- Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
- / ISBN・EAN: 9784594060435
感想・レビュー・書評
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自分が、テレビや新聞の報道やその他番組、論評等を話半分として、事実確認のみに利用して久しいが、それは本書にある通り偏向報道が著しく、また加えて、未熟な洞察力から構成される論旨もお笑いものだからだ。
本書では産業構造に根差した頽廃構造を体系的に論じたもので大変に面白い。但し、ガセネタも数多のインターネットを信奉しすぎるきらいがあり、その行方は見守る必要があると感じている。
とはいえ最近では、官房機密費の中にマスコミへの付け届け費があったことも発覚している。ほんとゴミと言われても仕方がない。ゴミは醜いし臭いので捨てちゃった方が世のためである。
他者を報道、批判する前に自らの襟を正し、首を洗って出直してこい!政治やゴシップを繰り返し繰り返し批評・批判する前に、自らの不見識を繰り返し繰り返し批評してみろ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
大新聞やテレビといった「レガシーメディア」(※)が、恐竜のように滅びつつある現状を分析した一書。
マスコミならぬ「マスゴミ」と表記した書名からわかるように、レガシーメディアに対する著者の姿勢は一貫して批判的・攻撃的で、逆にネットに対しては視線があたたかい。この著者は「2ちゃんねる」から登場した(!)新世代の論客だそうだから、それも当然だろう。
※元は、フロッピーディスクのような「古くなって使われなくなった記録媒体(メディア)」を意味するコンピュータ用語。転じて、ネット時代の到来で役割を終えつつある新聞、地上波テレビ等のオールドメディアを指す
これは、意外な拾いもの。私は職業柄(守備範囲柄)マスコミ批判の書もかなり読んでいるが、それらの類書では見たことがないような斬新な批判の切り口が、本書には多数見られるのだ。
何が斬新かというと、著者の本職が中小企業診断士・経済評論家であることから、マスコミを「時代遅れのビジネスモデル」ととらえて分析している点。「いまのマスコミはジャーナリズムの理想からかけ離れているからケシカラン!」などという紋切り型の批判(も、少しはあるが)ではなく、“大新聞もテレビ局も、もはやビジネスモデルとしてダメダメだから、早晩滅びるよ。自業自得だね”と、突き放すように冷徹に批判していく内容なのだ。
《新聞産業にせよテレビ産業にせよ、新聞特殊指定や電波利権という利権構造に守られ、高収益を上げてきたわけだ。
様々な「参入障壁」を築き、寡占構造を維持するのは、そうすることで儲けを最大化するためである。他産業の寡占構造は鬼の顔で批判するマスメディアが、自らは規制に保護された寡占構造に甘えきっていたわけだ。ここ数年、マスメディアの経営が一気に悪化したのも、当たり前に思えてならない。》
……というふうに、レガシーメディアの旧態依然ぶりや傲岸さをさまざまな角度から叩く鋭い筆鋒が痛快。「大新聞にもテレビ局にも、もう未来がないなあ」と改めて感じさせる。
難をいえば、文章がやや生硬で、言葉遣いがときどき不自然。ふだんくだけた文章ばかり書いている人が、背伸びして「よそ行き」の書き方をしている感じ。
いっそのこと、著者にとってなじみ深い2ちゃんねる文体で書いてしまえばよかったのに。「マスゴミざまあ!www」みたいな。
それにしても、大新聞とテレビ局を叩く本書が、よくまあフジサンケイグループの扶桑社から出たものである。 -
面白かった。
まー、2ちゃんを見てる人は知ってますが、テレビや新聞しか見てない人は知らないことばかりかもしれませんね。
それこそが、まさに偏向報道ってことなんですけど。
新聞、テレビは正しい情報を流していると思っているかたは、一度読んでみてはいかがでしょうか。
オススメです。 -
新聞・テレビ・広告業界のビジネスモデル(他の業界と比較した特異なモデル)が描かれている。
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テレビや新聞に一度でも違和感を覚えたことのある人には、ぜひとも手に取って頂きたい1冊。
時代の流れや現実を直視せず、自分が妄信する絶対的価値だけに縋って生きる見苦しいゾンビのようなマスゴミの姿が赤裸々に綴られている。 -
日本のマスコミはいつまでマスゴミでいるんだろう?と憂えていたら、見つけた三橋さん。
既に経済問題やマスコミ問題等で著書が何冊もあるので、何冊か買ったうちの一つ。
ネットで問題になっても、それを知らない人はまだまだ多い。
嫌なことは見たくないが、事実は事実として知らなければ対応できない。だから現実を知るためにこういう本はもっと日本中に普及してほしい。
そんな一冊です。 -
読み終えてしばらくたつので,記憶が少しあやふやになっているかもしれないが,なかなか面白かったので,あえて思い出しつつ書いておくこととした。
テレビ,新聞それぞれの最近の報道姿勢の問題点と,その背景にある業界構造からくる問題点とについて,説明している。マスコミ業界に対する批判的なガイダンスとしてはきわめて平易でやみやすく,興味深い内容にまとめられている。
これまで朝日新聞の偏向姿勢にかかる本は数冊読んだが,これは業界自体が構造的にある種の「膿み」を持っていることを暴露している。マスコミによる報道を見る際には頭においておきたいところである。
残念ながら,マスコミ自体が自分に都合の悪い情報は流さないために,こうしたマスコミの偏向報道や不適切な業界体質を是正する方向への世論が起こりにくく,こうした問題点の解決策への方向性がなかなか見えない点が気を重くする。
筆者は,ネットが既存のマスコミのこうした体質や構造に対して,既存のメディアと異なる価値観と構造を持って対抗しうるツールであるという。点私も同感するところであるが,しかしながら,それぞれの利用者が異なることもあり,偏向した世論が修正されるのではなく,二極化するのではないかという危惧も感じるところがある。
いずれにしても軽妙な筆致で書かれた本であるが,なかなか重たい課題を提示している。