- Amazon.co.jp ・本 (632ページ)
- / ISBN・EAN: 9784596550767
感想・レビュー・書評
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捜査官ウィル・トレントシリーズ5作目
ウィルの相棒フェイス
その母親イヴリンは、ウィルによって汚職事件を暴かれた麻薬捜査チームのリーダーだった。汚職に関わったかどうかの真相はわからぬまま退職
その件もあり、3作目でウィルとコンビを組んだときはギクシャクしていたフェイスだが、ウィルの人柄を知り憎むのをやめて姉と弟のような関係性てバディとして仕上がってきている。
今回、イヴリンの家が襲撃を受ける
フェイスは現場にいた犯人を射殺するもイヴリンは誘拐されてしまう。
ウィルと上司でありイヴリンの「戦友」であるアマンダが捜査に乗り出す。フェイスは命令を無視してしまったこともあり自宅待機で身動きが取れずいつもよりイライラが五割増
事件を捜査する「警察モノ」は、奇抜なトリックが無い限りは、まぁパターンがあって、言ってしまうと別の作家の作品を読んでいるとかぶることも多い。
登場人物達の苦労や悲しみを感じてもそういうことがたまにある。
事件が起きて、それを解決する。は同じであれど作家によってそこから特色が出てくる。職種や操作方法、主人公の抱える過去の傷や事件(または両方)
や人間ドラマの濃さで差が出てくる。
カリン・スローターさんはどうかというと…
ウィル・トレントシリーズは、3作目でグラント郡シリーズで夫を失ったサラと合流する。
作者がどのような理由でウィルのシリーズを始めたのかがわからないのでなんとも言えないが、3作目からやや「人間ドラマ」の重点が置かれてきている。
そして、ラブロマンスの面も強い。
ウィル×アンジー×サラ…いよいよ別の闘いが始まってしまった。
このタイトルで、ロマンスがあるとは誰も思わないと思う…ロマンス好きは別の作品に行くだろうし、捜査ミステリーモノ好きにはロマンス要素が邪魔になるかも…という妙なバランス
だが、凶悪犯とそれをさらに凌ぐ強い女性達を楽しみたい人にはオススメです。
本筋のミステリー、サスペンス要素も前作よりは濃くなり、楽しめました。
今回も上司アマンダとウィルの情報交換は、組み手でもしているかのようなやり合いでした。(味方同士なのに)
前作はサラの過去の事件に一旦ケリがついて、今回はフェイス、そして次回は主人公ウィルの過去についてらしい。
次作にも期待詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
ウィル・トレント・シリーズ5作目。
アメリカはジョージア州の捜査官です。
元刑事のイヴリンが誘拐された。
ウィルの相棒フェイスの母親で、フェイスは現場にいて犯人と応戦したのだが。
ウィルは以前の事件との関連を疑う‥
警察内で汚職事件があり、イブリンの部下をウィルが逮捕。イブリンも疑われたが証明されないまま、退職したのだった。
フェイスはその件でウィルと最初は気まずかったのだが、今はバディとしてうまくやっていこうとしています。
フェイスは本来、普通に仕事が出来て有能な捜査官のようです。が、なぜか男の好みに難があり、未婚の母。しかも、二度目だったりする混乱が。
体調が良くないのも描写に影響して、妙な不安感が増してます。
ウィルの上司の怖い女アマンダにとって、イブリンは昔なじみの同僚だったから、いつにもましてビシバシ指令が飛ぶことになる。
アマンダは警察で出世するにはこれぐらいにならなくちゃいけないのか!っていう迫力ある女性。
ウィルにはなぜか母親のような、優しく温かいのじゃなくて谷に突き落とすような母親めいたところがあるという?(この意味は後の作品に出てきますよ)
たくましい3人の女性に加え、ウィルの奔放な妻アンジーの姿も。
とっくに家を出てほぼ行方不明だったが、ウィルを完全に手放すのは惜しい?
だが遂にそのあたりも決着つきそうな‥
サラ・リントンが感じがよくてウィルとお似合いなので、まあゆっくり進むのもらしいですけど、いい加減にしてほしいですよね(笑)
てんこ盛りの濃い人間関係に目を奪われ、事件の展開にアッと驚かされます。
ちょっと怖いが、描写の濃さと鋭さが癖になるカリン・スローター☆ -
図書館の本 読了
内容(「BOOK」データベースより)
血の海と切断された薬指を残し、元刑事の女性が自宅から連れ去られた。駆けつけた捜査官ウィルはすぐにある事件に思い当たる。4年前、彼女の率いる麻薬捜査課の部下たちが汚職にまみれて刑務所送りになった。彼女だけは無罪放免となったが、ウィルは証拠が握り潰されたことを疑っていた。事件を洗い直すためウィルは服役中の元部下を訪ねる。ところが面会の直後、彼が獄中で殺害され―。
ウィル・トレントシリーズも5作目。いつものことだけれども今回は特にアマンダのウィルにたいする横暴ぶりが目につく。彼女の親友でもあるイブリンの命がかかってるから仕方ないと思え?っていう感じがどうも鼻につく本作。
フェイスの糖尿病が悪化している気配もあって心配したけれど、そんなことは些細なことに感じてしまうクライマックス。現代は『Fallen』なので邦訳が上手いと思う。
シリーズがすすむにつれてウィルの魅力が増してくる。サラとほんとうに上手くいって欲しい。こんなに主人公の幸せを願いつつ読む本もめずらしい。次作でも幸せでいてほしいし、フェイスはエマの父親と対峙しなければいけないだろうし、次すぐ読みたいと思います。
Fallen by Karin Slaughter -
文字通りの一気読み。事件の真実も暴力描写もますます苦く激しく苦しく、もうわたしの読める限界を超えそうです。何回も、もう無理…と思いましたが、読んでしまうのは登場人物があまりに魅力的だからです。
この先、ウイルの成長過程での真実が明かされていくらしいのですが、はたして耐えられるでしょうか?
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カリン・スローター『血のペナルティ』ハーパーBOOKS。
シリーズ第5弾。好みのストーリーではないのだが、毎回タイトルに惹かれて読み続けている。好みではないのは警察ミステリー・サスペンスの中に、女流作家ならではの色恋沙汰が描かれるせいだろう。つまりは、ミステリー・サスペンスの部分は面白いということなのだ。
元刑事の女性が切断された薬指を残し、何者かに自宅から連れ去られる。駆けつけた捜査官のウィルは…元刑事の女性の過去に何があったのか…
解説は北上次郎。 -
最初の章からグイグイ惹きつけられる緊迫感。そして今作はアマンダの出番が、かなり多め。ウィルがアマンダと組んで行動する場面が多くというかほとんどで、アマンダの下に敷かれているのが印象的で、被害者のイブリンを含め、強い女性が印象的な本作でした。サスペンス色が強めで、分厚い本の割には、最後まで飽きずに読むことができました。ただ、ギャングたちの名前がいっぱい登場し、誰が誰だかわからなくなりましたが。
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前作とは異なり残酷な描写の特徴が復活した本作は、心の痛みも相まって痛みが増幅された気がしました。
また母親は、子どもを守るためならいくらでも強くなれる生き物なのだと思いました。