最悪のシナリオ―― 巨大リスクにどこまで備えるのか

制作 : 齊藤 誠 
  • みすず書房
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622076995

作品紹介・あらすじ

壊滅的で取り返しのつかない大惨事にどう対峙すべきか。リスク認知の心理学をふまえつつ、予防原則と費用便益分析を緩やかに両立させた法学/経済学の成果。

感想・レビュー・書評

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  • ようやく読み終わった。
    各章がかなり緻密で、なんなら冗長に思えるくらいだったが。
    ただし防災(気候変動を考慮した河川整備)のみながず、大地震や原発事故のこと、ダム決壊に対するアセスメント、そして今回のCOVID-19のこと等、さまざまなバックグラウンドで考えさせられた。

    いろんな考え方があり得るよね、というのをまざまざと見せつけられて、しかも極めて客観的ですきのない主張だから、このうちの「どこかの部分・側面だけを抜き取って」論拠にするのにも便利そうに感じるくらい。
    その分、筆者の出張(どうあるべきか)はやはり明確ではなさそうなのだが。

    序章あたりでの、最悪の事象や備えることに関する「人々の思考の傾向」みたいな話も面白かったが、
    議論の本題である「予防原則と費用便益分析の、どちらが適当か」みたいな軸や、それにかかわる諸問題の検討はなかなか示唆に富んでいた。

    ※ただ終章で気候変動に対する筆者の考えが唐突にでてきたのはやはり引いてしまった。解説者の原発論もしかり。

    あとは、やはり「命の価値(値段)」に関する別稿も読んでみたくなった!

    ◆概念図風にまとめてみると・・・

    【↑積極対応寄り】
    ○予防原則
      -セーフティマージンの配慮、不可逆性も考慮
      -リスクの社会的増幅を考慮
      -(予防原則の中では控えめ) 期待値に注意する
        ※いずれにせよ利得・損失の精緻な検討必要
    ○費用便益分析:金銭価値化
        ※特に死亡・健康リスクは、支払い意思額ベースとするのがよいが、
          国別バランス(富裕国・貧困国)や、
          世代間公平(倫理)vs割引の問題、は別途要検討(ここが議論まだ不十分?)
    【↓客観化寄り】】


    ===(以下、各章からの論点まとめ)===

    ◆想起可能性、確率無視、怒り
    ○人々が極端な事象(発生確率が小さくて損害が大きいような)をどうとらえるものか、どう感じるものか。
    それには、単に期待値だけでなく「想起可能性」「確率無視」「怒り」が作用している。
    直前に(近しい人が)経験した等イメージがし易くて、感情的に恐ろしい(残酷とか痛みを伴うとか)ような、
    かつ「敵」がいる(or敵が見えやすい)&「被害者」も頭に浮かびやすい(ゆえに感情移入しやすい)ような種のリスクには、強い反応をしがち、なのだという。
    ○著者はこれを、テロと気候変動の受け入れられ方の違いの説明に用いているが、
    気候変動対策としての水防災への投資にどう生かすかとか、あるいは今のCOVID-19対策(外出抑制等)に対しても、有用そうだ。

    ◆オゾン層破壊と気候変動への各国の態度
    ○オゾン層破壊と気候変動を題材として、「各国の判断(例えば両議定書への賛否)に、如何に費用便益比的な視点が働いているか」を説く。
    その上でアメリカは、利があると思えば乗るし、アメリカが乗らないと有効にはならないのが今の世界の仕組み。
    そうなると、便益を十分見込んだ上で(←ここをしっかり計算することが重要!)、
    各国が利があると思えるような形にした条約にするのが、当面、上手いやり方だという示唆。
    ○無論、CO2排出による外部不経済のことを思えば、本来国別の損得に落とし込むべきではないし、
    それ以上に、本当は、世代間倫理を考えての道義的な考慮もなされてもいいと思うものの。。

