山怪 参 山人が語る不思議な話

著者 :
  • 山と渓谷社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784635320160

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  • 山怪シリーズ三冊目。
    今までと似たような話ばかりなのに、もういいかなと思いつつも手に取ったら読んでしまう。

    今回印象的だったのは、山で最も恐いものは?という話。
    それは本の最初、「はじめに」で語られている。
    山人に山で一番恐いものは何かと尋ねると多くの人が一番怖いのは人間だと言う。
    しかも、生きている人間。
    それは山人じゃない、たまに里山を歩く私と全く同意見だったので「へぇ~」と思った。
    さらに、その後に続く言葉にひきつけられた。
    山に女性が一人でいるのを見ると怖いのだと言う・・・。
    それは正に私じゃないか・・・と思った。
    だけど、こちらからすれば、山に一人で歩いている時に男性に会うというのは現実的な身の危険を感じる訳で、山人が怖いと思う女性の100倍は男性の方が怖いと私は思っている。
    だけど、確かに「いないはずの所に人がいるのは怖い」だろうと想像するので、そういう所で人に会った時は危険な人でないと分かれば、お互いバツが悪い思いをしないようにさりげなく気を使ってはいる。
    この本にはそういう話が載っている。(「奥山の女性」という話)
    そして、例の如く狐やタヌキに化かされた話、火の玉の話なんかが載っている。
    ここで紹介された話は、あとがきで作者が書いてあるように、有名な山で起きる怪異とか、肝試しに行った人間が遭遇する恐怖とかそういったものではない。
    そういうのもあるかもな~というさりげないもので、実際に山に行っている者とすれば説明のつかないちょっとした不思議はあるのが当たり前のような気がする。

  • 3冊目ということで少しマンネリはありましたが、
    山の怪談はこわい。

  • 一番印象に残ったのは不思議でもなんでもない、山であった自殺志願者の話。これはゾッとした。

  • 民俗学的な感じは薄れたけど、山の怖さは変わらない。

  • 相変わらず興味深い

  • 相変わらず不思議と怖いとなんでもないの中間ぐらいの話たち。
    そういう感覚が、心地よい。

  • 山にまつわる怪異譚の3集目。
    1・2集目と同様に東北地方(特に北東北)での聞き書きをメインに構成している。全国各地の不思議な話を東北の話と対比することで、共通性や違いが浮かび上がってくる。
    明らかに怪談っぽく恐ろしい話もあれば、ただ不思議に思った話、面白おかしい話もある。山での失せ物探しの方法には大笑いしたけど、本当なのだろうか?(笑)
    個人的に、紀伊山地の話が興味深かった。

  • p.225の“…山での失せ物探しはイチモツぶるんぶるんで解決するが…”で笑ってしまって不思議さや不気味さが薄らいだ。
    怖い話には下ネタが効くってのは本当だなあ。

  • 山は怖い。
    でもいまだに狐が騙すのはなんか凄い。

  • 「山怪」も早3作目か。
    回を重ねたとて、まったく変わらないその造りにホッとするというかなんというか。
    失礼ながら第1作にはいかにも珠玉の、傑作山怪談オールスターが詰め込まれていたというわけでは決してなく、山という括り以外に縛りのないジャンルの中で、何となく不思議だなあ…とほのぼの感じるようなエピソードも含めて、素朴に談話が並べられていただけだから、第2作、第3作と追っても劣化感のようなものは皆無だし、何なら採録する地域は広がっていったりするので深化が感じられる。
    この遣り方なら永遠にシリーズは続けられるかも?

    個人的には、モロ幽霊系の話は、自分も山に入ることが多いので「勘弁してくれよ…」と本気で怖いが、怪しい光などの火の玉系にはまったく食指が動かんな…。

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著者プロフィール

長崎県佐世保市出身。
佐世保南高校→島根大学農学部→日本写真学園
雑誌、冊子等の撮影、執筆を生業とする。
秋田県の阿仁マタギとの交流は20年に及び“マタギ自然塾”としての活動を行う。
狩猟採集の現場から「地の力」とそこに暮らす人々の生活を常に見つめてきた。
「マタギ 矛盾無き労働と食文化」は阿仁マタギの里での生活を活写。
熊、ウサギ、岩魚、山菜、キノコと山の恵みを享受してきたマタギの暮らしを追った。
今は引退されたり、亡くなられた多くのマタギ達との様々な体験が記録されている。

「2023年 『完全版 日本人は、どんな肉を喰ってきたのか?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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