かがみの孤城

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (554ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591153321

感想・レビュー・書評

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  • 話の作り方上手すぎです。
    中学生の不安定な心をよくぞここ迄。

    途中ちょっと中弛みしたけどラストは涙。

  • 文庫がようやく出版され通勤時間で読もうと思い購入しましたが、ほとんど土日で読み切ってしまいました。
    ある条件の下、鏡の城へ集められた7人の子供たち。
    見つけた一人だけが願いを叶えられるという「願いの鍵」を探すため、それぞれの思いを胸に城へ通うこととなります。

    ふしぎな世界での少女の成長物語は、なんとなく「千と千尋の神隠し」を連想させるなと思いました。
    「千と千尋」と違うのは、記憶としては残らないまでも城での日々が心に潜在的に残っているということです。

    深く考えていくと、
    ①城で過ごしたことで行動や未来が変わったとしたら未来は変わってしまうのではないか
    ②“オオカミさま”は結局何がしたかったのか
    ③こころがあの日城へ行っていたらどうなっていたのか
    などの疑問が出てきますが、そこは考えないようにします。

    こころだけは実際に現実世界での友だちができたわけですから、2年生からはその子と一緒に学校へ行くことができます。
    他の子達は変わらず一人きりで闘わなければならない点には少し不平等さを感じましたが、エピローグでの晶子の話を読んで、多少救われる心地がしました。

    • かりうささん
      ゆうママさん、そうなんです…勉強のため、しばらく本は読めません。(読書は息抜きでもハマっちゃうので自粛します^^;)

      たくさんおすすめいた...
      ゆうママさん、そうなんです…勉強のため、しばらく本は読めません。(読書は息抜きでもハマっちゃうので自粛します^^;)

      たくさんおすすめいただいてありがとうございます!角田光代さん以外読んだことがない作家さんで、とても面白そう。
      合間を見つけて読んでみますね!
      2021/04/05
    • アールグレイさん
      かりうささん、では資格取得チャレンジ、持っている力を存分に発揮して下さいね(^-^)
      では、どうしても息抜きの本という時には連作ではない...
      かりうささん、では資格取得チャレンジ、持っている力を存分に発揮して下さいね(^-^)
      では、どうしても息抜きの本という時には連作ではない、完全な短編集はどうでしょう?
      根詰めすぎないように
      たまに、コメントさし上げてもいいでしょうか? \(^_^)/
      2021/04/05
    • かりうささん
      短編集いいですね!
      ゆうママさんのおすすめはありますか?

      そう言っていただけて嬉しいです、
      私も本は読まないまでも、たまに読みたい本を見つ...
      短編集いいですね!
      ゆうママさんのおすすめはありますか?

      そう言っていただけて嬉しいです、
      私も本は読まないまでも、たまに読みたい本を見つけに伺いますね(*^^*)♪
      2021/04/05
  • 2023年公開のアニメーション映画のDVDを観るチャンスがあり、後から本を読みました。読んだのは文庫上下巻だけど、登録は一つで…。

    学校に行けなくなった主人公•こころは、自室で鏡の中の西洋風の城に導かれます。そこには6人の中学生と、城の案内人を自称する狼の面をつけた少女『オオカミ様』がいて…。

    中学生という多感な年齢。主人公の心の声が、自問自答するように染み込んできます。他人の思いに"共感することの大切さ"と、"共感できる心をもてる人に成ることの大切さ"を伝えていて、とても良い読書ができました。

    余談
    DVDを観ていて、なんとなく感じた。
    "この作者、教育関係者だな?"
    今、調べてみたら、著者は千葉大教育学部卒なんですね。なるほど。小説家が『取材を元に書いた作品』とは、ちょっと違う感じがした。納得しました。

  • 初 辻村深月。
    登場人物が覚えられないので、映画サイトでキャラクタ像を叩き込む(先入観つくのでお勧めはしない)
    距離感は重要。鏡の世界は優しく,互いにリアルは干渉しない。アバター・メタな現代っ子

    人との繋がりが人生を紡いでいくことを解く良いお話でした 人間讃歌

    若干句読点が多いことでリズムを崩されたイメージが…
    中高生向けだからだろうか?
    他の作品読んでみよう


  • 学校に通えない7人の子どもたち。
    それぞれに理由があり、悩みを抱えている。
    そんな彼女らが鏡に導かれて、迷い込んだ城。
    そこで出会ったオオカミの仮面を被った少女。
    少女は彼女らに何を求めているのか。