    ◆「予防原則」の在り方論
    ○柱となる章。どう備えるか、について多くの試論をしていて興味深いし面白い。
    議論の前提として、大きなリスクがあるという科学的証明がなくても取るべきというのが予防原則。
    ただ、高費用の規制(対策)をとること自体、生命や健康に悪影響を及ぼし得ることに注意!
    情報源の信頼性(科学的かどうか)も、合意形成には作用しやすい。
    利得よりも「損失回避」の性向が強いことに注意。また、
    分配問題への影響にも影響にも注意(貧困国のほうが、規制による価格上昇に適応しにくいし、貧困につながりやすい)。
    ○予防原則の在り方として、①「期待値」で考えることを基本、②但し「壊滅的な」状況では、リスクが「社会的増幅」する。
    また③保険の発想が世の中に受け入れられていることに鑑みれば、セーフティマージンを乗せることもあり得る(限界効用の逓減も考慮)。
    一方で④「備え」自体に要する費用も考慮すべき(イラクのリスクを潰すために戦争を仕掛けることで戦死者を出すことや、
    パンデミック対策で他国との渡航を止めることの損失とか・・・!)。
    なお⑤本当に発生確率がわからずかつ事業による損害が著しく、さらに備えのための費用が甚大でない場合には、マキシミン原則に拠っても良い(かなり限定的だが)。
    ○所感・考察として・・・
    気候変動適応策としての河川整備にせよ、COVID-19対策としての渡航制限・経済文化活動自粛にせよ、上記④(コスト算出・分析)が不十分では?とか考えさせられる。
    環境リスクとかはよく、上記①(期待値)だけで論じていると思うが、やっぱ事不十分だよね・・・
    本書のほうが、人間の肌感覚にあう思考実験をベースにしていて、説得力がある。
    本当はこういう議論こそ、事業評価(の制度設計)とかにあたっては大切。また、脆弱層への影響の注視(病院とか)も本質なのかもしれないと思った。
    そういう観点踏まえて、若手研究者と勉強会がしたいな・・・

    ◆不可逆性
    ○この章は薄い内容。直観的には、ほぼすべての事業も(対策もまた)不可逆性を具備しているし、
    不可逆性を有するような損失の深刻さをしっかり評価できるように便益等に加味させておけというだけのことに感じる。
    ○ただ、環境アセスみたいなのの重要性を説く必要があるケースでは、一つの補強材料になるのかもしれないな、とは思ったが。

    ◆費用便益分析、あるいは金銭的価値について
    ○そもそも費用便益分析の妥当性や限界について。全効用を金銭化できないとかだけじゃなくて、土木計画でも習わないような根本問題が多く提示されており、面白い章。
    とはいえ、単に「予防原則」ありきでは、効用との比較考量ができないし、規制(対策)自体のコストを論じられないからなぁ。。
    ○費用に関していえば、支出額の予測の困難性、例えば技術革新(による費用減)の予測は困難だとか。
    ○便益については、
    ①死亡や健康リスクの損害回避を「支払い意思額」や「統計的生命価値」で表すにしても、貧困者/富裕者で支払い意思額は大きく変わり得る。
     ※また、意思の決定には十分な情報も必要だし、死を「宿命的」に捉えてしまう人もいそう。
    ②将来の生命や健康の「割引」の妥当性。世代間倫理に鑑み、不当な矮小化は避けるべきでは。
    ③我々は「他者」(家族等)の命にも価値を認めるものなのではないか。
    ④(同じ死であっても)事故・病気など、多様なリスクに多様な評価がありえるのではないか。
    ○その他、全般的なこととして、
    ①受益者と負担者の違いに留意すべき。費用便益分析ではこれが無視されがち。
    ②捕鯨の是非や人種差別・性差別のように、費用便益分析で判断するのでなく倫理観(良識、尊厳)による政策決定もあり得る。
    ③再分配が必要だとしても、政府等が無償で保護すべきとは限らない。結局市民が支払うことになるのだし。
     ※COVID-19対策の給付金政策にも照らして、これには大いに納得。

