- Amazon.co.jp ・マンガ (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784592887096
感想・レビュー・書評
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大島弓子作品は、打ちのめされるのがわかっているのでなかなか手を出せない。
今回も表題作と「8月に生まれる子供」で頭撃ち抜かれた気持ち。
とても酷で、それでいて温かい。
痛みの余韻をいつまでも味わっていたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
まわりに流されない大島弓子ワールド変わらず。
最近の猫漫画では本来の大島弓子はたのしめない。
あれはあれでいいけれど、このロストハウスを見て、自分は自分でいいと思える瞬間を感ぜられて、それが私が大島弓子を愛する訳の一つなのだ。
バナナブレッドのプディングの衣良ちゃんから続く、この世にあいにくい子たち。
生物としてほんとに愛おしい。
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大島弓子は何を読んでも素晴らしい。
素晴らしいのだが、それを百も承知で言うとすれば、今回初めて読んだこの短編集は最高傑作(のひとつ)だと思う。
平成になってからの作品ばかりだが、とにかくどれもこれも恐ろしいほどクオリティが高い。そして、彼女らしい幻想と哲学が全開だ。
そこで描かれるのは、世界の終りと向き合う田舎の女子高生、都会から田舎へ移住した若いカップル、若年性痴呆症にかかった女子大生などなど、なにかしら欠落を抱えた、あるいは欠落に向き合おうとする人々だ。
残酷な現実とそれを乗り越えるための幻想。
そして、跳躍はいつも意図せずふいにやってくる。
欠落はなにも変わらない。
だが世界の全てが突然輝きだす瞬間。
それらの作品のあまりの説得力に、本を閉じ、そんな奇跡にひょっとしたら自分も出会えるのかもしれない、と思う。
例えば、表題作の主人公の女の子が思うように。
「わたしは/わたしの前で/世界のドアが/とつぜん/開け放たれて/いくのを/感じていた/この世界の/どこでも/どろまみれになっても/思い切りこの世界で/あそんでもいいのだ」
そう、思い切りこの世界であそんでもいいのだった。
それをたった今思い出した。 -
大島弓子の良さがやっとわかったかも。(大島弓子3冊目)
『8月に生まれる子供』良かったなぁ。
最近amazonプライムで『愛を読むひと』という映画を観て感動したけど、私も30代後半になったし女の人が歳をとっていって(あんまり希望のない人でも)優しくされる話を見たいのかなぁ…。 -
初大島弓子
大人になることの挫折や、生きづらさを
少女という無垢であり反抗的な視線から描いているなと感じた。そういう意味では絵本風でもある。
洒脱なタッチの作風であり、
気を張らなくて読むことができるが、
時折ハッとするコマや流し読みでは気が付きにくいテーマがあるので、読み応えが充分ある。
現実世界をベースにしているものや、
少しファンタジックな作品まであり、良いスパイスで飽きる事がなかった。
個人的には表題作よりも、
頭と末の短編が好きだった。 -
名作は色褪せない
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不思議な「キュン」でした!
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まんが