- Amazon.co.jp ・本 (48ページ)
- / ISBN・EAN: 9784593502554
感想・レビュー・書評
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文は19世紀イギリスの巨匠ウォルター・ペーター。ギリシャ神話に題材を得つつも、幻想的で耽美的な物語世界が描かれる。ただ、後半は難題譚や見るなの禁など、昔話の常道のうちに終息するのはやや残念だ。また、プシケーは徹底して受動的で進歩がないのだが、考えてみれば美は思索の対極にあるのかもしれない。ル・カインの絵は、あえてモノトーンに徹しているが、かえって幻想性を高めており、極めて高い効果をあげている。ビアズリーのようでもあり、また古代ギリシャやエトルリアの壺などに描かれた絵のようでもある。世紀末に見る古代の夢か。
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どうしてかと言われると困るけれど、
ガラスの仮面の北島マヤとプシケーが重なりました。 -
ギリシャ神話の話が元になっている。
キューピッドもプシケーも名前は分かるけれど、こういう話だったとは知らなかった。
ビーナスが嫉妬したり、して意外。
悲恋で終わるのかと思っていたので、最後は2人が結ばれてハッピーエンドでよかった。 -
美しい絵。
エロール・ル・カインの描いた絵本は何冊か持っていて時折眺めたりもするのだが、このような白黒の絵本は初めてだった。
白黒になると、ビアズリーのような美しくもおどろおどろしい血生臭さを感じ、この愚かな愛の物語にぴったりである。
また黒色の分量や配置が印象的に美しく、黒があるからこその灰色がなんとも不気味。
あと表紙の絵に描かれている娘はなんと15頭身もあり、吉川ひなのは自称9頭身・・ほぼ倍である。 -
絵がただ圧倒的に美しすぎて息を呑む。
ヒロインであるプシケーの性格はやや難ありですが。
(困難に立ち向かおうとせずにすぐ自殺を図ったり、同じ過ちを繰り返したり)
この「キューピッドとプシケー」のモチーフは大好きです。 -
神話ってーのはちょっと生々しくて妙に人間味あって、ストーリーだけでも十分おもしろい。絵がとてもストーリーに合っていて、文と絵のハーモニーもすっばらしー絵本じゃ。エロール・ル・カインの絵の絵本はため息がでるね〜 この本はいつもの東洋的な感じはなく、神秘的で格調高いイメージかなぁ?