毒になる親

  • 毎日新聞出版
3.74
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (318ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784620313153

作品紹介・あらすじ

「自分の問題を他人のせいにしてはならない」というのはもちろん正しい。しかし自分を守るすべを知らない子供だった時に大人からされたことに対して、あなたには責任はない。自分に自信をもてず、さまざまな問題や悩みに苦しむ数千人の人々を、著者は二十年以上にわたってカウンセリングしてきた。その豊富な事例から、悩める人生の大きな要因は親であると分析。傷つけられた心を癒し、新しい人生を歩き出すための具体的な方法を、あなたに伝授する。カウンセリングの現場から発想された"現実の希望"にみちた一冊。

感想・レビュー・書評

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  • この本に紹介されているほど深刻ではないけれど、家族について色々と思い当たることがあって腑に落ちた。
    なるほどと思ったのは、無理に許さなくていいということ。
    許しの大切さを説く人や宗教書、スピリチュアルは多いけど、どうも釈然としないなと思っていた。
    許しは相手が許してほしいと願った時に自然に起こるものであって、反省もしない相手には無意味ではないかと思う。
    自分の本当の気持ちをごまかしてまでイイ人を目指すと、ストレスはさらに溜まるだろう。

    でも復讐はしない。
    距離を置く。
    自分の気持ちを相手に伝えることも大切。
    どうしたらよいかが書いてあるところがなかなか良いと思う。
    これは家族間だけの問題ではなく、一般的なイジメ関係にも適用出来そう。
    加害者はエゴに生き、本当の愛情が何かということがわかっていない。
    気の毒だけど巻きこまれぬようにしなければ。
    連鎖していくのが一番恐ろしい。

  • 「毒親」の語源となった一冊らしい。
    毒になる親を持って後遺症、または現在進行形で苦しんでいる人に、自分が悪いわけではないこと、毒親を許す必要がないこと、毒親を非難し、毒親との関係を捨ててよいのだということを示したという点で、本書の意味は大きい。救われた人は相当いるんじゃないだろうか。
    著者はベテランのカウンセラーらしく、相当実用的に書かれている。日本ではカウンセリングは一般的ではないが、こういう役割は誰が担うのだろう? 心療内科?
    「抑圧された記憶の神話/エリザベス・ロフタス」を読んだ身としては、過去を振り返る過程に危険がないわけではないという点に留保しつつ。

    本来なら、精神的な外傷が残るほどの被害を受ける前に、毒親から逃げ出す算段ができればいいんだが。

    文庫本は1章分が割愛されているらしいので、単行本を読んだほうがよい。

  • 不幸にも毒になる親に育てられた子供を自由にするための本。
    毒になる親とはどういう親なのか、自分の人生を取り戻すためにはどうすることが必要なのかを実例を交えて解説しています。
    自分の素直な意見を、相手に正確に表現することの重要性を再認識いたしました。

  • 今から15年ほど前、親との関係に苦しんでいるときに読みました。いろいろなことがストンとおちて、楽になれたことを思い出します。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/24213

    【「親」をテーマに本を紹介(1/3)】
    あなたはもう親を許さなくていい。
    傷つけられた心を癒やし、
    新しい人生を歩き出すための具体的な方法とは。
    カウンセリングの現場から発想された
    現実の希望にみちた1冊。

