- Amazon.co.jp ・本 (217ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591099551
感想・レビュー・書評
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「本当のやさしさってのはね、自分のことは全部背負いこんで、きっちり落とし前をつける強さがないと出てこないもんなの。そういう覚悟がある人だけが他人に本当にやさしくできるの」
登場人物の視点を変えながら、同じ状況を違う視点で描きながら、物語は少しずつ進んでいく。
”死”が絡んでいるのもあると思うけれど、其々が互いを思いやる気持ちにあふれていて、心に沁みる。
伊吹有喜の本を好きだとここに書いたら、穂高明の本も好きかもよ!とここで教えて下さったので、読んでみました。ありがとうございます。(通勤電車で読むのは危険)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読了後に余韻が強く残る家族の物語。
章ごとに分かれた人物たちの心模様が読みやすい。
そして章ごとに読むと人物たちの本心が垣間見える。
そんな不器用で衝突ばかりの家族がイジらしく愛おしい。
読み手が優しく見守る形になる構成や、内容の深さや現実など熟読して読むことが出来た本。 -
そっかこれも月の本だったんだ。
すっかり忘れてた。
眼鏡かけて星見るとこだけは憶えてたなあ。
そうそう月は同じとこしか見えないんだよね。
すっかり忘れてた。 -
子どもと大人というのは時間軸の話で、人間としての度量の大きさとか優しさとかはは子どもと大人という縦軸とはまた違ったベクトルで決まっているような気がします。
もちろん経験によるものも多大とは思いますが、死ぬまで心が狭くて優しくない人なんて腐るほどいますから。
主人公の民子は中学生ながらナチュラルに度量が大きく、大人縦軸の拡張でさらに将来開花しそうな、意思も強くて優しい女の子。でもそういう風にあからさまに書いていないのが憎い。それなりにイライラしたりぶつかったりするし、基本愛想が不足しているのですが文章から読み取れる情報だけでも真っ直ぐ育っているのが感じられます。
民子は母を早くに亡くし、その後若い後妻が来るのがポイントなのですが、ここは是非読んで確認して頂きたいです。父親がちょっとあんぽんたんなのは女性陣を引き立てる為なのでしょう。 -
ほっとするような、やさしいお話だった。
1章は母を亡くした民子、2章は継母の宏子、3章は母の親友の祥子、4章は父親…と、視点が変わっていく。
どの人物の感情も理解できて、読みやすかった。 -
美智子が亡くなったあとに、娘の民子や後妻の宏子、親友だった祥子、夫が綴っていく話。
なんとなくとっつきにくい文章かなぁと思ったけど、読んでるうちに涙が流れた。登場人物がみんな誠実な人柄を表していた。 -
義理の関係、こんな風にうまくいくといいのに。
ちょっとお父さんが情けないね。
それに比べ、出てくる女性はみんな力強く生きているなね。