3月のライオン 10 (ヤングアニマルコミックス)

著者 :
  • 白泉社
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感想 : 287
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (180ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592145202

感想・レビュー・書評

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  • ひなたが零の居る高校に入学してきたことで零の高校生活も賑やかになるかと思いきや……。そこは流石に変わらないのか…
    でも、変わらない日常だけどその変わらない一人の日々に苦しさを覚えていない様子の零は逆に穏やかな表情で学校を生きている
    「逃げなかった記憶が欲しい」との想いから始まった高校生活はまさかの「ま、もういっか」という曖昧なものに着地する
    でも、そこにあるのはきっと自分を許すとか受け入れるといった感情であり、曖昧であっても自分の気持ちの収まりどころを見つけられたからこそ、今の高校生活の在り方にも納得を得られたのだろうな

    だから今の零なら飛び出すように逃げ出した幸田家にも再び戻ることが出来る。穏やかな表情でお茶を飲むことが出来る
    でも、幸田母の方はまだ将棋に人生を預けた零の在り方を上手く受け入れられないままなのかな?
    それでも幸田父と零のリンクする部分を見つけられたように、夢の中で他の子供と零のリンクする部分を見つけられたならその内、家族として向き合える日が来るのかな?

    そうして零の成長の証を描いた後に102話から始まるのは川本家の問題……
    いやぁ、あの父は酷いね。かなり強い毒を持っている
    香子も毒を持った人物だったけど、その毒は零や幸田父に向けられており相手に振り向いて欲しいとの気持ちも混ざっていた
    けれど、この川本父の毒は生易しい毒ではない。腐った毒だ。一緒の空間に居るだけで心まで汚染されていくような…

    そんな人物にひなたとモモだけで向き合うなんてさせてしまってはいけなくて。ひなたの纏う空気、あかりからのSOSを正しく受信した零の対応は素晴らしいもの
    まるでいじめ問題の際に自分が思ったようにひなたを助けられなかった悔いの気持ちを此処で発散するが如く機敏に動く零の姿は頼もしい……って、とんでもないこと言い出したよ、この人は!
    SNSでプライバシーを大量に集めたと思ったら、確定申告見せて自分は養える側だと示すに留まらず、とんでもない爆弾発言を放ったね!
    零の仕返しが始まった途端に毒に汚染されていた空間があっという間にいつもの川本家に戻ってしまったような気がするよ!?

    川本父が登場した時はあまりに根深い問題に外野の零に出来ることなんて無いだろうと悲観していたけど、一気に光明が指したように思えた
    これも零の精神が色々と成長したからこそ出来ること…なんだろうか(笑)

  • B2に上がった零とぶつかるのは、20年かけてそこまでたどり着いた入江。勝率は6割。ゆっくりだがずっと強い男。
    「目の前に『時間』そのものが服を着て座ってるみたいだ」
    入江が歩んできた時間を視覚化してわかりやすく、そして詩的に伝えてる言葉で好き。様々な年代がいる棋士を描くと、時間が立体的に感じられてとても面白い。
    大海原へ何度でも飛び込んで、どこまでも泳いでいく棋士たちのすごさ。
    対局後の冷やしあめにウイスキーは飲んでみたいな。

    そして、前巻に引き続き『家族』が大きなテーマになっている。
    幸田家で妻の視点から描かれた零の姿。実子と内弟子を比較し、願望の中でいまだに苦しんでいる姿が切ない。時間が止まったままの幸田家もいつか救われて欲しい。

    「一寸先は闇」その逆「3分先は光」もまた充分起こりうることを知った零。しかし、訪れたのは闇だった。
    『他人の気持ちを考える人間』たちが集まる家に来たのは『何も考えていない人間』の父親・誠二郎。
    「好きな女の一大事に『空気読んでて何も出来ませんでした』じゃ 男に生まれた意味がねーだろ!」
    零の覚悟とあの宣言にはビックリしたけど応援したい。
    家族という言葉の光も闇も映し出された一冊だった。

  • 「進展の10巻」という煽り文句を見て一体どんな内容が展開されるのだろうと楽しみに読んだのだけど、多分これのことだったんだろうなーという部分が近い将来そうなって行くんだろうなーという予想の範疇だったのでちと期待ハズレ。でも大きな決断と勇気の必要な行動だったのは間違いないし、これはこれで必要だったんだろうなと振り返ってみると合点がいくというか何というか。

  • 面白く読んでいるのだけど、いまいち何を描きたいのかよくわからない漫画だなぁとは思っていました。 将棋なのか、『イジメ、だめ絶対‼︎』なのか、和菓子がすごく美味しそう、なのか…。
    でも、10巻ではっきりした気がする。これは、天涯孤独でコミュ障の少年が新たな家族を手に入れる物語だ。心地よい居場所を見つける話だったのだ。
    大切な人たちとその穏やかな生活を守るため、闘え!少年‼︎

  • 掌編的なエピソードが多い10巻。それでも、要所に主人公の零君の成長エピが挟まれていたりととても読み応えがある。最後の展開には驚かされましたが、これも含めての「前進」なのかしら??※10巻帯は「前進の10巻」
    余談ですが、毎回の帯のアオリも結構楽しみだったりします。

  • とりあえずひとこと言いたい。
    零くんが熱いんですけど!
    最高なんですけど!!
    き、きりやまーー!!悶

    「川本家に招かれざる来訪者」って裏書きみて、ひなちゃんたちのお父さんかなーって思ったらやはりお父さんだった。しかも予想斜め上を行くろくでもない人ぶり。
    あかりさんの気持ちを思うとやりきれない。ウミノさん、かわいい画で割とダークでヘビーな内容を描かれる。

  • いやービックリした。桐山青年!
    これって、たくさん伏線あったの?
    おいら行間読めない仕様なので気づかなかったぢけ?
    お父ちゃんがあったもこっちも酷すぎるのは何故?

    それから羽海野先生、そろそろヤングアニマルから引っ越しておくんなさい。
    ヤングアニマル、エロ本化が進んで、もう立ち読みできません。いえ、恥ずかしいからとかではなくて、コンビニでは紐で縛られてしまって。
    よろしくご検討お願いします。

  • 零ちゃん…!!って終始、感極まり。
    色んな人が、元いた場所から少し進んだところに収まって、心地よい。ひなちゃんが笑顔で私も零ちゃんと一緒にニヤける。
    幸田家を訪ねる話は鼻がツーンとした。誰も悪くなくて、全てのタイミングが合わなかっただけだよ。「本当の家族」じゃないと、子供なのに大人になって遠慮してしまった。
    最後の零ちゃんの男前ぶりにはびっくりした。かっこよすぎんよ…

  • プロポーズ?
    なんか、吹っ切れて、救われた感じ。

  • 零くうぅうううううううううん

著者プロフィール

東京都出身の漫画家。デビュー作品、 美術大学を舞台にした青春漫画『ハチミツとクローバー』が大ヒットとなり、アニメ化・映画化された。 2007年より『3月のライオン』の連載を開始。 同作はマンガ大賞や講談社漫画賞、手塚治虫文化賞などを受賞した。

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