五龍世界Ⅱ

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 312
感想 : 39
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591124482

作品紹介・あらすじ

おさげカンフー娘に千里眼の美少女、やきもち妬きの式神に金髪の青年牧師、そして無邪気で凶悪な聖なる龍人…彼らの向かう先は何処-?躍動する世界とドラマ、待望弐巻登場。

感想・レビュー・書評

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  • イルラックを、あの女誑しをどうしたらいいですか。

    ということで、待ちに待った五龍世界の続刊です! 読むのは刊行から随分とあとになってしまいましたが、今回もとっても面白かったです。
    主人公は前巻の主人公ユギの友人、碧耀。花街の妓女をしている少女です。他人に身を任せることに慣れ、自分の意思で行動することを諦めてしまっていた彼女が、見受け先へと旅をする途中で立ち寄った村の事件に巻き込まれていきます。そこで出会った人々や、前巻でも登場した青年たちとの交わりのなかで、彼女は自分の心と向き合うことになり……。事件よりも碧耀の心の動きや過去、周囲の人々との交わりに焦点が当てられている気がしました。
    もちろん青年たちも、主人公が変われば関わり方も変わっています。ただ人物像は変わらず! 左慈は揺るぎなく左慈でした。毒舌も健在です。ほんとユギ一筋だね! イルラックについてはかなり衝撃を受けたので、感想冒頭の一文を送ります。あのやろう……。珞尹は、……もちろん彼も相変わらずでした。三者三様、前巻のままです。
    老大嬢の物語はもう終わってしまったものだけれど、それは確実に碧耀に影響を与えてゆきました。老大爺との会話が切なくて、愛に満ちていて、胸が詰まりました。彼女らは、けれど、自分の持たされていたものを捨ててきた代わりに、真に大切なものだけを手に入れたのでしょう。それは蓮嬢という女性であったり、自らの信念であったり。
    そこからの碧耀の自転車のシーンがとても気持ちがよかったです。
    ――全部認める。
    ユギを恨んでいたのかもしれない、見下していたのかもしれない。心に問い続けてきた彼女が、やっと歩きだす(あるいは走り出す)ことができました。直後に顔を合わせたのが、同じ痛みをかかえた彼だったと言うのがまた……。

    まだ続きも書かれるということなので、楽しみに待ちます! 大好きだ!

  • 前巻よりもさらに好きです。碧楊が主人公になるなんて思いもしなかったし、まさかそこに恋愛感情が絡まってくるとは思ってもみなかった。
    とても複雑。

    次は左慈がたくさん活躍しますように!

  • 【紙の本】金城学院大学図書館の検索はこちら↓
    https://opc.kinjo-u.ac.jp/
    図書館・請求記号 913.6/Ka115/4(2)/

  • 自分で考えず、マイナス思考で、ユギに対するゆがんだ気持ちがあったり。
    碧耀の醜い心が垣間見えて、あまり好きになれず、感情移入しづらい。
    その分、イルラックの魅力が増した。
    ヒルとのやりとりはコントのようだし、ルーインにしっぽを撒くイーはかわいくすらある。
    ルーインの正体がわかったり、ユギまわりで新たなことがわかったり。
    周辺諸国もかかわって、スケールが広がった巻。

  • 五龍シリーズの第二段。
    1作目と主人公が変わって碧耀目線のストーリー展開。

    彼女の心の成長を描いてましたが、後半展開が一気に進みすぎてて???状態に。
    いきなり登場のルーイン。
    謎だった正体が明らかになってなぜこの場にいるのかが繋がってようやく納得できたけど・・
    もうちょっと伏線みたいなのが見え隠れしてくれたら入り込めたなぁと、ちょっと残念。
    ともあれ、ストーリーは進んできているので今後の展開は楽しみです^^

  • 続きかと思ったらヘキヨウが主人公のスピンオフ?
    でも、やっぱり面白い!

  • 1巻より面白かった。碧耀の苦悩と成長が好ましい。ただ、どうもまどろっこしい感じのする話だと思う。

  • 当然、ユギのその後の話かと思ったら、今度は碧曜の話だった。
    でも、時間はあのまま進んだ時間。

    碧曜の成長物語。
    少しずつきな臭さが増してきた感。

  • 五龍世界の2冊目の本です。今回は碧耀が主人公になっています。妓楼から出られることになった碧耀にいろいろな事件が起こり、自分の意志を持っていなかった彼女が変化する様子がとても素敵です。1巻を読んでいなくても、登場人物の説明がちゃんと文章に含まれていて、十分読めます。イルラックの年齢が19歳なのは驚きました...25歳くらいかな、なんて思ってたので。

  • 強さと覚悟を手に入れる話。
    より大きな話に続きそうで楽しみです。

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著者プロフィール

第9回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー。その他の著書に、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』(電撃文庫)、『エンドロールまであと、』(小学館)など多数。

「2009年 『NO CALL NO LIFE』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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