乙女の花束

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591116678

感想・レビュー・書評

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  • これぞ正統派少女小説。

    由緒正しい乙女の園で、
    主人公の風子はどこまでも清く正しく美しい。
    学友には意地悪な子もいるけど、
    基本みんな育ちがよく、優しく、まじめ。
    女子なら一度はこんな風に純粋でありたかった…とか
    思っちゃうんじゃないかな。
    それぐらい少女たちが眩しくてキラキラした小説。

    乙女たちのみならず、登場人物皆まじめで優しく、
    読んでいてほっとする。

    この小説、小公女セーラが好き、少女パレアナが好き、
    赤毛のアンが好き…そしてマリア様が見てる、が
    好きな人は好きなはず。

  • 時代は平成、文体は吉屋信子のよう、それで作家が折原みとなんですから読まないわけにはいきません。中学生からおばあさままで乙女心がある方にはオススメです。

  • 失礼ながら期待せずに読んだのだが、不覚にも何度かこみあげるものがあった。折原みとさんの作品は初めて読んだが、なかなかのストーリーテラーだ。読み応えがある。
    川端康成、吉屋信子の系統を受けつごうという意気込みの感じられる少女小説。その意気込みは買う。
    たとえば、作者は華道、日舞、書道、琴、茶道、陶芸などに通じており、その知識を作品にあますところなく生かそうとしている。ただ、自分の読者はこうした知識がゼロだとなめてかかっているのか、それとも作者にこうした教養が真に身についていないのか、せっかくの知識が専門書からの抜書きで終始している。まるで『家庭画報』の記事でも読んでいるようで勉強にはなるが、こうした小説で大事なのは知識を得ることではないだろう。
    そういう傾向は作品全体に感じられ、そのため、上流階級の全寮制の女子校を舞台にしながら、あるべき品性を描くことができていない。
    川端、吉屋の少女小説には凛とした品格がある。その点が決定的に異なっている。
    シリーズものであるようなので、次回作に期待。

  • 「少女の友」に載ってそうな由緒正しき少女小説。
    参考書を写したような知識は気になるけど、乙女ものが好きなら読んで損はなし。
    とにかく可愛らしい。好き。

  • 乙女な世界に溺れてしまいそうです。
    素敵過ぎて、トキメキが止まりません!
    折原みと先生の本はまさに私の好みにぴったりはまるんです。
    「アナトゥール星伝」から時が経っても、折原ワールドにドキドキさせられます。
    明治の洋館の学び舎に着物、お花などのワクワクさせられる物が溢れています。
    私も着物を着てお出かけしたり、お茶やお花を習ってみたくなりました。

    しなやかでたくましい大和撫子に私もなりたいw

  • バックに花がとぶのが見えるような乙女モノ。好きな世界ではありますが、いまひとつ薄味な気がするのは、現代の設定ゆえか…。
    カトレアの君には、も少しがんばって欲しかったような(笑)

  • 鎌倉にある全寮制の名門私立女子高校に入学した風子が、学園生活を通じて友情を育み成長していく乙女度120%の物語。
    信州の自然に囲まれて育った風子の強さとしなやかさがさわやかに描かれている。

    全ての事実を知らされても、風子は、風子のままだった。
    しなやかに全てを受け入れ、自分の内で、軽やかに幸福へと転化して前へ進む。
    おそらくこの少女は、人生にどんな嵐が降りかかろうとも、こうしてたくましく乗り越えて行くのではないだろうかと、宗衛門は頼もしく思った。p.206

    本書にタグをつけるとすれば、乙女、女子校、花言葉、鎌倉、陶芸、友禅、いじめ、といったところか。
    文中、「地元民に人気の洋菓子店」と紹介される西鎌倉の「レ・シュー」と名物の「にしかまプリン」「メープルプリン」はフィクションではなく実在する...ムスメのバイト先だし。

  • ふわふわでかわいいものいっぱい!
    お花に囲まれて育った女の子ってやっぱり素敵だな~
    お嬢様のなかでも負けない風子ちゃんがとってもかわいい!
    凪子お姉さまとか親友の2人とかとの出会いもべたべただけど
    一応乙女の部類としてはきゅんとなるものです
    映画化とかしてほしいな~

  • 往年の少女マンガを読んでいるような感じです。まさに、文字で読む少女マンガ、です。話もテンポよくどんどんと進んでいくので、登場人物の細やかな心のひだとか成長物語を味わうには物足りないかもしれませんが、このテンポがコミックしか読まない子、ケータイ小説くらいしか読んだことのない女子中高生にはちょうどよいのでは?

  • よくってよ。知らないわ。吉屋信子を平成に持ってこようとしたって、そうはいきませんことよ。なんかすっごい「変」なものを読んでしまった気分。昭和40年代までの少女小説とか少女漫画みたいな筋書き。なんも得るものが無い。「白いペンキ塗りの下見板張り」英国じゃ納屋か家畜小屋だっつーの。煉瓦もあんまり上等じゃないぜ。石だよ石。この際耐震補強は考えないことにして石積みの建物の方が豪華じゃない?作者はいろいろな習い事をしてお免状もたくさんお持ちのご様子。そんな余裕のないわたくしに別の世界を見せてくれる作品を今後期待致しますわ。

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著者プロフィール

1985年に少女マンガ家として、87年に小説家としてデビュー。91年刊行の小説『時の輝き』が110万部のベストセラーとなる。講談社ホワイトハートの人気シリーズ『アナトゥール星伝』や同コミック版(ポプラ社)、KCデザートコミックス『天使のいる場所~Dr.ぴよこの研修ノート』『永遠の鼓動』、小説『制服のころ、君に恋した。』『天国の郵便ポスト』『幸福のパズル』(以上、講談社)『乙女の花束』『乙女の初恋』(ポプラ社)といったマンガ、小説の他、エッセイ、絵本、詩集、料理本、CDなどで幅広く活躍。2017年に小説家デビュー30周年を迎えた。


「2023年 『きみと100年分の恋をしよう きみがいるから』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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