    ◆割引の是非と世代間公平・・・「議論することが大事」?
    ○社会的割引率(という、職務上も関心事である内容)や世代間公平・倫理といったテーマにどう向き合うか。
    ただ、肝心のこの章が「議論することが大事」とでも言うかのようなやや浮ついた結論だったのは、少し残念。
    ○加えて、「お金」の割引自体はもはや論じておらず、人命や健康を割り引くかが最大テーマであるというのは、逆に発見だった。
    つまるところ、「人命」を評価に取り入れずには議論はスタートしない(論点はそこじゃない)ぞと言われている気もするのだ。
    ○人命の割引の検討において、「事実解明的」アプローチは「資本に対する無リスク収益率」を基にしており、
    また「規範的」アプローチでは世代間倫理を基に判断するという。結局アプローチの違いとしかいえないのかもしれない。
    例えば技術革新のことを割引のことと混同してはいけない。
    ○注意すべきこととして、道徳を果たす=割引率ゼロとはいかず、仮に割引を拒否すると投資が減るので、結局将来の成長も落ち込むおそれがあると述べていること。
    この「成長」が所得以外も含む概念なのかは要検討。
    とはいえ、「世代間公平」は論じるべきひとつのテーマと言っているのは印象的で、環境倫理の本を久々に再読してみたくもなった。

  • 最悪のシナリオ――巨大リスクにどこまで備えるのか
    原題:WORST-CASE SCENARIOS
    著者:Cass R. Sunstein
    訳者:田沢恭子
    解説:齊藤誠

    四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/360頁
    定価 4,104円(本体3,800円)
    ISBN 978-4-622-07699-5 C1036
    2012年8月24日発行

    壊滅的で取り返しのつかない大惨事にどう対峙すべきか。リスク認知の心理学をふまえつつ、予防原則と費用便益分析を緩やかに両立させた法学/経済学の成果。
    本書の目標は3つ。まず、最悪のシナリオに対して人間の心理はどのように振る舞いがちなのかを分析する。特に過剰反応と完全な無視という極端に振れる心理傾向がリスクへの対処にどのように影響するのかを論じる。第2に、個人と政府は最悪のシナリオについてどうしたらより賢明に考えられるかを、予防原則を精緻化しながら検討する。第3に巨大リスクにおける費用便益分析の可能性と限界を追求する。
    大惨事のリスクを社会がどのように直視すべきかについて多様な論点を提示してくれる、法学と経済学の成果。粘り強い考察。

    〈本書は、社会が直面する最も難しい問題をあつかった優れた成果であり、このような問題には簡単な解決策が存在しないことを明らかにしている。社会的な意思決定の担い手が本書の洞察を十分に理解すれば、社会は正しく対応できるだろう〉
    ――M. H. ベイザーマン(ハーバード・ビジネススクール教授、『予測できた危機をなぜ防げなかったのか?』著者)
    https://www.msz.co.jp/book/detail/07699.html


    【目次】
    序論
      直感と分析  過剰反応と無視  最悪の事態の遍在  リスクと不確実性   幸福、お金、結果  本書の構成

    第1章 テロと気候変動
      安全か危険か  対極的な二つの事例  気候変動に対する見方と行動  テロに対する見方と行動  国民の見方と規制との関係  便益、費用、合理的選択  アメリカの費用、他国の便益  現在の費用、将来の便益  合理的な恐怖と感情的な反応  想起容易性  確率無視  憤り  文化と社会の影響 長期的な最悪の事態

    第2章 二つの議定書の話
      オゾン層破壊  CFC規制の費用と便益  気候変動  京都議定書の費用と便益  得られた教訓  原因国と被害国  カリフォルニア州の実験  成功と失敗