    思春期の人間関係の悩みやコミュニケーションのつまづきに寄り添いながら展開されてゆく物語にページをめぐる手が止まりません。

    ラストは涙無くして読むことができない、感動の物語。この本に救われる人も多いのではないでしょうか。

    おすすめです。

    「普通かそうじゃないかなんて、考えることがそもそもおかしい。」

    • はなちゃんさん
      この本が凄く読みたくなる感想、素敵です!!
      この本が凄く読みたくなる感想、素敵です!!
      2021/08/23
    • マイスさん
      @はなちゃん さん
      コメントありがとうございます。
      ほんとうに嬉しいです!!
      もっとワクワクしてもらえる紹介ができるようにがんばりますね!
      @はなちゃん さん
      コメントありがとうございます。
      ほんとうに嬉しいです!!
      もっとワクワクしてもらえる紹介ができるようにがんばりますね!
      2021/08/23
  • 数年前に読んだ作品。
    かなり話題になった作品だったので当時とても期待して読みましたが、とても読みやすく興味深い内容でした。
    中学生や高校生の時代に読むことをオススメします。

  • 初めての辻村深月ツジムラミズキ。
    読み方も勝手にツジムラ
    しんげつなんておもってた。

    わぁファンタジーだったら困るな。苦手だから
    ところが読むほどに引き込まれる。
    パラレルワールドもわからないし〜

    自分は大人だし「十分すぎる大人というかテヘッ、」
    テーマ、「中学生?」

    最近は普通、普通って、なに?
    今はビクビクしてないし、
    中年越して厚かましいくらいだけど
    思い出した。何かに怯えるような神経がビクビクしたり
    傷ついていた溶け込めない。浮いてる、なんか違う

    その思春期のなんとも知れない気持ちが表されていた
    生きにくい、不器用な、ナイーブな子達
    わかるし、同苦できる、
    終わりの方はそれぞれの気持ちになって悲しかったり
    傷ついたりした。

    物語の終わりはいつものバタバタ感
    無理矢理感も纏うが。

    仕方ないか。
    いろいろ前半に散りばめられてた意味がわかる。
    ふーんそういうことだったんだ。

    現在はもっと悲惨、いじめによる自殺、
    犯罪になってる
    ホント命かけて学校行く必要ない
    生徒がいればいるだけの問題はある。

    一番辛いのは
    性的虐待、それと身内から。
    義理の親とか
    そこまでして女親は配偶者を求める〜
    子供の犠牲にしての家族は成り立たない、。

    余裕ないかも知れないが
    今、生きにくさを感じてる
    どうしていいかわからない子たちに読んで欲しいとあったけどその通りだと思う。

    学校なんて、ある意味たかが学校
    命がけで行くところではない。
    一番大切なことは命があるということ「かけがえがないあなたということ。」
    本屋大賞だっけ
    わからないでもない。

    今までの読書のやり方を少し変えた
    一人の作家の全作品を読んでいくやり方では
    未踏の作家が多すぎる。
    いろんな作家を浅く読んでいこうと思っている。

  • 面白かった!
    ファンタジー+ミステリーのエンターテイメント作品
    ある意味、不登校の子供たちへエールを送る物語。

    ストーリとしては、
    主人公のこころは中学1年生。学校でのある事件から不登校に。
    さらにはフリースクールにも行けない状態。

    そんなこころはある日、自室の鏡が光っているのに気が付いて、触ってみると、鏡に吸い込まれ、別世界(城)に入り込みます。
    そこでは、本書の表紙のような狼面にドレスを着た少女「オオカミさま」、さらに、こころと同じような年ごろの男女6人がいます。
    城の開いている時間は毎日9時から5時まで
    電気は来ているけど、食べ物、飲み物はない(なので持ち込みが必要)
    そして、3月末までに、城の中に隠された「鍵」をみつけ、「願いの部屋」を開けると、願いが叶うというもの。
    鏡を介して、城に出入りするこころたち。
    学校に通えない、多感な時期の子供たちが、城に集まります。
    少しずつ、お互いを理解していく...
    といった設定。

    途中からミステリー要素が強くなりますが、これをミステリーとして読んではいけない。
    ミステリーにしちゃうと、突っ込みどころ満載(笑)

    本書の勘所はそんなところではなく、やはり、学校に通えない子供たちのこと。
    その心の変化、感じ方。
    そして、その子供たちに筆者が伝えたい強烈なメッセージ

