(111)ぼくらは地方で幸せを見つける (ソトコト流ローカル再生論)
- ポプラ社 (2016年12月9日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784591152843
作品紹介・あらすじ
お金でもキャリアでもない。
生きる手ごたえと確かなつながりで、
地域をリアルに盛り上げる
若きローカルヒーローたち!
「豊かな社会」の尺度が変わる、若者が主役の新しいまちづくりとは?
人口増加や経済効果重視の観光化ではなく、若い世代が中心になったユニークな活動で、全国の注目を集める地域がある。
未来への手ごたえを感じ、仲間を巻き込みながら、地元の底力を引き出す秘訣はなんなのか。「若者」×「ローカル」に学ぶ経済+暮らしのヒントを、月刊『ソトコト』編集長が語る。
【著者略歴】
指出一正(さしで・かずまさ)
月刊『ソトコト』編集長。1969年群馬県生まれ。上智大学法学部国際関係法学科卒業。雑誌『Outdoor』編集部、『Rod and Reel』編集長を経て、現職。島根県「しまコトアカデミー」メイン講師、広島県「ひろしま里山ウェーブ拡大プロジェクト」全体統括メンター、高知県文化広報誌『とさぶし』編集委員、沖縄県久米島町アドバイザー、静岡県「地域のお店デザイン表彰」審査委員長、奈良県「奥大和アカデミー」メイン講師、広島県「ひろしま さとやま未来博2017」総合監修をはじめ、地域のプロジェクトに多く携わる。趣味はフライフィッシング。
【目次】
第1章 ローカルに価値を見出す若者たち
第2章 関係人口を増やす
パーリー建築(新潟県十日町市他)/ペンターン女子(宮城県気仙沼市)/『四国食べる通信』編集長 ポン真鍋(香川県小豆島・高松市)/下田写真部(静岡県下田市)/たからさがし。(熊本拠点)
第3章 未来をつくる手ごたえ
いとしまシェアハウス 畠山千春(福岡県糸島市)/十日町市地域おこし実行委員会 多田朋孔(新潟県十日町市)/巡の環 阿部裕志(島根県海士町)/幸田直人(鳥取県三朝町)/まちの鍛冶屋さん 秋田和良(広島県安芸太田町)
第4章 自分ごととして楽しむ
nanoda代表 山田崇(長野県塩尻市)/桃色ウサヒ 佐藤恒平(山形県朝日町)/シマネプロモーション 三浦大紀(島根県浜田市)/伝承野菜農家 佐藤春樹(山形県真室川町)
第5章 これからの地方、これからの暮らしづくり
おすすめブックリスト
感想・レビュー・書評
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いろいろと雑誌は講読している。
おっさん向けアウトドアな"Be-Pal"、硬派な社会派"ナショナル・ジオグラフィック"、実家を考えて"地主と家主"、長野県民御用達"KURA"、
そして、なんとなくソーシャルな"ソトコト"を毎月購読してます。
本書はソトコトの編集長による、地方でソーシャルな活動をしているリーダーたちについて。
東京生まれ、東京育ちで二十四年、就職で流れ着いた先の長野県民生活が六年になってしまった。
大町は冬は毎日曇天どんよりで雪降りすぎるし、東京帰るには四時間半かかるしで気に入る場所ではなかったものの、
上田は大体まいにち晴れマーク。東京帰るにも新幹線で2時間ちょいで上野だし。歩いて5分で駅、アリオ、千曲川と暮らすにはとても心地よい。
という東京は高田馬場、長野の上田という二拠点生活で、週末はたいてい、どちらにもいないで旅に出かけます。
そんな俺ですが、会社以外で人とは全然しゃべらないんですよ。
大学までの関係性は、みんな社会人やってて集まる機会もあまりないし、
大学前の地元といえば豊島区高田だけど、十年以上近づいてないし、中高は私立だったから友達いないし、
高田馬場に住み始めたのは大学以降だから知り合いなんていないし、
長野県には会社以外のつながり無いし。
あぁ~、人生さびしいなぁ。マジで。
社会人になった瞬間に、人と人との輪が会社に限定されるのは俺だけじゃないはず。
いったい、ほかの人たちはどうやって他人と関わりあっているんだ?
本書では地方で活躍するローカル・ヒーローたちを紹介する。
といっても、俺ができることなんてなさそうだねぇ。
小学生のときみたいに、入れてー!って言えば、いいよー!って返ってくる人の輪が、大人にも必要だと思うんだけどね。
そういう寂しい奴等の居場所が街にあればいいのになぁ。という無いものねだり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
地域でがんばる理由や行動は参考になります。自分が何をするか、つなげる。
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/699500 -
601-S
閲覧新書 -
■ひとことで言うと?
