(P[ふ]2-4)船に乗れ! III (ポプラ文庫ピュアフル)

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  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591124017

感想・レビュー・書評

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  • 2巻が辛くて、途中で投げそうになったけれど、
    物語の魅力には勝てなくて、3巻まで続けて読んでしまった。
    読んで良かった……

    大事な人を傷つけた心の傷も、
    何かをあきらめることにした想いも、
    決してなくならないけれど、
    サトルの未来にほっとする。

    青春小説の青春小説たる所以。

    読者は、今のサトルが過去を語っているのを最初から知っている。
    彼がそれを乗り越えて存在している事をわかっているから
    ある意味、助けられる。
    特に私のように、主人公になり替わってしまう
    妄想ヘキのある読者には。
    ……本当に、2巻から辛かった。
    おそらく、私たち、誰しもが持っている、
    ずっと抱えている心の傷をえぐられたような。

    2巻でソクラテスを気取ったあの人が3巻にも登場してくる。
    それがタイトルの由来だったと知るのだけれど……
    この場面をどう読むか、
    それがこの小説に対する好き嫌いにつながるのかもしれない。
    私は辛くて、苦しいけれど、惹かれる。

    作者は同世代。
    よくわかる、この厄介な年齢の中途半端なところ。
    まぎれもなく、出会えてよかった小説。

    今更ながら、表紙の意味に気付く、この迂闊さ。
    私らしいと苦笑。

  • 文庫化された3巻目。
    読み終わってしまうのが嫌だというようなお話ではなかったけれど、
    これまで読んできた中で「どこがどう」とは言いにくいけれど
    確実に「面白い」と思ったお話でした。

  • 各紙誌で話題沸騰&読者の反応も熱い青春音楽小説三部作。津島と鮎川、伊藤...それぞれの心がぶつかり合い、再びふれ合う―感涙の最終楽章。

  • 気になっていた本が文庫になったので、3冊いっぺんに買って3日で一気読みした。自分の高校時代を懐かしく甘く、また辛く苦い出来事まで思い出される事になった。青春は"青い春"とはよく言ったモノだ。あの頃の自分もホントに青かったなあ。

  • 3巻に渡る青春音楽小説。

    1巻は爽やかで鮮やかな青春小説だったところが、2巻では一転、思い展開が続く。
    3巻は綺麗にまとめたものの、どうしても2巻の展開を引きずってしまって気持ちよく読むことが出来なかった。


    全体としては面白いんだけれど、南さんの行動と、主人公の先生に対した行いはどうにも許せない。

  • 最終学年になった津島、鮎川、伊藤らのアンサンブル。伊藤は津島に言った。「僕たちはこれからの方が大変だ。甘くない」。それぞれの心がぶつかり合い、再びふれ合った果てに訪れる、感涙の最終楽章――。

    伊藤くんの気持ちは早い段階から気がついてました。ラストはきれいにまとめた感じですが、なぜサトルがこの話を告白することにしたのか、ハッピーな理由が明かされるとよかったです。

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著者プロフィール

1963年、東京都生まれ。2003年、『アンダンテ・モッツァレラ・チーズ』(小学館)でデビュー。2014年、『世界でいちばん美しい』(小学館)で織田作之助賞を受賞。主な作品に『おがたQ、という女』(小学館)、『下北沢』(リトルモア/ポプラ文庫)、『いつか棺桶はやってくる』(小学館)、『船に乗れ!』(ジャイブ/ポプラ文庫)、『我が異邦』(新潮社)、『燃えよ、あんず』(小学館)など多数。エッセイ集に『小説は君のためにある』(ちくまプリマ―新書)など。

「2021年 『睦家四姉妹図』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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