ざわめく傷痕 (ハーパーBOOKS)

  • ハーパーコリンズ・ ジャパン
3.55
  • (5)
  • (13)
  • (21)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 104
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (584ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784596541475

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 読みやすい文章だが、内容が猟奇的で「そこはさらっと」でなくかさぶたを剥くようにねちねちと陰湿に表現してきて、物語の内容というよりも、そのやり口が精神的に疲れた作品だった。
    十代の体の成長が著しいアングロサクソン系の人種は、心の成長が伴わないうちに体つきが大人になってしまい、その時期(幼くかわいらしい)が短い分、神聖化されていて、アジア人なんかよりは闇が泥濘化しているように思う。

  • 前作の記憶がなくて、トラウマが判らないのは、我ながら困ったもの。人物に寄り添えないのだが、読ませるのは確か。

  • シリーズ2作目だけあって、だいぶ個々の人物に深みが増してきた感じがして、その点は良かったです。一方で、ストーリー的には、悪人どものいやらしさにけっこうムカつく展開。そして最後までその心理は理解不能ですし、イヤになります。そして最後まで読んでも決してスッキリしない作品でした。もう少し救いのある終わり方が良かったです。

  • 虐待と性暴力に、正面から向き合った作品だと思いました。
    また与えられた痛みから回復するには、自分自身で癒すほかないという事実がとても辛かったです。

  • 猟奇的な残忍さ、子どもがからむ犯罪の凄惨さ、恐ろしさ、気味悪さはシリーズ最悪かもって気もして、読んでいて具合悪くなりそうなくらいだった。しかもすっきりした解決にもならずに後味も悪かったんだけど、読み終わったとたん次の巻を読みたいと思うのは、海外のシリーズドラマを見るような感じだからかも。ひとつの事件は終わっても、レギュラー登場人物がこのあとどうなるのかどうするのか知りたい。こんなひどい事件を経て、そのあとどうやって日々を過ごすのかを知りたいというような。まあ小説なので、次の巻ではまた普通に別の事件に取り組むんだとわかってはいるけれど。
    シリーズの主人公はサラだけど、レナの存在感がすごかった。レナ、ほんとにこのあと、次の巻ではどうなっているんだろう…。
    このシリーズ、事件がどう解決されるかとか謎解きを読むんじゃなくて、その事件に対処する人々がなにをどう感じるかってことを読むほうが大きくて、そこがわたしは好きなんだと思う。

  • 読んでくうちに前作思い出してった。
    次作はまた、ドッティかな?早く捕まえてほしいです。

  • スケートリンク前でマークに銃をむける少女ジェニー(サラの患者)のシーンからはじまる。あー、レナを好きになれない。この巻ではサラもジェフリーもいまいちピンとこなかった。やっぱりウィルトレントを呼んできて欲しい。それにしてもカリンスローターの翻訳は誤植が多くて落ち着かない。そういえばジェニーはなんで射撃がうまかったんだろう。見逃したかな。終わり方もモヤモヤ…。でも読めてよかったです。

  • グラント郡シリーズ第二作。一作目に劣らず衝撃的な事件で幕が開かれ、サラ、ジェフリー、レナ3人の主役の精神が傷んでいくのも無理からぬ展開の中さらなる凄惨な真相が次第に明らかになってくる。

  • 残酷な人はどこまでもそうなれるのか?

  • カリン・スローターのデビュー2作目。
    2001年のデビュー作はほどなく翻訳されたのですが、このシリーズはその後なぜかすっ飛ばされ、ウィル・トレントのシリーズはじめ他の作品が何作も翻訳されていました。
    人気が確実になったので、こちらも発行することになったのなら嬉しい。

    医師サラ・リントンが主人公のグラント郡シリーズで、6作あるのです。
    サラは診療所で働く小児科医で、郡の検死官も兼ねている。
    優秀な女性で長身の赤毛、かなりの美人ですが、まじめさが勝ってそれほど目立たない、というか自分では目立たないと思っている。
    警察署長のジェフリー・トリヴァーと結婚したが1作目では離婚していて、2作目では復縁しかかってます。
    ジェフリーは、勉強もスポーツも出来て、顔も体格もいい学園のヒーロータイプ。2作目では意外と育ちには恵まれていなかったことが明かされます。
    などと書いていると、けっこう平和にも思えそうだけど‥

    カリン・スローターの名前には前から気づいていたけど、読み始めたのは最近のこと。
    残酷な事件の凄惨な描写に定評があるから(笑)
    ミステリに慣れていない人にはお勧めできません…が、ただの残酷趣味とかセンセーショナリズムで描かれているわけじゃないですよ。
    実際にこれほどの事件も起きていないとは言えない現実があり、そういう被害者(主に女性)の苦しみがどれほどのものかということや、極限で発揮される勇気や真実に迫りたい意図もある印象です。

    サラとジェフリーがデートしていた日、ジェニーという少女が少年を銃で狙う事件が起きます。
    説得に応じないため、やむなくジェフリーが銃を向けることに。
    ジェニーはサラの患者の一人だったので、サラは衝撃を受けます。しかも、ジェニーの遺体には思いもよらない傷痕が‥!
    当初想像されたのとは違う方向へ、事件は複雑化していきます。

    ジェフリーの部下のレナ・アダムズも重要な登場人物。
    1作目の事件で過酷な体験をしたレナはまだ不安定。この時点では、傍迷惑な乱れっぷりでも、まったく責められない。よく頑張りぬいたという状況なのだが‥
    シリーズ通して癖が強いトラブルメーカーなため、今一つ同情できないものがあったりして。
    しかし、水と油なサラとレナの葛藤は、リアリティがあります。
    サラは優しい女性で、すでに2回事件で被害に遭っているけど、まだまだ若く感情的、回復力はありますね。
    ずっと後まで描かれている他の作品を読んでいるので、ミッシング・リンクが繋がることに期待!しています。

全16件中 1 - 10件を表示

カリン・スローターの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×