失敗の効用

著者 :
  • みすず書房
3.60
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本棚登録 : 107
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622075899

作品紹介・あらすじ

「私は入学試験を三度受けて二度落ちた/人間、失敗してはじめてわかることがいくらでもある。」『忘却の力』につづく、生きるヒントに満ちた随想録。

感想・レビュー・書評

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  • ミニエッセイを集約した一冊。分量も読みやすく、内容も共感できるものが多い。一気に読むことも一つ一つじっくり読むこともできる。

  • 飄々としたお話を聴いている感じで読みました。誰でも失敗するんですよね。そこからの立ち直り方を学んだ感じです。

  • ふむ

  • 話題ごとに短くまとめられていて、わかりやすい。
    著者の表現力が自分は大好き

  • 2010年の刊行の外山さんからみた社会にやあれこれおもうことの雑感エッセイ集。
    読みやすい文章で人生経験を踏まえた知見にはなるほどとうなずくこと多し。

  • 問題は長さだけではなく、努力の仕方も考えないといけない。勉家は休み怠ることをおそれ、絶え間なく仕事をしていなくてはいけないように考える。効果をあげる継続はむしろ休み休みの継続であるように思われる。線的継続ではなく点的継続が力を生む。同じところで同じ作物をつくると連作障害で、収穫は逓減する。休作をして、ほかのものを作る。人事でも同じで、休みなき連続は不毛に向かいやすい。間歌的持続が大きな力を生む。(p.19)

    “フタをしたカマドがよく燃える”と昔の人は考えた。本能のままに生きるより、それを抑圧した方が人間力は活発にはたらく。フタふぁじゃまだからといって、とり払ってしまえば、火力は落ちる。(p.55)

    猛禽類の仲間入りしようと思うからひと苦労。トリなき里ならコウモリでも飛翔を誇るっことはできる。
    交友関係でも、同類で切磋琢磨もいいけれど、異類同士でめいめいトリなき里のコウモリになる楽しみは小さくない。
    コウモリにはトリの知らない充足の喜びがある。トリでないからといって恥じることはない。誇りをもって飛べる。(p.101)

    これはと思った本は、一度読んだだけで満足してはいけない。風を入れて適当に忘れたころ、もう一度読む。ここで味が変わったら本ものではない。三度、五度と読んで、新しい発見と感銘があるーそれが“わが人生の本”となる。
    そういう本が三冊もあれば、りっぱな読書人であるとしてよい。読む本の多いことをもって貴しとしない。心を育む本を、じっくり味読する。ものを考える力をを弱める読書は有害だ。(p.123)

    だいたい、子どもは長く同じ所に置くと成長が鈍る。ときどき環境を変える必要がある。ちょうど同じ畑で同じ作物を栽培すると連作障害を起こすようなものだ。横浜の小中のように九年間も同じ学校に置くのは長過ぎる。収穫逓減の法則によって学力の伸びが悪くなるのを覚悟しなくてはならない。(pp.148-94)

  • 随筆集。
    ほぼ見開き1ページ程度で、とても読みやすい。

    教員制度や理科教育についての筆者が言及しているところがあったが、参考になることが多かった。

    他の随筆についても同じ。
    読んでいて、とても面白かった。

  • 大学教授でもあった著者の教育についての考えはなるほどと思った。教員資格を医者や弁護士、裁判官と同様に国家資格にすれば教員のレベルもアップし、それが学生のレベルアップにもつながる。

  • おそらくガッコの青空市場でもらってきた、「みすず」って冊子で紹介されてたやつ。このあとに登録してある数冊もみすず書房だからね。

  • 1.書物が厚くなく、活字も程よい大きさで、まず安心した。
    2.外山先生は本来英文学者であるにかかわらず、日本語の論理をただし、ことばの本来の姿を大切に述べておられる。感動する!!

    ☆87才の今もなお、日本の読者(皆)のために活躍されている。
    うれしい限りである。
    【熊本学園大学:P.N.けん・けん】

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著者プロフィール

外山 滋比古(とやま・しげひこ):1923年、愛知県生まれ。英文学者、文学博士、評論家、エッセイスト。東京文理科大学卒業。「英語青年」編集長を経て、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授などを歴任。専門の英文学をはじめ、日本語、教育、意味論などに関する評論を多数執筆している。2020年7月逝去。30年以上にわたり学生、ビジネスマンなど多くの読者の支持を得る『思考の整理学』をはじめ、『忘却の整理学』『知的創造のヒント』(以上、筑摩書房)、『乱読のセレンディピティ』(扶桑社)など著作は多数。

「2024年 『新版 読みの整理学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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