子どもに本を買ってあげる前に読む本

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 208
感想 : 53
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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591107188

感想・レビュー・書評

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  • 低学年が成長物を理解出来ない、と言うことは目から鱗だった。

  • とりあえず、『ドラゴンボール』はすごい漫画だということは、わかった。

  • 選書の参考にしようと読んでから、すでに半年がたってしまいました。
    この <i>とんでもない</i> 本をどうやって紹介しようか
    思いめぐらしているうちに、機会を逸してしまったのです。


      「なんで昔面白かった本が、今は面白くないんですか?」

    という問いへの答えとしてできあがった本です。

    自分の子ども時代に読んだ“いい本”をいまの子どもにおしつける
    無理解、無神経なおとなにたいする異議申し立てとして、
    現代の子どもの本の状況を読み解きつつ、子どもたちが
    しあわせに本が読めるようになるアドバイスをしてくれます。

    その大胆な指摘にはっとされられ、またすんなり納得させられ、
    刺激的な“かんこ節”にすっかりあてられてしまいました。


    たとえば、むかしの本が読めなくなるおもな理由として、

      ・内容が古くなる
      ・コトバが古くなる

    にくわえて、

      ・ビジュアルが古くなる

    をあげていて、これが最も大きな変化だといいます。

    90年代に実用化されたコンピュータによって、
    それまでの活版印刷が写植印刷にとってかわられました。

    これにより書体・デザインが一変し、イラストやサイズもふくめた
    ビジュアルの古い本が読めなくなってしまったというのです。

    たしかに、同じ古典であっても“新装版”として出版されたものと
    以前のものとをならべてみれば、組版の違いは一目瞭然です。

    書棚にねむっている若いころに読んだ本を開いたときの
    違和感の根が、ようやくはっきりとわかりました。


    ほかにも、ハリー・ポッターは年齢としては13歳に
    設定されているけれど精神的には7歳くらいで、
    成長をテーマとしないファンタジーという新しい手法を
    生み出した...とか、

    少年探偵団、ズッコケ三人組、パスワードを「あまり本の
    好きじゃない男の子たち」が一時期はまって大量に読むのは、
    情景描写なし、心理描写なし、人物描写なしだから...とか、

    なぜだろうと思っていたことの謎がどんどんとけていきます。


    ズッコケやパスワードを読むおもしろさを子どもたちに伝えたくて
    教室や校長室にずらっと本をならべてすすめてきましたが、
    こういう“軽い本”でいいのだろうかといううしろめたさも
    どこかしら感じていました。

    しかし、かん子さんは言います。

       そのテの本を非難する人の理由は、
       「人間が描けてない!」
       からだったりするわけですが、
       当たり前だよ。
       だって、はじめからそんなこと、やる気がないんだもの。
       それは全然別のジャンルのものなんですから、
       そういう非難はお門違いです。

       ただ、子どもの本の悲劇は、大人なら、好みが違うんでしょ、
       で片づけられるところを
       “こういう本を子どもが読んではいけない”にすり替えられて
       しまうことです。
       ただ単に、趣味が違うだけなのに──。


    オーナーの趣味であつめた本を、

      「ぼくはおもしろかったけど、あなたがおもしろいかどうかは
       わからない。それでもよければ貸してあげる。読んでごらん」

    といって子どもたちに本を貸し出している“ひげうさぎ文庫”の
    コンセプトに自信がつきました。

    だって、趣味が違うだけなんだから!


    ところで、選書の参考に読んだという点で最大の収穫だったのは、
    つぎの一文です。

       いま、小学校高学年の一番人気は『IQ探偵ムー』シリーズです。

    ムーがジャイブのカラフル文庫にあることは知っていましたが、
    まだ読んだことはありませんでした。

    かん子さんのすすめでためしに買って読んでみると...
    長くなりそうなので、ムーの話はまたいずれ。

  • ところどころ、おぉ、

    「その通り!!」

    と、喝采をあげたくなるところもあるのですが。たとえば、物語読みな人と嘘の話を読みたくない人がいるという話とか。わたしは、完全に、物語読みな人ですねぇ。
    あと、古い本は、読みにくいとか。

    でも、全体を通して読むと、何が言いたいのかは、ぼやっとしている感じです。わたしの作った図書館の自慢話?そのわりには、ノウハウは、あんまりあきらかにしてくれていないんだよなぁ。
    もちろん、そのノウハウこそが、売りモンなんだから、こんなところでは書けないのかもしれませんが。

    まあ、同業者に対しては、

    「本ぐらい読めよ」

    と思うことは多々ありますが、子ども全部が本好きになることが本当に正しいかどうかはわからないなぁ。あと、子どもで満員の図書館が、いい図書室かどうかも。

    子どもが満員御礼の図書室ができちゃうと、古い本と本の間とかにいるひっそりした子どもの居場所が、またなくなっちゃったりもするんです。
    割と自分が、そういう子どもだったので。

    そういう子たちのために、学校の図書室にも、書庫が欲しいよねぇ。

  • 【読書期間】09/03/23

  • これは!本好きならきっと楽しめる本です。
    それにしても、「ゲド戦記」好きは「ハリポタ」を受け入れられない?ってホントかな…私はどちらも興味深く読めましたがね。

  • 現在の子どもの本事情が、子どもと関わることが多い著者の視点から、語られています。
    アンテナ張ってないと、「知らなかった」ってことになりそうです。
    それだけ今の時代の変化が早いってこと。

    ファンタジーの時代は終わるそうです。
    今度はどんなジャンルの本が流行るのかしら?
    この流れに自分がついていけるのか、不安です。

  • おとなが面白いと思う本が、子どもたちには面白くなくなってきているのです。どんどん変わる本の世界を、常に子どもの本をウォッチングしてきた著者が案内します。全国の学校図書館を改装してきた達人が教える子どもの本の選び方。

  • 2009/01/14

  • おもしろーい。
    ますます赤木さんにあいたくなった。

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著者プロフィール

松本生まれ、千葉育ち。
法政大学英文科卒。
1984年、“本の探偵”でデビュー。
現在は、子どもの本や文化の紹介、ミステリの紹介・書評に活躍中。
好きなものは、温泉と民族伝統芸能と美味しいゴハン。
著書
『こちら本の探偵です』(径書房)
『子どもの本とごちそうの話』(径書房)
『魔女のよせなべ』(径書房)
『かんこのミニミニヤング・アダルト入門1・2』(リブリオ出版)
『この本読んだ?おぼえてる?』(フェリシモ出版)
など

「1988年 『魔女のよせなべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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