いのちの米 堂島物語

著者 :
  • 毎日新聞社
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107288

作品紹介・あらすじ

「九州で竹の花が咲いた?」念願の米仲買人となった能登屋吉左衛門は奇妙な噂を耳にし、西国へ飛ぶ。そこで目にしたものは?無敗の二十代の天才米相場師・寒河江屋宗右衛門の登場、享保の大飢饉前後の波乱含みの値動きの行き着く先は?吉左衛門の運命は。

感想・レビュー・書評

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  • 「堂島物語」の続編、続けて読んだ。主人公の吉左衛門の筋の通ったモノの考え方に憧れ、冷静な大胆さに感心し、人間臭さにクスリとする。感情をいろいろ動かされる「お得」な物語だ。
    関係ないけど、サブタイトルに「堂島物語」って付いてるけど、「堂島物語」で検索してもヒットしないから、続編見逃すところだったので、ブクログさんよろしくお願いします。

  • 2014/10 株で勝つ人はこういう人だね、どおりで損ばかりするんだ、という感想でした。

  • 堂島に店を構えいよいよ一世一代の勝負をかける。米相場と先物取引。

  • 先物取引って、こういうやつ?

  • 前作で米問屋の主にまでなった吉左衛門はさらなる飛躍を遂げる。
    享保の大飢饉による米相場の上下に手に汗を握り、頁をめくる手が止まらなかった。

  • 堂島物語、第二弾

    「吉左」改め「能登屋吉左衛門」奮闘記

    「いなむし」「稲虫」「蝗」稲を食い荒らす害虫すべての総称、後に「イナゴ」を指すようになる。小さな害虫「雲霞」

    「蝗害」の発生理由、駆除方法もわからなかった、「虫送り」の行事、

  • 前作「堂島物語」が吉佐衛門の出世物語だとすれば、こちらは身を立ててからの商いの苦労や成功が描かれている。始まった米会所での帳合米取引は、現物ではなく先物取り引きで駆け引きと判断がものをいう世界。よく考え抜き信念をもった吉佐衛門の仕事を読むのが面白い。ただこの時代、厳しい年貢があり農民が米を苦労して作っていたこと、小作人の余裕のない厳しい暮らしや不作・凶作のうえに米相場が動いていることを思うとただの成功物語として胸がすくものでもなかった。成功を収める者もいれば苦労して終わる者もいる。見合った成功もあれば、苦労が報われない者もいる。いつの時代も人の喜び苦しみがある。そんなことを思いしみじみした。

  • 「堂島物語」の続編。前作も面白かったが、今作も引けを取らない面白さだった。能登屋吉左衛門と名を改め、米仲買人として独立した主人公。着々と成果を挙げていく中、ここぞという時に一発逆転を狙い、そこで改めて米相場ビジネスの厳しさを知る。想像し難いほどの重圧に苛まれながらも、自分が立てた見通しを信じ、貫き通す吉左衛門の姿がすごく格好良い。また、金儲けにひた走ることなく、弱者の為に惜しみなく金を使う姿にも人間としての成長を感じた。実際問題、こんな良い人間はいないであろうが、理想の人間像として心に留めておきたいと思った。

  • 主人公の吉左衛門が米取引のマネーゲームでのし上がっていく話。米相場の動きを見極めていくところや、相場が騰がったり下がったり、ドキドキハラハラ感がたまらなく面白い。商人としての吉左衛門もすごく魅力的。「堂島物語」を読んでなくても十分楽しめる。

  •  「堂島物語」の続編。
     主人公吉左は、能登屋吉左衛門となり、米会所での米の帳合取引(先物取引)にも晴れて携われることになる。
     また、駆け落ちに失敗しつつも、初恋の相手、加保とも夫婦になり、故郷に錦も飾ることができた。 あるとき、米の不作という噂を確かめに、西国に出かけた吉左衛門が見たものは?
     そして、米が騰(あ)がると読んだ吉左衛門は客からの預かり金を全て引く値の米相場につぎ込むが、果たしてっ?!
     手に汗握る相場の場面を読むだけでも面白い。
     そして、最後の女房、加保とのやりとり、睦まじくもかわいらしい。

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著者プロフィール

1961年北海道生まれ。98年に『修羅の跫』で第4回歴史群像大賞を受賞しデビュー。以降、時代小説や警察小説を中心に活躍。本書はドラマ化もされた「生活安全課0係」シリーズの主人公・小早川冬彦が、警視庁本庁から日本各地へ活躍の場を広げていくシリーズ第2弾。著書に「SRO 警視庁広域捜査専任特別調査室」「スカーフェイス」「警視庁SM班」などのシリーズ他多数。

「2023年 『スカイフライヤーズ 警視庁ゼロ係 小早川冬彦Ⅱ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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