン治療の実態と問題点、ガンとがんもどきの違い

    人生に対する見方や過ごし方の指南書でもあります

  • 身内の大腸がん手術の直後なので、感慨深いものがある。
    今後の対処の手引として使いたい本。
    この考え方には賛否両論あるだろうが、私はこの本をよんでガンに対する恐怖感が減ったし、かなり勉強になった。支持したい。

  • 簡単に「余命3ヶ月」と言う医者は、誠意がないか、知識がない、あるいはウソをついています、余命3ヵ月のウソに、これからメスを入れます。なぜ、余命宣告は短めなのか、ひとつには、患者さんが万一早く亡くなられた場合に、家族などからとがめられないように、つまりリスクヘッジのために、最悪の場合を想定して伝えるから。「がんは個人差が大きい、こんなに長生きしている人もいますよ」と正しく伝えると、患者さんを治療に追い込むには、迫力に欠けます、それで「治療しないと余命3ヵ月」とキッパリ短く言いきったり、ひどい医者は「放っておくと明日、亡くなってもおかしくない状態」などと脅しにかかるわけです、なぜ、そうまでして治療をさせたいのか、治療をしないと医者としての仕事がなくなって、暮らしていけないからです。がんの病巣が大きくなるスピードは、患者さんによって全く異なります、だから余命を正確に判断するためには、増大スピードを調べる必要があります、その観察に、3ヵ月以上かかります、なぜなら、がんは意外にのんびり屋だからです。人間の一生にたとえるなら、がんが発見されるのはシニア期、10~30年もかけて、ようやく1センチに育ってきたがんのの増大スピードを調べるには、少なくとも数ヵ月の観察が必要です。スーちゃん(田中好子)の場合は、最初に乳がんと診断されてから19年目に、肺や肝臓へ転移が見つかり、あっという間に命の灯を吹き消されてしまった、僕が今まで数千人の乳がん患者さんの経過を見てきた中でも、数百人にひとりという特殊なケースです。がんは苦痛等の症状がない限り、治療しないで様子を見るのがいちばん快適に長生きできる、この「がん放療法」は、世界で最も新しいがんの治療法であり、最善の対処法と確信しています。胃がんの長経が9センチになり、腹膜への浸潤・転移も見つかりました、ところが、Cさんの日常生活をさまたげる症状は、なにも出ていなかった、胃袋は大きくて伸縮性があること、がんが胃の入り口や出口から離れていたことも幸いしたようです、すると9センチに育っても、ふつうに生活できる、こういうケースは、胃がんではそう珍しくないんです。治療法が無かった時代には、どんな臓器のがんでも、死は穏やかなものでした、がんが恐ろしい病気と思われているのは、がんの治療のせいです、無意味な手術や抗がん剤治療がもたらす、生き地獄が恐ろしいのです。僕なら患者さんに、「再発ですが、それだけ元気なら、すぐ亡くなることはありません」「ただ6ヵ月ぐらいたつと、亡くなる方も少し出てきます」「そして月日がたつに連れて亡くなる人が増えていきますが、ある日突然、全員が亡くなるということはありません」「5年、10年と生存する人も少ないので、そちらになるように努めましょう」「がんを治療せず放置している、僕の患者さんたちは、悪名高いスキルス胃がんであっても、1年から10年近く生きています」などと伝えます、そう、数ヵ月から10年以上に及ぶほど、余命の幅は長いんです。現実には、生存曲線などのデータを見せたり、さまざまな治療法のメリットとデメリットを客観的に説明してくれる医者は、ほとんどいません、なぜか、もし見せたら、日本人のがんの9割を占めるがん……胃がん、肺がん、大腸がん、子宮がんのような「かたまりをつくるがん」は「治療をしても、しなくても、生存期間は変わらない」「延命の可能性は、むしろ無治療のほうが高い」ことがバレてしまうからです、それが広く知れわたったら、がんの切除手術や抗がん剤治療を望む人はほとんどいなくなり、医者の生活が成り立たなくなってしまいます。同じ量の放射能を浴びても、「発がんバケツが今どのくらい満たされているか」で被爆量は同じでも「発がんする、しない」に違いがでます、ですから、放射線量による発がんの基準値を決めるのは、とても難しいんです。がんの早期発見、早期手術をすれば助かるというのはまやかしなのです、あとになって「がんもどき」が転移することはほぼありません、なぜなら、がん細胞の大きさは約100分の1ミリ、本物のがんなら、病巣が直径1ミリぐらいになる前に転移し終えてしまうからです。医者のすすめるがん治療のウソを見抜く、9つの心得をまとめてみます……①元気なのに「余命3ヵ月」「余命半年」はありえない、②人はがんで、すぐには死なない、③健診を受けない、受けても忘れる、④リンパ節まで切り取っても、がんは治らない、⑤健診で受ける放射線量に要注意、⑥治療法がひとつ、ということはない、⑦セカンドオピニオンは、違う病院の違う診療科で、⑧「免疫力」よりも「抵抗力」、⑨無治療が最高の延命策。たったひとつしかない自分の体、自分の命です、医者の言葉に惑わされず、自分の頭で考え、自分の意志で判断することです、がんに限らず、医療では、治療自体は医者にやってもらう必要がありますが、治療方針まで医者に選ばせる必要はないし、指図される筋合いもありません。欧米でがん健診がすたれたのは、くじ引きでグループ分けした比較健診の結果、健診をしても、しなくても、死亡率はほとんど変わらないという結果がでたからです。がん検診で本当にがんを治せるのなら、何百万人が健診を受けている日本では、がん死亡数は欧米に比べて激減していなければならないのに、激増しています。

