([は]4-1)星をまく人 (ポプラ文庫)

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制作 : 岡本浜江 
  • ポプラ社 (2010年12月7日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591122167

([は]4-1)星をまく人 (ポプラ文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 良くある物語なら預けられた家の住人は出来た人間で、主人公たちは幸せに暮らすのだが、この物語はそれも許されない。
    預けられた家にはひいおばあさんが独り。エンジェルは、赤ん坊の様な弟のバーニーとひねくれきったひいおばあさんの世話をする。父親も母親もこれまたどうしようもなく子供。自分だったら絶望して何もかも放棄しそうだが、エンジェルは遠くで微かに瞬く星の様な希望を見失わずにこれからも暮らすのだろう。
    エンジェルは可哀想な子だ!みたいなお涙ちょうだいな気持ちにさせないのがこの小説の素晴らしいところではないか。『全世界が泣いた』みたいな謳い文句はつけられない力強さがある。

  • 人よりちょっとだけ早く大人にならざるを得なかった誰かに送りたい本。いつも気を張って、友だちや親の顔色を窺っていた子ども時代の自分の枕もとにそっと置いてあげたい本。

    主人公のエンジェルは11歳の女の子。わがままな弟と、短気で気まぐれな母親、そして刑務所に入っている父が彼女の家族。
    母がエンジェルと弟バーニーを連れて、ある日突然ひいおばあちゃんの家に引っ越した。不安を覚えながらも、ここで新たな生活が始まるのかと思いきや――あれ?母のベッドが空のまま。
    青ざめるエンジェル・・・そう、幼い二人は母に置いてけぼりにされてしまったのだ。
    ここにあるのはお菓子ばかり欲しがるバーニーと、へそまがりだけどちょっと優しいひいおばあちゃん、そして晴れた夜に会える「星のおじさん」、天体望遠鏡を持っていて、エンジェルに星のことを教えてくれるのだった。一家の大黒柱として買いものと料理と弟の世話をこなるエンジェルは、次第に星への好奇心を募らせていく。

    エンジェルのひたむきな家族への愛情と、一生懸命大人の代わりをしようとするけなげな姿に心を打たれました。
    星のおじさんが教えてくれた星空についてのことがどれだけエンジェルを子どもに戻して、救ってくれたのかと思うと涙がでます。なんだかあったかい涙です。
    社会から、そして家族からも見放されたエンジェルが、どんな気持ちで満点の星空を見て、どんな風に「どうにかなりそうな気がする」と立ち直れたのか。きっとこの時、フリではなく、本当にエンジェルは大人になったのでしょう。

    ――「でも聖書の作者は自分の質問に答えているのよ。<あなたは人間を天使たちよりも低いものとして造られたが、栄光と栄誉の冠をさずけ……>って」
    「はあ?」エンジェルはなんといわれたのかよくわからなくて聞いた。
    「天使たちより低いものだけれど、栄光と栄誉の冠をさずけられたの」
    「本当の天使ですか?信じます?」
    ・・・・・・中略
    エンジェルはなにもいえなかった。リザさんの言葉には苦しみがある。大きな苦しみ。でもそのほかになにかがある。星をあおぎ見るときだけに感じるなにか。おそろしいような静けさ。それがこのことなんだろうか?栄光。
    エンジェルは、しゃべれないほどいっぱいになった心と、三冊の本をかかえて図書館を出た。

  • 生きることに精一杯で、自分のことは全部後回しにして家族に尽くすエンジェルの姿が痛々しくて、苦しくなりながら読んだ。
    エンジェルが名前の通り“天使”のように純粋で、良い子すぎて、一気に読むことが出来なかったのだけど、たぶんそれは子どもの頃の自分を少し思い出したからだと思う。(純粋さはさておき、)自分が置かれていた状況が、エンジェルと通じるところがあったから。
    良い子であらねばと子どもの割に自分を抑制していたところが。

    心に星をおいて生きていく。
    佐藤春夫の「夕づつを見て」という詩を思い出した。

  • このお話、好きです。となりのトトロと火垂るの墓を足してそこからケモノ成分と少しだけ悲惨さを引いてアメリカンな味付けをした、若干ハードなのですがどこかしらジブリ作品を思わせるこのお話、好きです。もし自分が、主人公の11歳の女の子・エンジェルの立場だったらきっと絶望して、誰かを憎んでそれでおしまい。となりそうなのですが、星の輝きに励まされ健気に生きる彼女の姿はどこまでも応援したくなります。つらい状況だけれど「この子悲惨だろ? 悲しいだろ? 泣いて頂戴よ」みたいな同情を強要するような事はないこのお話、好きです。

  • エンジェルが"エンジェル"じゃなかったら、読み続けられなかっただろう。
    一筋の希望の光が空に瞬いていることに深く感謝。

  • それほど…じゃないはずなのに一気読みをしてしまった。

    一生懸命ひたむきに生きている。それだけで、周囲の空気を変える力が十分にある。

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