父親ができる最高の子育て (ポプラ新書 た 7-1)

著者 :
  • ポプラ社
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  • Amazon.co.jp ・本 (163ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591154410

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  • 「この国は自立できない大人を量産している」という問題意識から、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、「作文」「読書」「思考力」「野外体験」を主軸にした学習塾「花まる学習会」を主宰する著者の父親に向けた子育て論。

    父親が子育てをするうえで、まず取り組むべきことであり、たったひとつのすべきことは、母親(妻)との関係を良くすること。

    子どもは、いつでも家庭の中の両親の関係を見ているもの。妻のご機嫌をとるということではなく、子どもの幸せのために、妻の笑顔を引き出すために妻を中心に支えて、父親としてよきサポーターになることが大切。

    つまり、世に言う「イクメン」のように、子育てに全面協力というのは、できる人、やりたい人がやればいいことで、家庭での父親の第一義的な仕事はあくまで「妻を笑顔にすること」。母親が安心して育児に取り組めるように支えてあげるということ。

    また、母親は子どもを守りたい一心から「除菌主義」になってしまう。危ないから、そんなことをしてはいけない、お母さんが先生に言ってあげる等、「毒」や「害」から過剰に守ろうと必死になったなしまう。特に男の子にとって、少しくらい危険な目にあっても自分でなんとかすることで、男として成長する過程をつくってあげられるのは父親の役目で、「お父さんは心配じゃないの?」と言われても、「それは違うよ、男ってそんなものだから。」と母親がいないと何もできない、自立できない子どもから、引きずり出してあげないといけない。

    勉強を教えるうえでも父親のほうが向いていることが多い。それは、間違いを発見して、なぜ間違えたのか論理的思考で解決策を見つけることが、社会でやってきた仕事と似ているから。将棋や囲碁等のボードゲームやトランプで、子どもの論理的思考や戦略を練る思考を育てることも父親のほうが向いている。

    読んでいるうちに、子どものころの自分や、父親となった今の自分と重ね合わせていた。子どものころは、父親が家にいる時間はほとんどなかったように思うけど、夫婦喧嘩は見たことないし、母親が父親の悪口や愚痴を言っているのも聞いたことがない。子どもの自分から見えるのは、笑顔の母親とそれをサポートして任せる父親の姿だったことを思い出した。今はと言えば、サポートとは縁遠いほど、主軸としてかなり子育てに絡みまくっている。もっと子育てをお母さん主体にして、妻の笑顔を増やすということを一番の目的として、子育てをサポートできれば、これまでよりさらに良い夫婦関係、効果的な子育てができるのかもしれないと思えた。「子育て」に正解はないし、家庭によって様々な関係もあるだろうけど、お母さんの笑顔が子どもにとって安心につながるという点は、揺るがない事実だろう。

  • 子どもを伸ばすために父親ができるもっとも効果的なことは
    夫婦の関係をよくすること

    「妻が笑顔でいてこそ子どもは幸せ」

    育児参加したいけれどうまくいかないと悩む父親たちに贈る
    骨太のメッセージをコンパクトにまとめた一書

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著者プロフィール

高濱正伸(たかはま まさのぶ):
花まる学習会代表。1959年、熊本生まれ。東京大学農学部・同大学院修了。
学生時代から予備校等で受験生を指導する中、学力の伸び悩み・人間関係での挫折と引きこもり傾向などの諸問題が、幼児期・児童期の環境と体験に基づいていると確信。1993年、「メシが食える大人に育てる」という理念のもと、小学校低学年向けの学習教室「花まる学習会」を設立(現在は年中〜中学生)。2015年より、佐賀県武雄市で官民一体型学校を開始。著書多数。

「2022年 『マンガとクイズでまるごと覚える!47都道府県地理カード』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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