3月のライオン 8 (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社
4.45
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感想 : 379
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145189

感想・レビュー・書評

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  • 島田八段が好みですっ!!

  • ただ一度の躓きに、身勝手な終わりを宣告される世にあって、「未練」とは、その人のどこに棲み、どう作用するものなのだろう。その「未練」に繋がるのは、戻りたい場所なのか、現在の居場所なのか、辿り着きたい場所なのか。祈りや願いを抱く人間にとって、肉体は、その出力を担う部分でもある。生きることが闘いであるならば、つまりそれは、形而下に落とし込んだ想いを、死に物狂いで伝えることにほかならないのだと、今巻は語っているように思えた。

  • 新人王になった桐山零と宗谷名人の記念対局。静けさの中での対局で、零は宗谷と言葉を交わすことなく対局を通して意志疎通ができることを感じていた。▲7四歩を指した瞬間、指先がピリッとしたことを、宗谷はわかっていたのだ。
    対局後、東北新幹線で盛岡から東京に戻るが、台風2号の影響で阿武隈川で架線事故が発生し、零と宗谷は仙台駅で下車する。そこで零は、宗谷の耳が聴こえていないことに気付く。会長からの話によれば、「聴こえる」と「聴こえない」状態を行ったり来たりしているのだそうだ。
    孤高の名人宗谷の、知られざる真実だった。
    一方、棋匠戦第5局では、島田八段と柳原棋匠の熱戦が繰り広げられる。退院した二海堂と零は、大盤解説会を担当することになり、現地に同行する。
    66歳でA級の柳原は、将棋に携わりながら去って行った者たちの「想いのタスキ」を背負っていた。対局は島田八段の優勢で進むが、柳原棋匠の脅威の粘りで混戦に入る。去りゆく者たちの前に広がる焼野原で、未だに焼き尽くされずに焼かれ続ける柳原の姿は、将棋という勝負の世界に長らく立ってきた棋士の誇りに見える。
    対局の結果、柳原棋匠が勝ち、通算十期獲得により永世棋匠となる(66歳なので自動的に呼称も永世棋匠となるはずだ)。
    ちなみに、通算十期で永世位の資格を得るのは、将棋界では名誉王座のみ(王座は日本経済新聞主催のタイトル戦で、囲碁と同名タイトルということもあり、囲碁と同じ条件となっている)。他のタイトルは通算五期(棋王のみ連続五期)で永世称号を名乗ることができる。
    奇しくも、12月18日に米長邦雄永世棋聖が亡くなられた。少し柳原棋匠と重なる部分もあり、とりわけ心に来るものがあった。米長永世棋聖のご冥福をお祈りしたい。

  • 宗谷名人との記念対局&台風のハプニング。
    二階堂復活よかったなぁ。
    商店街のお祭りにほんわか。

    と、いろんなエピがあったけれど、この巻はやっぱり棋匠戦。

    島田さんが一番好きなキャラなので、早くタイトルを獲ってほしいと思っているのだけど・・・気付いたら柳原棋匠を応援してしまってた。
    柳原棋匠、カッコいい。
    会長と遊んでるだけのじじぃではなかったのだな(そりゃそうか)。

    ライオンでは毎回どこかで泣かされてしまうのだけど今回も
    ―わからんが これは 俺が絶対に 手放しちゃいけねぇもんだ!!
    のところで泣いた。

    毎回どこかで大笑いもするのだけれど。
    今回はもちろん、ポスターのくだり!


    個人的な覚書:初めてオマケのペーパーGet☆毎回発売日に購入してるのに、なぜだか縁がなかったので嬉しい!

  • 宗谷名人も、二海堂くんも、島田さんも朔ちゃんも。
    すごいなぁ、かっこいいなぁ。しびれるなぁ。
    桐山くんがすこしずつ心を開いて世界を広げて周りの人を受け止めて成長してく様が
    苦しいけどなんてゆーかすごく清々しくてたまんない。

    いや~この漫画おもしろい。
    猫とめがねが好きならそれだけではまる(笑)
    旦那と二人で絶賛でしたよ。

  • 精神世界の描写が秀逸だなぁと思う。荒廃した黒の背景に、白の包帯のようなタスキと着物姿の老人が絵になるなぁ。
    年を重ねても、あがいて突き進むおじいさんが格好よく見えた。

  • 羽海野さんの絵を見るたびに、骨格がしっかりとした絵だなあという印象があって。かわいい絵柄だけど、ペンのタッチと絵柄から、綺麗ですましただけの表情だけでなく幅広く、人間臭い表現のできる絵。まずはそこがとても好き。それから、言葉での表現方法。焼野原の例えが今回一等好きでした。

    この漫画の中には、色んな立場や価値観が成り立っていて、悪役が誰もいない。それは、この巻ではないけどいじめをしていた女生徒の描写でさえそう。
    弱いも強いも関係ない、とにかく人間を肯定している漫画という印象。

  • 全てを受け止め、戦い続ける。

    今までは挑戦者側の葛藤が描かれることが多かったが
    今回はそれを受け止める側の苦悩が描かれている。

    まず宗谷名人の謎多き行動の理由が明かされる。

    そして柳原さんと島田さんの鬼気迫る対決の場面では
    「将棋の知識があればもっと物語に入り込めたのに!」と
    自分の知識不足が悔しくなりました。

    内容を読んで表紙を見ると胸がきゅっと切なくなります。

    相変わらずごはんがおいしそうで
    半熟たまごや白玉シロップは自分でも作ってみたくなる。
    ひなちゃんの「こういうのが好き」のセリフにうるっと来ちゃいました。

    何歳でも、男でも、女でも、戦い続ける人はかっこいい1冊。

  • 宗谷名人の横顔が羽生さんにそっくりだ。
    そして先日亡くなった米長さんがモデルであろう将棋連盟の会長が漫画の中でとても元気そうで切なくなった。
    棋匠戦第5局凄かったですね。名局賞モノです。

  • 宗谷名人の存在が急に大きくなった。
    そして柳原棋匠と島田さんカッコイイ。

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著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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