    一人じゃない、助け合える
    きっと会える。

    とってもお勧め

    • アールグレイさん
      言い忘れました。
      アイコンの“クア~ミイ~ザア~マ~”と言う黄緑色の3つ目の子、好き!ディズニーが好きと言うわけではないけれど・・・・
      言い忘れました。
      アイコンの“クア~ミイ~ザア~マ~”と言う黄緑色の3つ目の子、好き!ディズニーが好きと言うわけではないけれど・・・・
      2022/02/10
    • masatoさん
      ゆうママさん
      コメントありがとうございます
      中年のオヤジでございます。
      基本、ブックオフの100円文庫を中心に読書しています。
      ミ...
      ゆうママさん
      コメントありがとうございます
      中年のオヤジでございます。
      基本、ブックオフの100円文庫を中心に読書しています。
      ミステリーではありませんが、浜田マハさんの作品は泣けますよ
      ミステリーというところでは、ちょっと重いですが薬丸岳さんはいかがでしょう?
      どうぞ、よろしくお願いします。
      2022/02/11
    • アールグレイさん
      原田マハさん、実は読んだことがないのです。ブクログに入ってから、何人かのフォロワーさんに薦められました。自分では読んでいると思い、ブクログ入...
      原田マハさん、実は読んだことがないのです。ブクログに入ってから、何人かのフォロワーさんに薦められました。自分では読んでいると思い、ブクログ入会前の記録用紙を目を皿にしたのですが・・・ないのです。
      近い内に原田マハ、読むつもりです。
      (^^@)ゞ
      2022/02/11
  • 鏡の中の城に集められた7人の子供たち。鍵を見つければ願い事が叶うが、見つけられなければ、期間いっぱいまで、その城にいられる。それぞれの背景を持ちながら、子供たちは、互いの関係を深めていくが。
    テンポよく読み進められ、特に後半は続きが気になり、どんどん読み進められた。
    互いの背景があるからか、付かず離れずのような関係が、少しずつ深い関係に変わっていく。気付いた時に必要とした関係であったことがわかるのがよく、それを読んでいる方も納得できるように感じた。
    助け合える友達のいること、闘わなくてもよいこと、主人公のこころの感じたことは、そのまま同じ様に苦しんでいる子にとって、助けになることでもあると思った。
    個人としては、親として子供から見た親の様子の描写が身につまされた。子供たちの思いや、置かれた状況をわかることの大切さ、そしてそこからの行動。考えさせられました。

  • 寝る前に「さわりだけでも読んでみよう」と、開いたのがいけませんでした…

    さわりどころか、
    3時間かけて読み切ってしまい、
    時計をみてあちゃーと思ってしまった…

    それくらい“アブナイ”本です。

    数時間読み続けても大丈夫なときに
    読み始めることを、
    強く強くオススメします。

    ある出来事がきっかけで
    学校に行けなくなってしまった
    主人公・こころ。

    ある日こころの部屋にある鏡が
    突然光り出し、
    鏡に吸いこまれたこころですが…

    読んでいて
    辻村深月さんのデビュー作
    「冷たい校舎の時は止まる」に似た雰囲気を
    感じました。

    デビュー作「冷たい~」の香りは
    残しつつも
    文章は格段に洗練され、
    より物語の世界にはいりこみやすくなった
    印象です。

    特に、
    その立場に置かれた主人公・こころの
    悲しいとか怖いという言葉では
    表現しきれない心模様にも関わらず、

    読み手が思いもつかない文章で
    見事に、こころの心が書かれていて、

    まるで、自分がこころになったかのように
    読み手の心の中に
    こころの声が聞こえてくるのです。

    いついかなる世界においても、
    オトナも子どもも
    だれも彼も、
    何かから自分を守るために
    自分なりの方法で必死に闘っていること、

    どんな世界に生きていても
    同じ言語は話せても、
    わかりあえない人がいること、

    けれど同時に、
    わかりあえる人も必ず存在するのだ、と
    強く教えてくれるお話でした。

    表紙のタイトルのところが
    鏡のようにキラキラしているのが
    粋な演出だなあと思いました。

    また、もくじのところに
    主要な登場人物の絵がありますが、
    ひとりひとりの人物を覚えるのに
    とても役に立ちました。

    読み終えたとき
    頭のなかにはエンディングテーマのように
    嵐の「カイト」という曲が
    流れ続けました。

    そして、布団に横になりながら
    頭のなかの「カイト」を聞きつつ、
    心に残った文を思い出していたら
    ポロッと泣けてきてしまい、
    なかなか寝つけませんでした。

著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻村深月の作品

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