この道を行く人なしに (Lettres)

  • みすず書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (403ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622048022

作品紹介・あらすじ

1990年の南アフリカ。悪名高いアパルトヘイトは崩壊したが、来るべき秩序はまだ不透明。不安、希望、混乱の渦。そんな状況下では「私と娘」の関係も「私と彼」の関係も、曖昧さをはぎ取られる。さらなる自由と、真の人生の同志を求め、傷つきながら、新しい出会いに心を震わせて生きる女性、ヴェラの物語。南アのノーベル賞作家が、主著といわれる『バーガーの娘』を凌駕する感動的な作品を書いた。題は芭蕉の句から。

感想・レビュー・書評

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  • 南アと言えばアパルトヘイト、の悪名高い人種差別が制度化された国に生まれ育った著者。白人であっても人種隔離政策に反対し、黒人の権利向上と異人種の融和を支持していたことで知られるこの作家の作品を初めて読んだ。

    アパルトヘイトか廃止に追い込まれ、混乱と抗争のなか黒人の復権に歩み始めた90年代の同国を舞台に、黒人の土地奪還に尽くしてきた弁護士と彼女を巡る家族、友人、同僚たちを描いた長編小説。

    南アというまったく環境の違う、知らない国の歴史と社会が興味深いのと同時に、白人と黒人、男と女、親子と友人、様々な人物とその関係性が鮮やかに描かれ、どこの国でも変わらない人間の姿に親近感を覚える。

    人権弁護士でありながら、若き日に従軍中の夫を捨て美貌の不倫相手と再婚、子どもたちにも恵まれながら、またも不倫の恋に溺れるヒロインが生き生きとして面白く、意外なラストシーンも可笑しい。意外に読みやすい小説だった。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:933.7||G
    資料ID:50100565

  • 勿論創作とわかった上で。人物背景や生活は置いといて、どうしたって作者自身の思ってること言いたいことを表現してるようで、分身と錯覚してしまう。主人公50歳位の女性だが、普通に男性として書かれてる。子供もそれぞれ独立し別の家庭を持つ。性交、人との関わり方が周囲の例えば旦那の方が女性的だったりするのだ。アパルトヘイトはなくなっても、襲撃などで黒人が亡くなる情勢で、女性らしく生きることを強要されてこなかったのかな。生きる上での内部への押し込みが感じられず、一人の人間として世の中を見据える冷静な視線。そら恐ろしい。

  • [ 内容 ]
    1990年の南アフリカ。
    悪名高いアパルトヘイトは崩壊したが、来るべき秩序はまだ不透明。
    不安、希望、混乱の渦。
    そんな状況下では「私と娘」の関係も「私と彼」の関係も、曖昧さをはぎ取られる。
    さらなる自由と、真の人生の同志を求め、傷つきながら、新しい出会いに心を震わせて生きる女性、ヴェラの物語。
    南アのノーベル賞作家が、主著といわれる『バーガーの娘』を凌駕する感動的な作品を書いた。
    題は芭蕉の句から。

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