  • 漫画『ブラックジャックによろしく』を読んでから、がん治療が人をやつれさせるのではと気になっていた。この本を読むと「やっぱり」の思いが強まる。なぜ治療しないほうがよいか、の説明は詳しい。論文やグラフで示されることも多い。が、たまに肝心なところで「ずっと多いのだ」のような数値を見せない書き方をしている。できればこの説を信じたいと思って読んでいたので、曖昧な箇所は残念。

  • さて、余命言われたらどうしようか。

  • 目からウロコの内容でした。医者や薬について信用できるかどうか、しっかり考える必要があると思いました。

  • タイトルの、余命3か月のウソの理由と、
    無治療の方が治療で命を縮めるよりも延命できるという話。

    本モノがんとフェイクのがんの2種がある事を知れた。
    それにより、早期発見早期治療の害悪や無意味も知れた。

    その他抗がん剤やワクチンは毒であり正常細胞も破壊するモノである
    との話やら、その他色々著者なりの見解を知ることができた。

    放射線治療を推奨しているが、後半には放射線を否定しているような部分があってちょっと引っかかった(が、当方の読解力知識不足なのかもしれない。)。

    ごく最近の有名人の死や子宮頸がんワクチンにも触れられており、
    まだまだタイムリー感がある。


    がんに関してのあらゆる知識の中の「一つ」として把握した。

  • まさに痛快。半日程度で読めるのがよい。精査の必要な点はあるが概ね、筆者の示すところが正しいと考えてよいだろう。筆者は、他にも同様の著作があるので、一読されたら面白いと思う。まとめると、抗ガン剤が有効なガンは、2つ程度。これ以外は、逆効果。検診で発見できるのは、ある程度おおきくなったガンもどきと転移性のガンだが区別はできない。転移のないガンは、ガンもどき。本来転移性のガンは、発生時から転移をはじめているので手術で除去しても再発。手術によるリスクのほうが大きい。ガンと戦わず、気楽に、緩和療法で延命。どうせ人は死ぬものなんだから。苦しむのは損。品川区図書館に所蔵がある。

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著者プロフィール

1948年、東京都生まれ。医師。「近藤誠がん研究所」所長。
73年、慶應義塾大学医学部卒業後、同医学部放射線科に入局、79~80年、アメリカへ留学。83年から、同放射線科講師を務める。96年に刊行した『患者よ、がんと闘うな』(文藝春秋)で抗がん剤の副作用問題を初めて指摘し、医療の常識を変える。2012年、第60回菊池寛賞を受賞。13年、東京・渋谷に「近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来」を開設。14年、慶應義塾大学を定年退職。
ミリオンセラーとなった『医者に殺されない47の心得』(アスコム)ほか、『「健康不安」に殺されるな』『「副作用死」ゼロの真実』『コロナのウソとワクチンの真実』(和田秀樹氏との共著)『新型コロナとワクチンのひみつ』(以上ビジネス社)、『最新 やってはいけない! 健診事典』(講談社)、『医者が言わないこと』(毎日新聞出版)、『どうせ死ぬなら自宅がいい』(エクスナレッジ)など著書多数。
2022年8月13日逝去。

「2023年 『医者に殺されるなー僕が最後まで闘い続けた"医療不信"の正体」(仮)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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