    第3章 大惨事
      予防原則  弱い予防原則、強い予防原則  どこでも見られる予防行動とリスク負担  予防原則の認知論的根拠 分配の問題  期待値  リスクの社会的増幅  保険としての予防措置  費用とトレードオフ 発生のタイミング 不確実性vsリスク  不確実性と予防措置  マキシミン原則、合理性、真の不確実性について  実際の決定  壊滅的な損害とマキシミン原則  大惨事に対する予防措置

    第4章 不可逆性
      オプション価値、使用価値  基本的な議論  不可逆性の遍在  不可逆生と重大性  不可逆性と埋没費用  不可逆性と比較不可能性  条件と結論  最適な先送り  不可逆性、分配、最貧困者  プリコミットメント価値  環境にかかわる差止命令  不可逆的で壊滅的

    第5章 金銭的価値
      金銭価値化への批判  的外れな予防措置?  大惨事の費用と便益  予防措置に伴う問題 費用と便益  支払い意思額への反論  権利  権利侵害  市民vs消費者  不十分な情報と限定合理性  適応的選好  リスクの多様性  困難なケース  グローバルなリスク削減と国別の評価

    第6章 将来
      さまざまな見解  選好を根拠とする  健康vs金銭、潜在的損害vs将来世代  仮想の「最終世代」  割引への反論  メトセラ、フューチャーヴィル、プレゼントヴィル  気候変動について 豊かな子孫  世代間の公平  世代間の問題に対する手荒な反応  持続的な開発について

    結論

    解説 『最悪のシナリオ』を読んで  齊藤誠
    索引/原注

  • 【由来】
    ・HGの本屋でたまたま目についた。

    【期待したもの】

    ※「それは何か」を意識する、つまり、とりあえずの速読用か、テーマに関連していて、何を掴みたいのか、などを明確にする習慣を身につける訓練。

    【要約】


    【ノート】


    【目次】

  •  人や国家はしばしば、予防措置に伴う負担やリスクをただ無視して、最悪のシナリオに対して過度の予防措置を講じる。一方で、予防措置による負担を過剰に考えて、最悪のシナリオを無視することも少なくない。大事なのは、収支の両方に目を向けることだ。(p.14)

     人は、過去に起きたことが再び起きるであろうことの最善の指針になる、としばしば思うらしい。確かにそう思うことは不合理ではない。しかしこのような考え方は、過剰な不安や軽視につながる可能性もある。近い過去には起きていないが大惨事をもたらしうるリスクに市民が直面した場合には、軽視の問題がとりわけ深刻になる。(p.64)

     持続可能な開発という概念が、現世代に対してあとの世代の利益を考えることを求めるなら、それは有益な方向を目指しており、現実的な意義もかなり大きいだろう。総括的に結論するなら、持続可能な開発という概念はある種の代替物であって、世代間の公平に必要な条件を調べる別の分析方法に代わるものと考えるべきである。世代間中立原則はあらゆる問いに答えられるわけではないが、分析を行うための適切な基盤を与えてくれるのだ。(p.285)

     最悪のシナリオとそれに対処する適切な方法を熟慮することを義務の中心にする人がいる。われわれがその人たちに権限を委ねるのは、直感や限られた経験、そして偏った知識に頼るしかない自分たちよりもずっとうまくやってくれることを期待するからだ。人間の弱さとそれに立ち向かう最善の方法を理解しないかぎり、この職務をきちんと遂行することはできない。ほとんどの人にとって、絶えず注意を払うに値する最悪のシナリオはめったにあるものではない。人生は短いのだから、楽しんだほうがよい。しかし起こりうる最悪の事態にたまには注意を払うと、人生をずっと長く楽しむことができるはずだ。(p.296)

     人間社会のあらゆる選択好意と同様に、キャットリスクのマネジメントにおいても、あるリスクを重視することが、他のリスクを無視することであってはならない。人間の認知上の歪みを鑑みると、ある“事件”を契機として社会的関心がたまたま高まったリスク因子が、人間社会にとって、費用対効果を度外視してでも最優先で対処しなければならないリスク因子だとは限らない。それぞれのリスクにどの程度に目配りするのかは、たとえ科学的な知見が不十分であっても、何らかの合理的な指針を打ち立てて、少なくとも緩やかな形では費用対効果の原則に沿って熟慮する必要がある。(p.313)

