ダチョウのパラドックス 災害リスクの心理学

著者 :
  • 丸善出版
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本棚登録 : 51
感想 : 6
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784621303306

作品紹介・あらすじ

私たちはなぜ、繰り返し災害リスクを見誤り、結果的に準備を怠り、再び災害をうけてしまうのでしょうか。どうすれば、災害リスクに対応することができるようになるのでしょうか。
本書は、私たちが判断を誤る六つの心理的バイアス ― 近視眼的思考癖・忘却癖・楽観癖・惰性癖・単純化癖・同調癖 ― と、その意思決定のプロセスへの影響を豊富な具体例とともに紹介し、これらのバイアスを見込んだ解決へのアプローチを、心理学的な観点から簡潔にまとめています。
「危険に直面すると砂の中に頭を突っ込んでしまう」「頭隠して尻隠さず」などと英語では表現されてしまう飛べないダチョウは、実は、飛べない欠点を克服して、世界で最も速い逃げ足を武器にした危機管理能力の高い動物です。私たちも、本書を武器に、心理的バイアス=欠点を克服し、次こそは災害から逃れられるように、との意味がタイトルに込められています。

感想・レビュー・書評

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  • リスクを回避させるために、心理的な傾向を最初から勘定に入れてなっじを活用。なんですが。
    ダチョウは、ほんとに砂に首突っ込むんだろうか。

  • 実例が豊富なので実例だけを読むだけでも面白い。日本の東日本大震災で昔の津波でここより下には住むなという石碑があったのに、100年後にその下に湾や住居を建てて被害にあったという話が掲載されている。
     またアメリカのいくつかのハリケーンについての様々な実例が挙げられている。9.11のタワーの倒壊でもすでにテロにあっており、10年間の間にテロが指摘されていたのにも関わらず、タワーを購入しさらに保険会社も安易な保険契約を結んだということはあまり日本のニュースでは指摘されていない。
     対策も政策もいろいろと書かれている。ただし、学生がこれを真似てリスクの調査を行なおうとすることは、大規模な自然災害が多いので難しく、プロジェクトレベルの調査であろう。

  • 災害時における認知システムは、身に覚えのあることばかり。
    おそらく知識を入れていても、次の災害時には少なからず認知システムに引っ張られた行動をしてしまうであろう。
    こういうときのための政治、政策。そのための選挙だなと改めて思う。

  • 多くの人が合理的な判断ができない理由を述べた本。
    感情、感覚に任せた選択…してるなぁ…
    読後の今動かないと、きっと何も変われない。

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著者プロフィール

1962年生まれ。同志社大学卒業。 同大学院の心理学専攻を単位取得退学後、 日本学術振興会特別研究員、静岡県立大学、帝塚山大学を経て現在、同志社大学心理学部教授。人が自然災害や科学技術のリスクとどう向き合うのかというリスク認知研究、および、リスク管理組織に対する信頼の研究を進めている。著書に『安全。でも、安心できない……』(ちくま新書)、『リスクのモノサシ』(NHKブックス)、『信頼学の教室』(講談社現代新書)などがある。

「2021年 『リスク心理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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