- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591089156
感想・レビュー・書評
-
作家の本懐ー文体と感性の精度
"ものを書く”ということは誰でもできる。そして“上手に書く”ということも少しのセンスと経験で何とかなっていくものかもしれない。ただ、書くという行為の本質が“伝える”ことにあるとしたら、当然のことながら伝える内容のない者に“伝わる”文章は書けない。裏を返せば伝える内容があれば、伝えざるを得ない切実な思いがあれば、それはどんな文体でも伝わる。むしろその拙劣な文体が真実をあぶり出すことさえある。この作品を読んで最初に感じたのはこのことである。
何でもないことに価値を見いだしたり、ありふれたことに本質を見るというのは作家の存在意義としてあるかもしれない。その能力の有無こそがアマチュアとプロの違いだとも言える。ただ、中身のないこと、どうでもいいことは、どううまく書いたところで、しょせんどうでもいいことだ。彼女には伝えなくてはならない物語があった。伝えることでしか昇華できないどうしようもない思いを溜め込んでいた。どう伝わるか、どう思われるかよりも、伝えざるを得ない切実なる思いが彼女にはあった。彼女の文体をとやかく言う自称評論家気取りのお馬鹿さんは文学に何を求めているのだろうか。美辞麗句を眺めて鑑賞したいのなら、締め切りに追われて仕方なく書く大先生の下らないエッセイでも読んでればいい。
彼女の悲惨な体験とは裏腹にこの物語に出てくる人は誰もが優しい。こうちゃんは勿論、彼女の家族、こうちゃんの家族、学校の友達や先生方。彼女の周りでいろんな人が彼女を優しく包み込む。この彼らの大きな優しさが作品全体をとても柔らかいものにしている。本当かよと疑いたくなるほど穏やかで完全な愛のかたちが様々に描かれている。
彼女の身勝手な振る舞いを甘えの一言で責める人は、ここで一度考えてほしい。たとえレイプが引き金になったとしても、そこには彼女自身の隙があったのではないか。その後、売春に身を落としたり、いじめに加わったりした彼女の行動は、若気の至りではすまされないのではないか。そう考えるのも尤もなことかもしれないが、その荒んだ世界で彼女はずっと探ししていたのである。死んだ目をしながらも尚、ずっと探すことを止めなかったのである。
まわりの人のちょっとした気遣い、何気ない行動に気づき、光を与えたのは彼女自身が探していたからである。それに気づく感性を持っていたからである。そして正にこの感性こそ人に大切な何かを伝える作家にとって一番大事なものなのだ。
この感動的なエピソードがたとえ作家の創作物だとしても、この作品で受け取った感動に嘘はない。そしてこの感動を創作する作家としての感性とそのフォーカスの精度がある限り、彼女はよい書き手であり続けるだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
高校生の時に
夢中になって
読みました。
いっぱい
いっぱい
泣きました。 -
他人事に思えなくて
号泣しながら読んだ
この本 ◎゜ -
この本は昔、母が買ってきたらしくて気になったので読んでみようと思いました。この小説の話は裏切り,レイプ,恋人の死,想像妊娠など,辛い体験などを乗り越えて何事も前向きに生きようとする18歳女子高生の実話です。自分は男なので筆者のような辛い体験を経験することがありません。でもこの小説には筆者が体験してきた本音がありのままに書かれており、僕はとても悲しくなりました。だけど筆者は、周りの人たちに支えられてることに気付き、前向きに生きようと決めた筆者。
僕はこの小説に目が向いた時は残酷そうな話だと思いましたが読んでみると切なくて辛い体験の話だと思いました。この小説を読んで良かったなと読んで改めて思いました。 -
女性の弱さ、悔しさ、そして、こんなにも人を愛せる気持ち。人の死。感動した。
-
これは、中学の時に友達に借りて☆彡
めっちゃ泣いた本!!!(((>m<,●)
恋空もいい!!!ケド…
やっぱ「あおぞら」かな☆★☆ -
今にも壊れそうな少女が素直な表現で包み隠さず辛いおもい書き綴った本です。
-
あたしがおしえてお姉が買った本♪
めっちゃ泣ける。゚(゚*ω⊂ -
あまりの出来事にことばもでないほどの
衝撃。。。。。。。。
同世代の人に読んでもらいたい・・。