  • 軽快で痛快な読み口であるダニエル・カーネマン他の『ファスト&スロー』からの一連の流れにある行動経済学の視座から、こちらは法学と政治学に適用した、題名からして相当に重量のある真摯に取り組むべき本です。

    著者の態度としては、最悪のシナリオに対して、少なくとも手に入る限りの要素から分析して、とにかくシナリオを相対化し、その上で予防原則とのバランスを図るべきということです。

    1・2章で最悪のシナリオについて人が「過剰な反応」/「完全な無視」という真逆の反応をとるその違いから最悪のシナリオの性質を分析し、3・4章で予防原則をどのように扱うかを「大惨事」「不可逆性」という最悪のシナリオの要素との関係性で分析し、5・6章で判断する要素となる「費用/便益」「割引」がどのように扱われるべきかを分析します。通底する立場は前述の通りです。具体的な論の展開は本文をお読みください。

    この題名を見た瞬間、誰もが原発事故と津波対策を思い浮かべることでしょう。この原語で本が出版されたのは2007年です(和訳は2012年)。結語にもありますが、冷静に分析し決断するのはあくまで規制当局者であっても、一般の私たちも最悪のシナリオを自分なりに分析し相対化することで、自分なりの適切な判断や行動が起こせます。これはその端緒となるべき良本であり、お薦めします。

  • 堅実な考察。気候変動問題をリスクという枠組みでいろんな問題とくらべて考えたい人には著者の視点は役に立つ。

  • ・全てのリスクに対応することは不可能であり、リスクに対応することで新たなリスクが生まれることがある。

    ・極めて低確率の破滅的なリスクにも対応すべきか

    ・不可逆のリスク&損失にいかに対応すべきか

    ・将来世代に負担を押し付けないために、現世代が過剰に負担することが必ずしも正しいとはいえない

  • 発生確率がかなり低い最悪のシナリオを前にして、人はどのように反応するか、そしてそれに対してどのように対処するのがよいか、ということについてまとめた本。

    行動経済学の「費用便益分析」と「予防原則」という言葉をキーワードにして、発生確率がかなり低い最悪のシナリオについて、どう取り組むべきか、解決策を提示している。その際に、地球温暖化とテロ対策を具体例として挙げている。筆者はそれぞれの考えには問題はあるものの、費用対効果を考慮しつつ対策を取るべきだと論じている。

    福島の事故に由来する、原子力発電の是非の議論の際に、本書が役立つと思う。このタイミングで翻訳が出たのは良いこと。また、議論も示唆に富むものが多いため、この問題を考える時は是非読むべき本。

    注意点としては、発生確率がかなり低いとか、発生の確実性といった似たような言葉が出てくるが、全く意味が違うので、言葉の意味に注意して読み進めるべき。

  • 長いわりには、当たり前の主張が延々、かな。

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著者プロフィール

ハーバード大学ロースクール教授。専門は憲法、法哲学、行動経済学など多岐におよぶ。1954年生まれ。ハーバード大学ロースクールを修了した後、アメリカ最高裁判所やアメリカ司法省に勤務。81 年よりシカゴ大学ロースクール教授を務め、2008 年より現職。オバマ政権では行政管理予算局の情報政策及び規制政策担当官を務めた。18 年にノルウェーの文化賞、ホルベア賞を受賞。著書に『ナッジで、人を動かす──行動経済学の時代に政策はどうあるべきか』(田総恵子訳、NTT出版)ほか多数、共著に『NOISE──組織はなぜ判断を誤るのか?』(ダニエル・カーネマン、オリヴィエ・シボニー共著、村井章子訳、早川書房)ほか多数がある。

「2022年 『NUDGE 実践 行動経済学 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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