さよならは言わないで 下 (扶桑社ミステリー コ 10-2)

  • 扶桑社
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  • Amazon.co.jp ・本 (406ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594015664

感想・レビュー・書評

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  • 不倫が招く最悪の人生模様とは
    ジェフェリーのあらゆる行動はあまりにも無計画で情けなく、最愛のコンスエラを最後に裏切りヴィクターとの関係を拗らせ、殺害容疑者者とさせてしまったのは非常に情けない。仕事が優先か愛情が優先か、を問われ仕事と名誉を優先した結果、優柔不断な男の行動で最愛の女性の人生を狂るわせた罪は全て男の方に原因がある。不倫が招く最悪の人生模様だ。

  • 序盤は何やら「大人のラノベ」イメージ。不倫から始まるミステリーで、主人公がとにかくだらしない。クヨクヨした衝動的な建築家で、「大事な相手を守るため」と意気込む割にその場の思いつきと思い込みに任せた、大方は結局自分がそう思いたいような結論に飛びついては事態を悪くする。落ち込んで諦めたかと思えば、自分に全幅の信頼をよせる(母親への信頼の賜物だけど)幼女に頼られて急にその気になり•••とまあとにかくしょうもない男である。が、なぜかページを繰る手が止まらない。タイムリミットが迫る中、とにかく前へ前へ真実に向けて動き続ける(はずの)展開の勢いに煽られるように先へ先へと進んでしまう。こんなに主人公を愛せない物語を止まらないほど読ませるのは、魅力的な脇役の存在(ダメダメな奴も脇役だと愛せる)とストーリーのテンポが持つ力だ。

  • いろいろ読みなれた私でも途中で苦痛になるくらいのじれったさでした。ただ、主人公は名探偵でもなんでもなく、ただの普通の中年男なので、間違ったり、騙されたり、罠にはまって自分の身すら危うくなったりしますが、名探偵者ではない普通の人の奔走だからこそなのかもしれません。
    時代は1900年代初頭、途中日本の大震災がと書いてあり、関東大震災の頃ということで、第一世界大戦も終わった頃のイギリスが舞台です。
    主人公である建築家の男がうだうだやっているせいで、無実の罪に捕らわれたヒロインの清々しさが際立ちます。
    それでも、やっとのことで結末まで読んだとき、あまりの衝撃に言葉を失いました。

  • 途中は、ほんともどかしかった。最後は、展開がめまぐるしく、一気に読めた。最後まで、いろんな感情が入り混じる話で面白かった。

  • 上下とも読了。
    とにかく読んでいていらいらする。
    昔の恋人を救うために頑張るはずなのに感情的になって失敗したり、
    だまされたり、その上自分の家庭は壊れていく。
    とにかく人生いいことなし、いいとこなしの主人公。

    いらいらしながら読んだけれど、最後はそのいらいらも報われたようなに思う。
    スーパーヒーローも名探偵も出てこないけれど、面白い本だった。

  • またもや読み始めからイライラの連続です(笑)。
    なんっかカンに障るんですよねこの主人公。
    昔裏切った愛人関係にあった女の人(この人はお定まりの「愛のない結婚」というやつをしていてお定まりの不幸っぷり)が殺人容疑で捕まって死刑囚になるんですけど、まあこの主人公はぐだぐだと過去の裏切りを後悔しているんですよ。
    で、刑務所に面会を申し込むんですけど彼女は断るんですね。
    当たり前じゃないですか?一緒に逃げる約束(それも具体的な計画も立てて)してたのに直前になって名誉欲のために捨てるんですよ。そんな人に会う気せえへんと思うのが普通だと思うんですけど、その断られた時の言い草が
    「昔自分がさせられた以上に辛い思いを私にさせるつもりなのだ」(うろ覚え)

    もうーーイラつく!!!!!!方や死刑になろうかという人にどの面下げて!!!!!!!

    しょっちゅうこんな言い草が出てくるんですよー。そんなイライラを味わい続けてやっと最後まで読めました。
    ラストはうーん……なんか消化不良……
    前に読んだ2作はまだこう、何ともしがたい時代の流れとかを感じたんですけど、今度のはスケールがちっちゃくてねえ。話のスケールも小さいけど人物も小さい。(↑のように)
    この人の話は女の人がとっても毅然としてますね。現実感のないほどに。
    ちょっと夢持ちすぎ~と思います(笑)。その反面男の人(特に主役というか語り部の人)が矮小って言うかへなちょこって言うか、ほんっとイライラさせられるんですよね。
    タイトルがどうよ、というのは控えめにしておきます(笑)…でも80年代ポップスとかに出そうなこの響きどうですか。最初見たときちょっぴりたまげましたよ私は。

  • 後半はかなり面白かったですが、ラストがちょっと許せないです。ハッピーエンドにしてほしかった・・・

  • 複雑なプロットが入り組むゴダード作品にしては異例なほどシンプルな展開だが、その分、心が揺すぶられる。

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著者プロフィール

1954年英国ハンプシャー生まれ。ケンブリッジ大学で歴史を学ぶ。公務員生活を経て、’86年のデビュー作『千尋の闇』が絶賛され、以後、作品を次々と世に問うベストセラー作家に。『隠し絵の囚人』(講談社文庫)でMWA賞ペーパーバック部門最優秀賞を受賞。他の著作に、『還らざる日々』『血の裁き』『欺きの家』(すべて講談社文庫)など。

「2017年 『宿命の地(下) 1919年三部作 3』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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