語りと祈り

著者 :
  • みすず書房
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感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784622095699

作品紹介・あらすじ

かつてこの世の物語の多くは、土地に息づく小さな神々の声をもって語られていた。世界を語る言葉は「風土を生きる身体」によって紡がれ、人や鳥獣虫魚草木のいのちが宿っていた。そして、人びとは近代の到来とともにそれをあっけなく忘れた。
近代の前と後の断絶。たとえば村共同体の核にあった「神」や「仏」が国家神道によって追放された歴史。あるいは折口信夫が来訪神の祝言に「この世にあらわれたはじめての文学のことば」を聴き、祈りの所作に「芸能の発生」を見た、人びとの暮らし。風土の神々と共にあった民の記憶、民の物語も忘れられていった。
この列島は太古からずっと「ひとつの日本」だったのか。声を奪われつづけた世界のなれの果ての時代に、取り戻した声を手がかりにして再生の道を拓くことはできないか。
説経、山伏祭文、貝祭文、説経祭文、瞽女唄、浄瑠璃、浪曲、パンソリ……、「語り」の声に耳澄まし、失われた声を追い、名残の声に引かれて、足尾銅山、水俣、八重山諸島、済州島をゆく。来るべき「声」の場、そして反旗を翻す詩の可能性を眼差して。

感想・レビュー・書評

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  • 2024年2月18日 パレスチナ連帯散歩 by 百年芸能祭関西実行委員会 - 読む書く歌う旅をする  by 姜信子
    https://yomukakuutau.hatenadiary.com/entry/2024/02/21/224556

    ◆民の記憶とつながる[評]松村洋(音楽評論家)
    <書評>『語りと祈り』姜信子(きょうのぶこ/カン・シンジャ) 著:東京新聞 TOKYO Web(2023年4月2日)
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/241454

    姜信子さん「語りと祈り」インタビュー 声による芸能をたどって|好書好日(2023.03.23)
    https://book.asahi.com/article/14865359

    語りと祈り | みすず書房
    https://www.msz.co.jp/book/detail/09569/

  • みっしりと重たい。でも前近代が女にとって弱者にとってどれほどしんどいものだったかも別にあって。

  • https://cool.obirin.ac.jp/opac/volume/913263

    ひなたやまにもあります

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著者プロフィール

【翻訳】姜 信子(きょう・のぶこ)
1961年、横浜生まれ。『生きとし生ける空白の物語』(港の人)、『現代説経集』(ぷねうま舎)、『はじまれ、ふたたび』(新泉社)、『語りと祈り』(みすず書房)など著書多数。共著に『忘却の野に春を想う』(白水社)など。編著に『谺雄二詩文集 死ぬふりだけでやめとけや』(みすず書房)、『金石範 評論集Ⅰ・Ⅱ』(明石書店)、『被災物 モノ語りは増殖する』(かたばみ書房)など。訳書に『あなたたちの天国』(李清俊 みすず書房)、『モンスーン』(ピョン・ヘヨン 白水社)、詩集『数学者の朝』(キム・ソヨン CUON)、監訳に『奥歯を噛みしめる』(キム・ソヨン かたばみ書房)などがある。

「2024年 『父のところに行ってきた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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