地域とつながり、自分ゴトとして地域課題に関わる
■キーポイント
・若者が地方を(再)発見した
・ローカルヒーロー:地域を緩やかに変えている人々
・地域の余白≒課題→地域への関わりしろがあること
・自分ゴト=暮らしを自分の手で作っている実感→面白いことをしたい > 課題解決をしたい
・つながり:地域との「縁」を大事にする→「関係人口」を増やす -
まずいわゆる西野亮廣が言うような世界観だなと言う感想を受ける。体験を買う、夢を応援、直接課金してくれるファンを作るなどに近い価値観が多く語られており、ムーブメントを作ったわけではなく乗っただけなんだなと改めて痛感した。
自分自身はこの本で言う「若者」側に属するため、この行動原理には理解できる。一方でなぜ自分たちの世代からこれが起こったんだろうとふと疑問に感じた。
本には、以下のようにある。
> いまの若い世代は、人の役に立ちたいという意識が非常に高い。ですから、地域の困りごとをオブラートに包んで、いいところだけ見せられても、彼らの心は動かないのです。共感が得られない。
逆に言えば、それ以外の世代は「人の役に立ちたくなく」「地域の困りごとをオブラートに包んで良い面だけ見せて欲しい」とも言える。
これは『若者たちが良い』のではなく、精神的な欠乏があるのかもとふと感じた。
いくらでも代わりがいる世界での自己効力感の欠如や、心からの繋がりの欠如だ。
つまり現代の人間関係の希薄さや、歯車的な人生へのアンチテーゼとしての田舎暮らしがあるのかもしれない。
実際自分自身田舎に手伝いに行ったときに若い男というだけで有り難がれたのを覚えている。
社会学的には共同体の欠如は悪い意味で使われることが多いが、その病理が地方活性化に繋がると考えると物事には両面あるから単純に評価できないと改めて認識させられた。 -
ソーシャルな活動の事例集。
全国の関係人口やソーシャルな取り組み集。
様々なら取り組みの事例を紹介しているが、数値としての移住数の増加や就業数の増加についての数値でのエビデンスはなく、自己満足的な内容。取り組みは素晴らしいが、結果どのように貢献しているかは疑問が残る。自己承認欲求の高い人がボランティア精神で取り組み、結果の数値については言及がない。この手の本にはそういった事例は多いが、根付かない原因はここにあると思う -
2017年12月10日に紹介されました!
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月刊ソトコト・指出一正さんから見た地方創生のあり方の話。めも。
・ローカルな価値観とグローバルな視点の両方を併せ持つ人物がこれからの地方には絶対に必要です。
・食べ物は単なる消費物ではなく、人と人を繋ぐ媒体であり、その土地の風土を伝え、人と土地を繋ぐメディアであるのだ。
・考え続ける事が命と向き合う事。
・知識や技術といった仕事力を養う事は都会の方が優れているけれど、意識を変えたり気づく力や感じる力といった人間力は田舎の方が研ぎ澄まされる。
・地域の人を巻き込むのに一番大事なのは二つ。儲かるかどうか、面白いかどうか。
・調整を加えて人生や暮らしを作って行く事。街づくりにも通じる考え方。
・常に何かが動き変化している止まらない未来のデザイン
・雑誌づくりの肝はどんな重たいテーマでも柔らかく、軽く、面白く、オシャレに見せる事。
・自らやることと言われてからやることでは、同じ内容でも印象が全く異なります。自ら協力くる姿勢をアピールしてみましょう。 -
震災以降、地方に移住して活躍する若い世代の実例。
地方、とりわけ農村部に移住した実例が多い。都市部で培ったスキルをより必要とされる場で活かす、そんな人の働き方。
著者が雑誌SOTOKOTOの編集長なので取り上げられる人たちも雑誌の巻頭に特集されそうな人たち。
どれもおもしろく、参考にしたい自治体なども多いだろう。
しかし自分が移住というものに興味があって読むと少し別の世界の話だなと感じる。
特別なスキルも経歴もなく、ただ自分の気に入った場所で新しい生活をしてみたい(必要に迫られてない引越しとでも言うべきか)という自分みたいな人もけっこういるのではないか。
けれど世に出てる移住雑誌や移住本などは意外とそんな人は出てこない。