  • 「毒親」の語源となったのがこの本だそうです。「毒親」という言葉を初めて知ったのがいつだったかは覚えてないけど、1989年には元となる言葉があったとはね…。
    たまたま近所の図書館にあったので借りてみましたが、テープでの補修の跡があったり、フレーズに線が引かれてたり、書き込みがあったりでなかなかに味わい深い(笑) しかし、最近の私にはなかなかの頁数(300頁超え)に加え、翻訳されているとはいえもとは海外の本なので果たして読めるだろうかと怯みましたが、その辺の先入観はなるべく取っ払って読んでみました。
    読んでみると、訳者あとがきにあるように「できる限りわかりやすい日本語に置き換え」ているおかげで割と読みやすかったです。ちょっと表現が回りくどいかな?と思う箇所もありましたが、基本的に一文一文は簡潔だったかなと思います。
    著者がカウンセラーなので、心理学的な単語がよく出てきます。特に印象に残ったのが「事実の否定」と「自滅的な反抗」でしょうか。私自身は、自分の親を「反面教師」としてきたけど、もしかしたらその選択の中には「自滅的な反抗」が含まれているのかも…と思いました。
    そして「許す」とは何か。個人的には九章の「毒になる親を許す必要はない」(190~197頁)は何度も読み返しました。ここを読んで、「正当化」ではないけど「やっぱりな」と納得した部分があったというか。
    「許す」ことは、「事実の否定」をすることでも、「無条件に被害者が我慢」することでも、「無条件に加害者を免除」することでもないんですよね。恐らく「加害者が被害者に対して何らかの責任を取り(極端に言えば、被害者が被害以前の状態に戻す)、被害者自身に何らかの改善が見られ、被害者自身の気持ちに何らかの折り合い」がつけば、「許す」ことになるのかな、という気がします。
    だとすると、「許す必要はない」というより「許せない」のが正解なのかなと。加害者に悪意があったかどうかは関係なく、被害を受けた「結果」が全てだし、「覆水盆に返らず」ではないけど、やってしまったことは戻らないから。
    「子供の頃に大人からされた仕打ちに対する責任は子供にはない」とする一方で、「大人になっている場合は、いつまでも大人のせいにするではなく自分で解決する努力をする」のは背筋が伸びますね。この解決する方法は主に第二部に記載されていますが、カウンセリングに関する部分は日本とアメリカの違いとか、執筆当時と現在での違いとかよく分からないので参考程度に読み進めました。まぁ毒親に限らず一般の人間関係においても応用出来そうな気もしましたが。「相手を変えようとする」のではなく、「自分を変える」というのは印象に残りました。いわゆる「自分軸で生きる」って事でしょうかね。

  • 苦しくなるから読むのをやめた

  • 紙の本で読んだ。
    筆者がカウンセラーとして働くなかで出会った事例を紹介しながら、子どもにとって毒となる親の特徴と、毒に犯された子どもの心の回復方法を記している。
    虐待とは、暴力や性行為、ネグレクトだけではなく、精神的なからめとり(否定、自尊心を削る、過干渉と支配など)も含まれる、と。
    成長発達や親子関係に詳しくないので、どこまで学術的に根拠のあることなのか不明。
    私自身、過干渉で支配的な親をもっているので、親への不信感の正体や今後の関わりを考えるには良い一冊だった。ただ、特に心の回復編を読んでいると苦しい思い出が蘇るので、メンタルを殺られる。

    【以下、メモ】
    過干渉で支配的な親は、子どもの反応や行動に対して「なぜこんなことをするのか」と否定し、こうあってほしいと暗に理想を示す。子どもが幼いうちは、思考力も精神的にも未発達な部分が多いので親の助けが必要であるが、本来子育てとは、いずれ独立した人間になれるように成長発達をうながすことであり、親が子どもへ自身を延長することではない。
    親から精神的にからめとられて育った人は、苦痛や困難への対処法として、もがき過ぎるか自身を否定する。愛されない、または承認されない自分を解決しようと、対象や人相手に過剰に反応してしまう。同じように自身の子どもへも否定的に反応してしまう。するとその子どもも精神的に親にからめとられてしまう。毒親から毒親が生まれるサイクルがある。

  • 先日図書館で借りた「母という病」に紹介されていた本。
    この本は「母という病」に比べてまともだった。
    どう対応していけばいいのかまで、状況に合わせて書かれている。
    日本は文化が違うから、たぶんそのまま使うことはできないけど、納得できるものが多かった。

    私のために、というより周りや保護者の理解のために読んだ本。

    札幌市の図書館で借りた。

  • 毒親の種類、そして対峙方法まで具体的にわかりやすく書いてある本。

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