日出処の天子 第1巻 (白泉社文庫)

著者 :
  • 白泉社 (1994年3月1日発売)
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784592880516

感想・レビュー・書評

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  • 全8巻 完結

  • 名作と名高いことだけは知っていたこの作品
    オススメされて、文庫版全7巻を借りて、一気に読破しました

    おもしろかった
    文庫7冊分のボリュームとは思えない重さ
    (現在の漫画に比べれば、1ページあたりのテキスト量が圧倒的に多い所為もありましょうが)
    どっぷり

    あとがきの対談とかで、作者さんは、聖徳太子という存在に違和感(?)みたいなのを抱いていたと仰せなのですが
    それはなんか、わかる気がする
    歴史が全く苦手な私ですが、教科書で彼が登場してきた時代って、この人以外の人物って名前だけで人物像なんて全然想像できないのに
    この人だけがなんか無駄に、人物像の輪郭がはっきりしているような...
    壱萬圓だったからとかでなく
    色々制度を決めたのもそうだけど、何人もの言葉を一度に聞いたとかの伝説もあって。
    歴史が苦手な上あんまり興味のない私にまで、そんな話が耳に届くんだもん
    その違和感がこんな形で結晶されてたとは...
    語り始めたら、止まらんな、コレ


    特筆するならやはり厩戸王子のキャラクターにつきましょう
    だって悪いんだもの
    悪くて妖艶で果てなく孤独って
    ズルイ

    これを読んで、大半の人が厩戸王子に心奪われると思うのだけど
    女子である限り、心の立ち位置は大姫またはトジコにしかなれませんもの
    自分に振り向かなくて憎くてしかたない、だけど惹かれすぎて手放せない大姫=女子読者
    だと思う
    そりゃもう、辛う御座います

    だって、自分を押しのけて唯一選ばれたのは、膳”気狂い”美郎女ですもの
    (そして、もう少し愛らしくも描けただろうに(作画的に)、とも思える相手。)
    この世界に於いて人格は求められないんだ”女”には
    布都姫は完全当て馬、的な作者自らの発言もあったし

    いつぞやの何とか大臣が、「女は子を産む機械」って失言して騒ぎになってたけど
    それを、少女漫画向けにやってのける“女性漫画家”
    残酷です
    視線が冷静すぎてすごい
    第2巻の巻末の対談も面白かったな

    女子が男性の同性愛に惹かれる深層心理
    肝心なところを何故伏せる〜〜〜〜
    お手前で考えよ、ってことなのです?

    兎に角
    完全な作品をみた
    この悲恋の延長上に今の日本があると思えば
    落涙しきり

    ああ、厩戸の
    毛人が酔って笛をぴーこら吹いた夜
    あの時が最後で最大のチャンスだったんだね
    若しくは布都姫との間を邪魔しないでやりたいようにさせとけば
    そのうち戻ってきたのかもしれないね

    だってそういうことでしょ?
    結局物理的に毛人は社会の常識の線を越えられなかったけど
    最後の逢瀬で毛人も認めてる...んだよね??

    毛人がジェダーフリーな意識の持ち主なら
    物語が成り立たないんだもんな
    一度も血迷わないところが憎らしいわい

    そして7巻にある『馬屋古女王』
    ある意味王子が望んだ仮定、若しくは可能性を体現して
    行き着く滅び
    毛人の言葉が正しかったの??

    厩戸王子が聖徳太子と成る時点で終わる「日の出」物語と
    一族が滅びることを示唆して終わる「日没」物語

    望み叶わなくして成った「日の出」と
    叶って成る「日没」

    それにしても繊細すぎる線も、綺麗でうっとりでした
    主要キャラとそれ以外の力の入れ方の差が大きいのも笑える

    どうでもいいことですが、私の王子の萌えポイントは頭の分け目です

  • 全7巻、読了。

  • 全7巻一気読みしてしまった。。。
    これは経典ですね!

  • うまやどの王子(聖徳大子)が好きで好きでたまりません。。。!山岸涼子さんの独特な世界観も好きです。

  • 登場人物が込み入っていて読みにくかったけど慣れる。

  • 説明不要の傑作。日本の宝ですね。読むとしばらく現実世界に戻れない。。。

  • 失恋したことがまだなくても、失恋した気持ちが味わえます。

  • 王子が魅力的でした・・・凄いとしか言いようがない作品の一つ

  • 完全版ということで購入
    昔はかなりドキドキしながら読んだ記憶があるけど1巻はわりと淡々と読み進んだ。カラー原稿は貴重。

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著者プロフィール

山岸凉子(やまぎし・りょうこ)
1947年北海道生まれ。69年デビュー後に上京。作品は、東西の神話、バレエ、ホラーなど幅広く、代表作に「アラベスク」「日出処の天子」「テレプシコーラ/舞姫」など。

「2021年 『楠勝平コレクション 山岸凉子と読む』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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