失敗の効用

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著者 : 外山滋比古
  • みすず書房 (2011年2月2日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622075899

失敗の効用の感想・レビュー・書評

  • 2010年の刊行の外山さんからみた社会にやあれこれおもうことの雑感エッセイ集。
    読みやすい文章で人生経験を踏まえた知見にはなるほどとうなずくこと多し。

  • 問題は長さだけではなく、努力の仕方も考えないといけない。勉家は休み怠ることをおそれ、絶え間なく仕事をしていなくてはいけないように考える。効果をあげる継続はむしろ休み休みの継続であるように思われる。線的継続ではなく点的継続が力を生む。同じところで同じ作物をつくると連作障害で、収穫は逓減する。休作をして、ほかのものを作る。人事でも同じで、休みなき連続は不毛に向かいやすい。間歌的持続が大きな力を生む。(p.19)

    “フタをしたカマドがよく燃える”と昔の人は考えた。本能のままに生きるより、それを抑圧した方が人間力は活発にはたらく。フタふぁじゃまだからといって、とり払ってしまえば、火力は落ちる。(p.55)

    猛禽類の仲間入りしようと思うからひと苦労。トリなき里ならコウモリでも飛翔を誇るっことはできる。
    交友関係でも、同類で切磋琢磨もいいけれど、異類同士でめいめいトリなき里のコウモリになる楽しみは小さくない。
    コウモリにはトリの知らない充足の喜びがある。トリでないからといって恥じることはない。誇りをもって飛べる。(p.101)

    これはと思った本は、一度読んだだけで満足してはいけない。風を入れて適当に忘れたころ、もう一度読む。ここで味が変わったら本ものではない。三度、五度と読んで、新しい発見と感銘があるーそれが“わが人生の本”となる。
    そういう本が三冊もあれば、りっぱな読書人であるとしてよい。読む本の多いことをもって貴しとしない。心を育む本を、じっくり味読する。ものを考える力をを弱める読書は有害だ。(p.123)

    だいたい、子どもは長く同じ所に置くと成長が鈍る。ときどき環境を変える必要がある。ちょうど同じ畑で同じ作物を栽培すると連作障害を起こすようなものだ。横浜の小中のように九年間も同じ学校に置くのは長過ぎる。収穫逓減の法則によって学力の伸びが悪くなるのを覚悟しなくてはならない。(pp.148-94)

  • 随筆集。
    ほぼ見開き1ページ程度で、とても読みやすい。

    教員制度や理科教育についての筆者が言及しているところがあったが、参考になることが多かった。

    他の随筆についても同じ。
    読んでいて、とても面白かった。

  • 大学教授でもあった著者の教育についての考えはなるほどと思った。教員資格を医者や弁護士、裁判官と同様に国家資格にすれば教員のレベルもアップし、それが学生のレベルアップにもつながる。

  • おそらくガッコの青空市場でもらってきた、「みすず」って冊子で紹介されてたやつ。このあとに登録してある数冊もみすず書房だからね。

  • 1.書物が厚くなく、活字も程よい大きさで、まず安心した。
    2.外山先生は本来英文学者であるにかかわらず、日本語の論理をただし、ことばの本来の姿を大切に述べておられる。感動する!!

    ☆87才の今もなお、日本の読者(皆)のために活躍されている。
    うれしい限りである。
    【熊本学園大学:P.N.けん・けん】

  • スラスラ読めるけど、説明が漠然としてるせいか説得力に欠ける。口当たりはいいので気分転換にちょうどいい。

  • 「生活のリズム」賢く休むには仕事以上の知恵がいる。
    「あいさつのこころ」ホメられてやる気をおこさぬものはない。

  • 和図書 914.6/To79
    資料ID 2010105420

  • 914.6/トヤ
    うっかり見落とされがちなところが見える「半逆説」の角度からものごとを眺めた、生きるヒントに満ちたエッセイ。
    大ベストセラー『思考の整理学』作者の最新刊。

  • おじいちゃん、ありがとう。わけもなくそう言いたくなった。

    思考は時代の制約を受ける。ゆえによく現代に生きる人は、「昔の人は…」なんて言うのをよく聞く。おれも言う(汗)そこにはどうも「おれたちの方が時代も進み、見方も洗練されてるのだ!」などという根拠の曖昧な「進歩の自負」みたいなものがある、と思っている。そんな現代を生きる我々に対して、その現代がおまえらの視点を狭めてんじゃねーのか!!っという御老体からのご指摘。脇を杖で小突かれたような印象である。

    この書評が見当違いかどうかは実際に読むのが一番である。ちなみに私自身、見当違いだと思っている。

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失敗の効用の作品紹介

「私は入学試験を三度受けて二度落ちた/人間、失敗してはじめてわかることがいくらでもある。」『忘却の力』につづく、生きるヒントに満ちた随想録。

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