- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784620107530
感想・レビュー・書評
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「いい大学を出ていい会社に入れば一生安泰」
そんな価値観が崩壊して久しいですが、まだ信じきっている人もいるのだろうなと感じました。自分も少なからず考えている事なので。
学歴はつけておいて損はないし選択肢も増えるから、子供たちにもそれなりの……という思想こそもう通用しないのでしょうか。
考えさせられます。
由美子の口惜しさと子供・孫への執着、母の価値観を受け継いだ可奈、昔で言う三無主義の翔、存在感のない父親(名前すら印象にない)……福原家の人々は好きになれませんでしたが、珠緒とその母親の気風の良さは読んでいて心地よかったです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
それぞれに、ひどく単純な価値観で生きてる人たち。ちょっと極端に書かれてる分、「こんな人いるいる」って、リアルに思い浮かべやすい。
真剣に、一生懸命になればなるほど滑稽。それが他人事なら。こんな家族に生まれたら、こんな境遇になったら…まったくぞっとするけど。
男性も出てくるけど、女性のがキャラが濃い。女として私は、登場人物の誰の生き方ならできるかな、と考えたりした。母娘三代にわたる生き様比べが、時代感もあっておもしろい。 -
まるで自分を見ているような……と言う事はないが、なんとなく、どの登場人物にも少なからず共感する部分があった。
体裁ばかり気にせず、ガッツを持って生きて行きたい(笑) -
初読。
もうちょっとで突き抜けれそうなもどかしさや欲求不満は
あるのだけれど、久しぶりにやっつけでない、
林真理子にはまだ作家魂があったのだ!と思わされた作品。
沖縄出身の珠緒ちゃん、こういうタイプも書けるんじゃん!
ちょっとステレオタイプで少女漫画的だけどね。
母由美子の気持ちもね~、わかるわ~、、、
翔とかホントどーすればいいのだw
答えは出てなくて、読後感も良くなくて、エピソードがブツブツした印象で
決して好きな小説じゃないんだけど絶対嫌いじゃない小説。 -
一気に読破。裕福な暮らしをする一家と、いわゆる貧困層と言われる一家を対比的に描き物語が進んでいく。
この物語を読んでいてすごく思うのは。否が応でも、子供というのは親を見て育つ。親の常日頃の発言と思考が子供に浸透していく。そのまま何の引っかかりもなく、そして親に共感し親の言うように育てば、同じようにコピーされた子になる。逆に親の意見や考えに賛同できない場合は、どこかで爆発するか、糸がプツン、と切れてしまうようなタイミングがある。
この本の救いは、この本で言われる"下流の人"(この言い方、本当に嫌だな、、)とされる沖縄出身の高卒の女の子が、悔しさをバネに一発奮起して医師を目指し、そこに光が当たることだ。しかしその傍らで「育ちのいい自分の息子は彼女とは違う世界に住むから結婚なんて絶対にダメだ」と言う母親の姿。日本の縮図なんじゃないかとも感じる。表では格差なんてないようにみんな生きている。でも、こうやって、自分達が上だ、と思っている人は"自分より下だ"と思う人たちを蔑み、絶対に血が混ざらないようにする。、、この方の小説は、こう言う、人間の暗いところや闇の部分が露骨に出てくるからこそ、こんなふうにならないように、考えないようにしよう、と改めて感じさせられる。すごく後味が悪い。 -
南琉球島って…。
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再読。
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勧善懲悪とは言わないが、著者自身による人生訓をストーリー化した小説である。各キャラクターへの著者自身の好悪がはっきりと打ち出されているので途中でオチもだいたいよめてしまうし、その意味で後半はもう少し短くてもよかった。
著者が下流と考える生き方が、なぜ世間一般に選好されるのか、もう少し突っ込んでもいいのでは、と物足りなさも若干。 -
最近、林真理子づいているのである。
これも新聞に連載されていた。
上流社会を目指す一家と、下流に近い一家の子供たちが結婚するということから、二家族の目線での話が交互に語られる。
お互いの家のやりこめ合いで延々話が続くのかとうんざりしかけたころ、物語は急展開、うん?どうなる?
とちょっと引き込まれる。