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- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784622085454
感想・レビュー・書評
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日本の読者向けの最近の論考集。
歴史の方法論に関する論考とケーススタディが中心。
歴史家は、手ごわい問いを提起することで歴史家自身を窮地に立たせるような「内なる声」を発する「悪魔の代言人」との終わることのない対話にかかわるべきである、という。
そうした対話の中で「歴史」というものの輪郭は流れ出し、形を失ってとけていく。学生の頃の自分は「歴史」ってなに?というような根源的な問いを発する余裕もなかったが、当時この本を読んだらどう思っただろうか。
ギンズブルグはもちろん歴史家だが、その前に思想家なんだろうなと思う。またその博識ぶりには驚くばかりで、たとえば「ヴァールブルグの鋏」は本職の美術史家としか思えない。よく言及するマルク・ブロックは読んだことがなかったので、さっそくぽちってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示