- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591120613
感想・レビュー・書評
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誕生日を観測点に、18歳から25歳までの心情をつづってる。色んな人との別れ、心境の変化。誕生日って大事で、その1年を妙にまとめてしまう気がする。私も自叙伝を作って書いてみたいぐらいのテーマ。さみしい終わりですっきりしないのである。人の人生は得てしてそんなもん。
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読みやすくて1時間強で読み切れた
一人の女の子と18-25歳までの誕生日を定点観測した話
あのときあのタイミングでああじゃなければ今は違うかも
私はどの未来にだって立てる
ひとはすべて自分が選んだものでできている
なんだって好きに選べる
それはすごく楽しくて孤独なこと -
加藤千恵の本は、どれを読んでも読み切り少女マンガのように読みやすい。
1人の少女の誕生日を追跡調査みたいな流れ。
可も不可も無く、普通に面白かった。 -
自分の誕生日が近づくと、毎年読み返してる小説。
18~25歳の誕生日のできごと。
自分が大人になるにつれ、過去のことは若いな~って思うようになれました。
辛いことも、悲しいこともあるけど、歳を取って大人になれば大したこと無かったなと思える。
でも若いころの些細な気持ちも大事にしたい。
そういう風に毎年思える作品。
でももうすぐ26歳になってしまうのでもう読み返すことはないかも。 -
普通の女の子、恵里の18歳から25歳までの“誕生日”を舞台にした連作。誕生日という日の定点観測だけど、冒頭の一文でこの1年間で主人公に起こったと思われる変化が垣間見える。受験、恋、別離、新しい恋、友情、就職……主人公を取り巻く出来事があまりにもありふれていて自分と重ねたくなるシーンもある。何気ない日常描写を切り取るのが改めて上手いと感じた。好きなバンドの解散ライブに行った話はどっかで見たエピソードな気もするけど。現在私は26歳なので過ぎ去った過去を思い出しながら読んだ。2012/514
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主人公の18〜25歳までの「誕生日」のできごとを展開する小説。この年齢って、確かに色んな事がめまぐるしく起こって、人生が決まっていく時期だから色濃いよなぁ…
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ひとりの少女の日々を誕生日ごとに定点観測していった記録。
人生の進め方を大きく決める時期の、誰にでもある小さな激動の日々がリアルで、胸がつまりました。
離散的な観測点に、1年間にしてきたたくさんの選択の結果がある。それが各章の最初数行で伝わってくる。素敵な構成だと思います。
毎年誕生日に食べる食事に焦点が当たります。
「お母さんの味」からはじまり「ひとりで食べるカップ麺」や「東京に出て知ったおしゃれな食べ物」、そして6章に再び現れるハヤシライス。
「その桃は、桃の味しかしない」を読んだときも感じましたが、筆者の食べ物の選び方がとても効果的で、すきです。 -
18歳から25歳という、一番変化があり、一番複雑な時期の心情が上手く描かれている作品。いつもの短編集の方がいいという声も耳にしますが、主人公を1人に絞ったことにより年々少しずつ変わっていく感じが、複雑な感情が、より伝わってきて、自分的にはとても良かったと思います。
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誕生日に読んでみた。なんとなくぼんやりとこれまでの誕生日を思い出してみる。毎年ケーキは食べてたなぁ。まだ変化の途中。
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一年前の私と今の私はきっとそんなに変わってない。
一年後の私と今の私もきっとそんなに変わってない。
でも、今の私と五年前の私はいろいろなことが違っている。
一年間のほとんど気づけない程度の変化が積み重なって昔の私と全然違う私になっている。
言われてみればそうかもしれない。
誕生日というカレンダー上の定点で、ごく普通の日常の時間を束ねてみると見えることがあるんだな、と思った。