沈黙の少女 (海外文庫)

  • 扶桑社
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感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (485ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784594082437

作品紹介・あらすじ

ドイツ推理作家協会賞受賞『謝罪代行社』の鬼才が贈る衝撃の罠
冬。ベルリン。闇に消えた子どもたち。ただ一人生還した少女…

「時制」と「人称」の迷宮の果てに待ち受ける驚天動地の真相とは!

このラスト、予測不能。


雪の夜、ベルリン。13歳のルチアとその弟
が何者かに誘拐された。2週間後保護され
た彼女はそれから6年間、謎の沈黙を守り
つづけることになる――。一方、教師のミ
カはパブで4人の男たちと接触を持ち、仲
間として加わることに成功する。それはず
っと温めてきた計画の第一歩――ミカを衝
き動かすのは、父親としての妄執にも似た
狂おしい想いだけだった。予想を超える展
開の果てに待ち受ける驚愕の真相とは? 
黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる
傑作ミステリー登場!(解説・酒井貞道)


Zoran Drvenkar
ゾラン・ドヴェンカー
1967年、クロアチアに生まれる。3歳でドイツのベルリンに移住。1989年に作家デビュー。詩集や児童書など多彩なジャンルを手がけながら、2009年に発表したミステリー『謝罪代行社』でドイツ推理作家協会賞(グラウザー賞)を受賞。日本でも本作は複雑な構成と叙述的仕掛けの面白さで大きな評判を得た。その他のミステリー作品に『Du bist zu schnell』『Du』がある。

感想・レビュー・書評

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  • 誘拐後に保護されてから6年間沈黙を続ける少女「きみ」と、企みをもってあるグループに接近する「わたし」、狩りをする「彼ら」の行動が交替で語られ、事件の真相が明かにされていく。

    3つの視点から俯瞰するように静かに語られる口調こそ穏やかだが、中身は緊迫感とともに不穏な空気をはらんでいる。なぜこの作品を図書館で借りたのかは忘れたが、徐々に邪悪な狂気が満ちてきて、私には苦手な展開が予想され途中で投げ出そうかと思ったほど。

    そして終盤、「驚愕の真相」が提示されると、確かにそれまでの前提は根底から覆される。
    でも、すべてを理解したうえでも肝心な予測不能の設定そのものに現実味がないため、巻末の解説者が言うほどのおもしろさは感じられず、読み終えてからも鬱々としたイヤな気持ちはちっとも晴れなかった。

  • 2年ほど前に書評をみて、気になっていた本をようやく読んだが、後味が悪い。
    ペドフィリアがまず受け入れられない、子供の誘拐も殺人ゲームも読んでいて辛かった。

    パパの場面はたしかにショックだったけど、話題になったほど、自分には響かない本だった。
    ラジオ、というのはひっかけだったのね。
    ずっと犯人だと思っていた人たちがただの模倣犯だったというのも拍子抜け、、、。
    主人公だけが何も知らない世界。

    ペドフィリアのおじさんの一人が、自分も子供の頃に被害者だったというのは苦しい。

  • 「きみ」「わたし」「彼ら」この3つのパートを繰り返し物語が進む。冒頭の「きみ」で何が起こったの???と引き込まれる。
    「きみ」で語られる登場人物の謎が解き明かされる時、その状況に唖然とする。
    原題は「STILL」。ぴったしだ。

  • うわ 止まらん

  • 扱っている題材は気の滅入るようなものなんだけど、ストーリー展開は上手くて、最後の最後までハラハラさせられた。伏線の張り方もすごく上手い。最後……そうだったのかぁと。犯罪に巻き込まれる子供ではない題材でもっとかいてほしいと思わせられるた。

  • 実際にこんなカルト集団のような者が存在したらと想像するだけでも怖い.3つのパートで進行しながらだんだん真相に近づいていくところは格調高い文章の力もあって怖いもの見たさでワクワクするところもあったが,最後のきみであるルチアにとって希望のある幕切れとも言えるが,なんら邪悪で自分勝手な存在は失われていないのがなんとも後味の悪い読後感になった.

  •  最後まで読むと、ある部分を読む返すことになるだろう。「わたし」、「きみ」、「彼ら」の三つの人称で語られる物語は、鬱展開で胸くそが悪くなる。でも、先を読みたくなる作品。裏表紙には、「黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる」とある。そうとおり。

  • 宮崎勤を思い出される。

  • この底なしの邪悪感はなんだろ。
    誰も彼もに、いろんなものが欠けてるよ。

    このラストは、救いがあると言っていいのかな。
    ちょっと読了した人と小一時間くらいビール飲みながら話したい気分。

  • 両親が留守の雪の夜、何者かに誘拐されたルチアと弟。2週間後雪の夜道で保護されたルチアは沈黙を続ける。
    同じように娘を誘拐されたミカは、謎の男たちに近づいていく。誘拐犯たちは子どもたちをどうしたのか?

    ミカの立場からかかれる「わたし」の章と、ルチアを描く「きみ」の章、男たちを描く「彼ら」の章が交互にストーリーを進めていく。徐々に明かされる真相に驚く。そして、とにかく怖い。
    いろいろな意味で衝撃のはしる小説だった。疲れた。

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