老害: 子ども世代は逃れられない

  • ミネルヴァ書房
3.62
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本棚登録 : 68
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784623060818

感想・レビュー・書評

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  • 老害・・・。
    これは、日本の問題の本質の一部である。
    政治経済・ビジネスの世界では特にそう。
    過去の栄光にしがみつき、今の変化に対応できない老年層が、いまだそれぞれ権力の中枢にいる。
    そのせいで、新陳代謝が活性化されず衰退の道をたどっている・・・。
    にもかかわらず、「年長者を敬え」という美しい日本文化の側面からタブー視され、大きく取り沙汰されることはない。

    著書では、老害が日本の将来に与える影響を取り上げ、大きくメスを入れてくれているのかと思いきや、そうではない。
    老害が主に家庭や生活に与えている問題についてのメッセージである。(後半は職場問題)
    8件の事例から、今起こっている問題を紹介している。

    仕事に明け暮れ、趣味や友達もいない状況の中で定年を迎え、それからの生活に苦しむ家庭。

    わがままな・・・。
    認められたい・・・。
    現実逃避・・・。
    権力と嫉妬・・・。

    など、生々しい現場の事例。
    将来にわたってありえなくはない諸問題に、対策を打っておく必要があるのかもしれない。

  • 「年寄りを敬え」「年寄りを大切にしろ」
    この言葉が乱舞しているように思えてならない。しかしそう思えて仕方ない、ともいえる。事実、電車やバスの中、はたまたカフェの中でもそういったことに遭遇してしまう。
    本書は著者に「グループわいふ」とあるだけあり、身内にまつわる「老害」について取り上げられている。赤の他人であれば無視したり、他人に任せたりする事もできるのだが、身内となれば無視することができない。様々な諍いも避けられず、様々なところで「疲れ」を生じてしまう。本書はその「老害」を避けるため、8世帯のインタビューとともに、その活路を見いだす一冊である。介護だけではなく、会社の「二代目」などケースは多様にあるため、身内に関して悩んでいる人にとってはうってつけの一冊といえる。

  • 女性を支援する団体「グループわいふ」が共著者として携わった、「老害」をテーマにした本。八つのエピソードから構成されています。
    読んでいて何度となく「なんだこの人は・・・」と不快になりましたが、それと同時に、自分も老いてからこの様な性格・振る舞いをしないと断言することは出来ないので、憂鬱になった。
    特に三章の「他人が悪口を言っている」と嘘をついてしまう人、五章の嫌なことから逃げてばかり、最終的に孤独な余生を送った人のエピソードはこの先増えていきそうだと感じた。
    「おわりに」で綴られている、高齢者をいたわりと保護の対象として眺める姿勢は、角度を変えれば高齢者を弱者と規定する視点以外のなにものでもないという下りは、胸に留めておきたい。

  • 高齢者だって生まれつきの性格に従って生きている。ただし、若い時よりも強い個性となって……と始まるのですが、読んでて怖い(´Д` )色んなケースがあって。
    偏屈な大人にだけはなりたくないなー!と強く思いました。というか、ボケる前にぽっくり逝きたい♪(´ε` )

著者プロフィール

1976年設立。

「2017年 『夫の定年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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