海と月の迷路

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著者 : 大沢在昌
  • 毎日新聞社 (2013年9月19日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (568ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620107967

海と月の迷路の感想・レビュー・書評

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  • 迫力があった!
    軍艦島と言う逃げ場のない場所で起きた事件に、これまた軍艦島ならではの人間関係が絡んで面白かった。
    テーマが婦女暴行と重苦しかったが、事故ではなく事件だと感じ追跡していく様にも引き付けられる。
    最後のスリル満点の追跡劇にはぐいぐい引き込まれた。

  • 大沢在昌さんといえばハードボイルド。
    それと双璧をなすのが、青っくさい青春系ミステリ。
    オバちゃんくらいの年になると、
    正直、後者のほうは読むときにお尻のあたりがムズ痒くなったりもする。

    このお話も、どっちかと言えば青クサ系なんだけど
    昭和半ばという年代と特異な土地柄が醸し出す、
    ちょっとおどろおどろしい雰囲気のおかげか
    ヘンにもぞもぞすることもなく落ち着いて読めたわ。
    ま、逆に言えば
    血みどろアクション系場面もお色気うっふんな場面も殆どなく
    全体的に地味~な印象は否めないけども
    『大沢在昌!』を期待せず、中堅ミステリ作家作品として読む分には充分ではないかと。
    ラストの曖昧さも「リアル感」で片付けようと思えばできんこともなっしん。

    それよか個人的に気になったのは
    やたらと土地をイニシャル表記にしてるとこかなぁ。
    フィクション感を表に出したかったのかなぁ。
    私がN県N市(と思われる土地)に住んでるからか、
    「なんの為?」ってずっと思いながら読んでしまったことであるよ。
    だってできれば堂々と自慢したいじゃない。
    大沢作品の舞台になったんだよ!
    犯人が判るの、方言も絡んでなんだよ!ってさ。(笑。

  • 面白かった。島という空間的に閉じた世界の中での犯罪を、まだ新米の警察官が追いかけ、解き明かすという設定。全体的にかなりずしりとした長編になるし、舞台設定の特殊さを読者に説明する難しさがあるわけだが、そのせいで前半少しもたる気がしないでもない。が、それでも後半から最後に畳み込む展開のうまさは、さすがハードボイルド作家として人気の高い作者の力量を認めたい。

    近年、廃墟ブームというものがあり、舞台となった軍艦島も今や人気の観光スポットらしい。いちおう記号化されてはいるが、舞台はその軍艦島。ただし、登場人物はもちろん、舞台背景として重要となる住民の様子なども、まったくのフィクションであると、あとがきで作者が断っている。

    であるならば、そういう舞台設定を、おそらくは丹念な取材を重ね、構想した作者のストーリーテラーとしての力量に改めて感心する。つまり、本作品はその舞台設定自体がまず屋台骨として見事であり、クライムストーリーとしては凡庸になりがちな連続殺人事件を文句なく読み応えのある良作にしていると思う。さらにそれを、警察学校を退官する警察官に昔話として語らせる、という、一皮つつんだ設定にしたのも、作品に深みを与える効果があると思う。やはりこの人の作品は面白い。

  • 軍艦島という閉鎖環境では島全体で家族の様な一面も垣間見えるが、そこは職場であり職能による上下関係が支配している側面もある。新しく赴任した警官がある事件をキッカケに、島に波紋を起こす様な微妙な話題に触れる。島に殺人者がいる…

    【感想】
    人間関係に悩まされそうな狭い環境で生きていくには自分はどの様な対応を取るだろう。味方が一人もいない状況では自分は耐えられそうにない。あまり綺麗な話ではないので、好き嫌いが分かれそう。

  • 面白かった!
    大沢在昌ってあんまり読んだことなかったけど
    文章がきっちりしてて
    昨今のなよなよ小説に飽きた身には
    嬉しい歯ごたえだった。
    なんか時代感とか生き生きしてて、
    映画化するかな⁇

  • 私も3,4年前、軍艦島観光に行きました。軍艦島の全盛期の雰囲気が読めるだけで楽しいのに、ストーリーもしっかり面白く楽しめた。

    軍艦島が舞台のサスペンス。炭坑企業が優位に立つ島で、新しく赴任してきた警察官が、死亡時件に不振を持ち島の過去を調べ、謎に迫っていく話。

    新宿鮫の著者かだいぶ昔に読んだな。作風の変化を感じ、著者も年を重ねたのだなあと思う。もう一度新宿鮫読んでみよう。

  • 大沢在昌が 緻密に 物語を つくりあげた感じがする。
    長崎県の軍艦島を舞台に、
    新米警官 荒巻が ある少女の死に 疑惑を抱く。

    小さな島に 5000人が住み、石炭を掘る。
    管理職、鉱員、組夫。
    その人間社会の階級制があるなかで、
    新米警官は いろんな矛盾を感じ、複雑な人間関係を
    かいま見ながら、自分のナカにある疑問に 素直に向き合う。
    組夫のリーダー 金太郎 こと小宮山。
    そして、足を引きづりながら歩く 長谷川。
    その二人の サポートで、真相が 明らかになる。

    その少女は、自分で誤って 海に落ちたのか
    自殺なのか と思っていたら、
    同じような事件が 8年前にもあったことがわかる。
    共通していたのが 髪の毛と満月。

    その駐在所にいる岩本は、会社にまかせて、
    なるべく摩擦を起こさないようにしていた。
    長谷川の正体がわかり、東京の過去の事件とつながっていく。

    一体 その残酷な仕打ちをするのは、
    誰なのか?
    推理は、推理を呼びながら、犯人にたどり着く。
    ストーリー性があり面白い。

  • 20151125。採炭の島、長崎県の軍艦島を舞台にした殺人事件を題材にしたストーリー。新米巡査が手探りながら事件を究明して行く。島には色んな役割の人びとがいる。不公平感は否めない。公平に職務を全うしようとすると反発がある。ましてや同僚からも。島の平和を願い犯人を捕まえようと一部反発を受けながらも周りを巻き込み職務を全うして行く様には島民を必ず守るという信念を感じた。ラストにタヌキを追い詰めて行くところはかなり緊迫感があった。溺死ではなく捕まえて欲しかった。軍艦島ツアーに行ってみたいと思った。

  • 長崎の軍艦島が舞台。今軍艦島は、観光地になってるけど、昔は外界から閉ざされた炭坑の町だった。そこで起きた悲しいお話。誰が犯人なのか最後まで気になってしかたなかった。

  • 007/スカイフォールで風景を参考にしたり世界文化遺産になった長崎県の軍艦島をモデルにしたミステリーを大沢在昌さんが執筆されていたので読んでみました。人口5000人の閉ざされた島を舞台での殺人事件。これが7年前に起こった殺人事件、また戦時下での殺人事件に結びついていく。事件は全ては満月の夜に起き、戦利品として被害者の髪が切られていくが、それを新米の巡査が捜査していく物語。大沢さんは「新宿鮫」しか読んだことが無かったがこれは長編にも関わらず重苦しくもなくスラスラ読める

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海と月の迷路の作品紹介

海に浮かぶ「密室」殺人者はここにいる。昭和34年。満月の夜に不審な死を遂げた少女。若き警察官が追うものは殺人鬼の"幻影"か。わずかな土地に五千人がひしめく炭坑の島。少女の事故死を疑う若き警察官・荒巻の"許されざる捜査"は、しきたりや掟に支配された島に波紋を広げていく。警察の正義は守られるのか。次の満月-殺人者はふたたび動き出すのか。

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