真夜中のパン屋さん 午前3時の眠り姫 (ポプラ文庫 日本文学)
- ポプラ社 (2013年10月4日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591136249
感想・レビュー・書評
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読書中ずっとレモンとバターのいい香りに
包まれつつ、また少しベールが薄く剥離した午前3時の
いろんな事情を抱えた眠り姫たちのそれぞれ。
失われていた希実ちゃんの記憶のフラッシュバック。
レモンの木々の葉の隙間からこぼれる光、
広がる青空、木漏れ日をうけてキラキラ光る睫毛。
香りと結びつく記憶たち。
楽しい記憶ではない意地悪な従姉妹"沙耶"ちゃんとの再会。
癒えることのない漫然としたソフィアさんの孤独。
未来にすがれず、逃げ込んだ思い出の記憶。
世界は呪いでできている。
幼い頃から親にかけられた呪縛、
自分が自分に知らずにかけた呪縛、
人との巡り会いの中でかけられた呪縛。
毎日起きて、食事をして、働いて、笑い合う人がいれば
日常に中に特別は必要ないほど愛おしく幸せに溢れている。
空を見上げる理由をくれる人と、一緒に見上げてくれる人。
誰かの傘になるパン屋の真相。
楽しく美しく幸せな世界と、人の心の弱さと醜さと凶暴さ。
それは同時に存在し、いつだってひっくり返る瞬間は傍にある。
大切な人と一緒に食べるウィークエンドデニッシュのように
冷たさと温かさが一緒になってほどけるように混じりあい
ひとつなぎになっていく縁の魔法を感じた今作。
人の手は繋ぐとちゃんと温かい。
切なさを孕みつつ、次に希実ちゃんを待ち受ける
展開が温かい赦しと救済の光になるといいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回のストーリーは暮林が不在中のお話なので、いつもよりすこしお話に温かみにかけるかなぁと思いました。
でも、その分いつも守られているのぞみの弱い部分が丁寧に描かれていて面白かったです。
2014.9.7 -
シリーズ4作目。
希実の過去が明らかに…
次巻も楽しみです
今回もやっぱりパンが食べたくなりました -
シリーズも終盤に入ったかな?
今回はドタバタしながらも泣かせる部分もあり、パンは相変わらず美味しそうでますます次作が楽しみです! -
希美の失った記憶がついに戻った。中々重たい話もたくさん出てきたが真夜パンメンバーのノリで楽しく読めた。相変わらずパンが美味しそうでお腹がすく。最終巻に向かって話が展開してきたので少し寂しい。最終巻の表紙はみんなが笑顔であれば良いな。
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まよパン第4弾読了。従姉妹の沙耶が現れて、希実の過去も段々と明かされていく。今回も家族との繋がり人との繋がりを強く感じた話だった。これから、どうなっていくのか...。
#読了
#読書好きな人と繋がりたい