- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592162209
作品紹介・あらすじ
終戦からおよそ1年半――。
昭和22年3月、田丸と吉敷は「生きて日本に帰る」という約束を果たすべく、壕からの脱走に成功する。
投降――それは数多の苦難を共に乗り越え、生死を共にしてきた仲間の敵になるということ。
では仲間にとって≪正しい≫行動とは何か。
全体を危険から遠ざけるための規律か。
全員を救うための危うさをはらんだ勇気か。
指揮官として命がかかる決断を迫られる島田。
混乱の中、島に銃声が響く――。
生き残った兵士それぞれに、ゆずれない正義がある。
本当の終戦をもたらすため、想いを繋いだ若者の生還の記録。
2021年1月刊
感想・レビュー・書評
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この巻を人に読んで欲しくて、登録する。
もう1巻あるがそれは後日談であり、本来はこの巻が、この戦争の、最終巻。
ここで終わると、救われない気持ちが残る。一応good endingだが、裏に多数の無数のbad endingがある。それはリアルに有った事なのだろう。
この巻で、知りたかった事が分かる。この巻だけでは、気持ちがおさまらない。
だから、次の巻を読んで、真のgood endingになった気になる。
「平和」を実感して涙しているのだ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
田丸君の戦争が、南の島の現場で終ったのは「責任者」がラジオで「降伏」を宣言してから1年半も後のことだった。その間に、親友の吉敷君は「味方」の上官に撃たれて「戦死」した。
戦争は「国」と国」との戦いだが、そこで死ぬのは、兵士であれ戦地の住人であれ、ただの人だ。ただの人を殺すのは、必ずしも「敵」の銃ではないし、戦いの最中でもない。
穏やかで遠慮がちな絵柄で武田一義さんは、とても大切なことを気づかせてくれたと思う。
南の島から帰ってきた田丸君の「戦後」はどんなふうに始まるのだろう。生きて帰ることが田丸君に、故郷はどんなふうに見えるのだろう。
次号が楽しみだ。
こちらに感想を書きました。覗いてみてください。
https://plaza.rakuten.co.jp/simakumakun/diary/202103060000/ -
ペリリュー島が激戦地であったことと日本軍玉砕の島であったことは
知識としては知っていましたが、終戦後も戦い抜いていた人たちがいたことは
恥ずかしながらこの作品で初めて知った。
とにかく島での戦いは終わった。
次巻最終巻とか。
巻末の島民のレモケットさんの
「あなたはこの島にまた戻って来ますか?」との問い。
島田少尉との会話。
色々と考えさせられます。
”ビルマの竪琴”読み返したくなりました。 -
何度も読み返している、全ての人に読んでほしい戦争漫画。
最終巻、ではなかった。11巻がエピローグらしい。でもペリリュー島での戦いは終わった。終わってくれた。終わってしまった。戦争が終わってから、何人死んだんだ。ちゃんと、終わらせろよ。終わったんなら、末端までちゃんと、ちゃんとしてよ。なんで死んだんだよ、なんのために死なないと行けなかったんだよ。
戦中の死と違う。本来の、日本のためですらない死。憤って、涙がポロポロ出た。
----------------ネタバレ
小杉さん、死んでしまった。20代だった。若かった。飄々としていて、でも筋を通した人だった。吉敷くん、まっすぐで素敵な人だった。最後まで、仲間を撃てなかった。どこに行っちゃったんだろう。吉敷くんと多丸くんが一緒に御飯食べるところ、見たかった。見たかったよう。 -
戦争とは何なのか…
ホント考えさせられる。
やわらかい絵のタッチが、戦争の過酷さをより際立たせている。
ぜひ、読んで欲しい。 -
うあぁぁぁぁぁぁ
読後、言葉が出て来ず、慟哭。
これが、戦争か。
復員された方々は、それこそその数だけの何かがあったんだろうと想像せざるを得ない。 -
2刷 帯
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題材が題材だけに大団円とはいかないわな。