ジュリーの世界 (ポプラ文庫 ま 11-1)

著者 :
  • ポプラ社
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本棚登録 : 87
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (383ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784591178935

作品紹介・あらすじ

かつて京都に「河原町のジュリー」と呼ばれる有名なホームレスがいた。無数の視線に晒されても悠然と目抜き通りの真ん中を歩き、商店街の一等地で眠る男。彼はいったい何者なのか? 新人警察官・木戸は街の人たちが噂するこの男にしだいに心惹かれていく――。実在した伝説のホームレスをモデルに、遷りゆく時代の影と人間の運命を描いた傑作長編。第10回京都本大賞受賞作。巻末に著者の特別エッセイ「一九七九年という時代」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 作者である増山さんと、とあるカフェで知り合って初めて読ませて頂いた作品。目を背けたくなる描写もあるがとても面白かった。

  • 77年から81年まで京都で学生時代を過ごしました。ジュリーのこと、当時の河原町周辺の様子を懐かしく思い返しました。
    増山さんのお話はいつも温かく、悪い人が誰もおらず、読んでいてホッとなります。

  • 実在した人物をモデルに物語がなってて、時代背景とかその時の街の様子とか想像しながら楽しめた。ジュリーはどんな思いで京都に来て日々を過ごしていたのか。誰にもわからない。けれど確かにジュリーは京都の街を歩いていた。

  • 作品全体としては強く印象に残る、といった類いの本ではないが、自分が生まれた頃の京都はこういう空気だったんだな、と追体験する意味では読めて良かった本であった。

    あとがきで著者は「ヒポクラテスたち」にエキストラとして参加した、との事。そのエピソードを元にした作品を読んでみたいと思う。

    因みに、
    ① みんなわざわざ「河原町のジュリー」と「河原町」を入れて言っていたのだろうか?自分だったら樹木希林よろしく「ジュリ~~」だけで済ますのだが。本家本元が許しが出ないだけかも。
    ② サザンのデビュー直後についても割いてえかかれている。そうなんだよな、デビュー後何年間はツアーに次ぐツアーだったんだよな、と。旅姿六人衆である。

    紀伊国屋書店阪急グランドビル店にて購入。

  • f.2023/10/8
    p.2023/9/14

  • 河原町のジュリー、勿論知ってます。
    彼を見かけるたび「あぁ、この人はどんな人生を歩んできはったんやろなぁ」と思っていた事を思い出しました。とても哀しい道やったんやろか。

    彼の訃報は誰か聞いたのだったか。
    「河原町のジュリー、亡くならはったんやて」
    「死んだ」ではなく「亡くならはった」という敬語が、彼に対する人々の想いを現しているように思えてならない。

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著者プロフィール

1958年大阪府生まれ。同志社大学法学部卒業。2012年に「いつの日か来た道」で第19回松本清張賞最終候補となり、改題した『勇者たちへの伝言』で2013年にデビュー。同作は2016年に「第4回大阪ほんま本大賞」を受賞した。他の著書に『空の走者たち』(2014年)、『風よ僕らに海の歌を』(2017年)がある。

「2022年 『甘夏とオリオン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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